泣いたのは初日だけ…娘二人と家族で「アメリカ親子留学」
約20年前、米国ペンシルベニアに大学院留学をしました。ここに妻と娘2人を連れて行く形で、2年間に渡り「親子留学」を経験しました。当時、娘達は6歳と13歳。それぞれ幼稚園、中学校に通っていた頃でした。
日本では年長組にいた8月生まれの次女。アメリカのスクールイヤーは9月始まりなので、渡米後すぐに、小学1年生としてアメリカ人の通う学校に入学することになりました。
入学した最初の日、次女は泣いていましたね。しかし、周りを見たらアメリカ人の子ども達も泣いているんですね。みんなお母さんと離れたくなかったり、突然の新しい環境に戸惑ったり。新生活はみんなそれぞれ感じるところがあるのでしょうね。
娘たちは日本から突然連れられてきた状態だったので、はじめはクラスメートや先生が何を話しているか全く分からず心細い思いもしたかもしれないのですが、2日目からは泣くこともなく元気に通学していました。
幼少期発音・アクセントにおける 臨界期仮説(Critical Period Hypothesis)
「臨界期仮説(Critical Period Hypothesis)」という言葉をお聞きになられたことはありますでしょうか。これは、第二言語習得において、思春期を境に年齢が上がると、ネイティブスピーカーと同様のアクセントを習得することが不可能になるという仮説です。(※1)
私の「親子留学」でも、幼かった下の娘は文法なんて知らなくてもネイティブ並の発音をどんどん習得していき、すぐに現地の子のような発音で会話ができるようになっていきました。
しかし、上の娘は思春期が終わるギリギリの時期。文法に関しては学校で習って知っていたと思うのですが、話す時にはガチガチになってしまって。今ではすっかりビジネスで英語を使いこなす彼女も、当時は彼女なりに悩んでいたのではないかなと思います。 この、臨界期仮説はあくまでも仮説として言われているものなのですが、発音能力に関しては今のところこれを覆す例証がでてきていません。なので、発音という面においては学童期、初等教育期に学びはじめるのは得策かもしれないと思っています。
しかし、遅くなったから発音もアクセントも全くダメということではありません。リンガフランカ(=共通の母語を持たない人同士のコミュニケーションに使われる言語)としては最低限の部分を育てることができればコミュニケーション上は問題ないのです。 ネイティブのモノマネができてもコミュニケーションできなければしょうがない。お互いが英語という共通言語を使ってコミュニケーションすることで、やりとりがスムーズになったり、分かり合えることが一番だと思います。
※1: Scovel, T. (2000). A critical review of the Critical Period research. Annual