幼少期をエクアドルで過ごし、人事のプロとして20年間のキャリアを持つグローバルエデュケーション・プロデューサー満田 理夫さん。今回は、ご自身の幼少期の海外経験がアイデンティティー形成とその後のキャリアにどのように影響しているか、詳しくお話をお伺いいたしました。
世界中の子どもたちと遊んだ幼少期の経験により育まれたグローバルマインド
4〜5歳の頃、父の仕事の関係でエクアドルに家族で2年弱住んでいました。私は現地のアメリカン・スクールに通っていたのですが、エクアドルに来ている世界中の駐在員の子ども達と一緒に机を並べて学んだり、遊んでいたりしました。
クラスで使われている言語は英語でしたが、英語はさっぱり分からなかったですね……(苦笑)。
ということで、授業には全くついていけていなかったのですが、友達はたくさんできて本当に楽しかった思い出があります。
エクアドルはスペイン語圏なので、近所にはスペイン語を話す子ども達がいっぱい住んでいました。英語は全くお手上げ状態でしたが、なぜかスペイン語は即効で覚えて使いこなせるまでになったんですよ。
気づけば、妹との兄妹喧嘩は日本語でなく、スペイン語でしていたくらい!
4〜5歳の頃にできあがったアイデンティティーのベース
5年程前でしょうか。妹から「私達のアイデンティティーは、間違いなくエクアドル時代にできたんだと思う」と言われたことがあるんです。よくよく考えてみると、確かにそうだなと思い、人生がはじまったばかりの4〜5歳に自分のアイデンティーティーのベースができていることに驚きました。
エクアドル時代に一番仲が良かったのはカナダ人の友人。ハロウィンではバットマンとロビンの仮装で大盛り上がりしたり……振り返ってみるといい思い出ですね。左の写真は近所に住んでいたインド人の友人とのもの。我が家の庭にあった池で遊んだりしていました。もちろん、エクアドル人の友達は山ほどいましたよ。
幼少期に海外にいたからって、語学が堪能になったというわけではなかったのですが、世界各国から来た友人と遊ぶという経験が、海外の人とのコミュニケーションでよく問題になる「メンタルブロック」という心の壁を取っ払ってくれたと思います。
言葉が通じなくても、海外の方々とすぐに心を通わせて、違う文化の中でも興味を持って楽しく入っていけるのは、明らかにエクアドルで現地の子どもたちや、様々な国から来た子どもたちと楽しく遊んだ体験がベースになっていると思います。