世界中の小中高校生と日本の子どもたちが、インターネットと英語を駆使し、巨大壁画制作を通じて国際協働学習を行うアートマイル国際交流壁画共同制作プロジェクト。これまでに世界57の国と地域から860校28,780名の子どもたちが参加してきたこの壮大なプロジェクトの発起人であり、ジャパン・アートマイルの代表である塩飽隆子さんに今回は本物の英語力&グローバル・コミュニケーション力を育む「アートマイル」の魅力についてお話いただきました。
≫[前編]世界中が大注目! グローバルな視野をもって自ら考え行動する次世代を育てる「アートマイル」とは?
1.5m×3.6m の大型絵画を実際目の当たりにすると本当に巨大! と感じますが、制作されるお子さま方も大変ですよね!
子どもたちが慣れない英語を駆使してパートナー校の子どもたちとやりとりをし、巨大壁画を相手と完成させるのは一見大変なことのように思えます。しかし、未知の世界と出会ったワクワク感が子どもたちのモチベーションを高め、子どもたちはとても楽しそうに取り組みます。
この世界の、この国の、このAちゃんと友だちになったから、「もっとAちゃんのことを知りたい!」「もっとわたしのことを知って欲しい!」と伝えたい気持ちが溢れ出てくるのです。絵を描いているときには、「Aちゃんはわたしの絵をどう思ってくれるかなあ?」「私たちの絵の続きにどんな絵を描いてくれるかなあ?」といつも相手のことを想ってワクワクしています。ですから絵を描いているときの子どもたちの表情は真剣そのものですよ。
むしろ大変なのは先生の方でしょうね。うまく相手側をリードして学習活動を思い通りに運ぶことができたら、子どもたちと一緒にワクワク感を持って取り組めます。
でも、相手意識が薄くコミュニケーションをしっかり取らないまま自分だけのペースで動いてしまうと、先生だけでなく子どもたちも相手との「つながった感」が薄く、達成感も小さくなります。これでは子どもたちがかわいそう。そうならないように、JAMではスタッフが学習活動の全課程を通して先生方をフォローし、適時具体的に助言し、必要に応じてサポートしています。
壁画に使われる素材はどのようなものを利用されるのでしょうか
壁画のキャンバス素材は、運動会等でよく使われているビニール地の白いテントと同じ「ターポリン」という素材です。その生地で規定のサイズのアートマイルキャンバスを特注しています。
絵の具は、ターナー色彩(株)の「テントアート」という水性アクリル絵具を使っています。「テントアート」はビニール系の素材に適合する世界で唯一の水性絵の具だということです。絵の具は水性ですが一旦乾くと耐水性になりますし、耐光性もあるので屋外展示が可能です。
このアートマイルキャンバスと絵の具の相性は抜群で、小さく折りたたむことができ、しかも折り目で絵の具がひび割れることがないので、安心して折りたたんで航空便で送ることができます。