本間正人
(Masato Homma)
京都造形芸術大学教授 ・教育学博士
「世界とポジティブにつながること」を楽しむスペシャルゲストからのメッセージをお届けする
“For Glolea moms”
今回は、NHK教育テレビ『英語ビジネスワールド』『実践ビジネス英会話』講師などを歴任され、「教育学」を超える「学習学」を提唱するなど多岐にわたる活動でご活躍の成人教育学博士 本間正人氏より、パーペチュアル大学×Glolea!が企画した『親子留学』に参加されるママへのメッセージを頂きました!
親子留学プログラムを検討しているお母様と話をすると、お子さんがプレスクールで勉強している間、「ナニーさんに預けっぱなしでよいのだろうか?」「つかの間でも自分が遊んでいて良いのだろうか?」と罪悪感を覚える方がいらっしゃいます。まじめで責任感が強いのは素晴らしいことですが、ちょっと見方を変えてみてはいかがでしょうか?
第一に「遊んでいる」のではなく、「様々な活動は、広い意味での学習である」ということ。私は、教室の中で机に向かっているだけが、学習時間ではなく、美しい場所を見学したり、スポーツで身体を動かしたり、美術館やコンサートに行ったり、あるいは、知らない街で買い物や食事をしたりすることも、人生の中で大切な学びだと思うのです。
こうした経験が、子育てに役立つ可能性は大きいと言えるでしょう。
第二に、母親にとっては、リフレッシュする時間が絶対に必要です。
子育ては、24時間、365日休みなしが、決して当たり前ではありません。かつて、3世代以上が同居していた社会では、おばあちゃんが孫の世話をすることが、母親にとって強力な支えになっていました。しかし、核家族化した現代では、おばあちゃんのサポートが必ずしも存在していません。
母親が、普段と違う空気を吸い、体験することが、心身の健康にきわめて重要なのです。
第三に、母子密着度をコントロールすることが、お子さんを自立させる上で不可欠だということ。
一緒にいる時間が長過ぎると、母親に対する心理的依存度が高まり、子ども(特に男の子)は精神的に自立することができません。
数時間でも親と子どもが別々の時間を過ごすことが、子どもの自立を促す効果は絶大です。
ちょっとグローバル志向なママ&キッズのための情報サイトGlolea![グローリア]とパーペチュアル・ヘルプ大学で企画された「親子留学プログラム」は、お子さんにとっての教育プログラムとして優れているだけでなく、良好な親子関係を維持・深化させていく上で、よく練り上げられ、設計されたものだと思います。
本間正人 京都造形芸術大学教授 ・教育学博士
Profile
成人教育学博士。NPO学習学協会代表理事、京都造形芸術大学教授(一般教養カリキュラム開発担当)、NPOハロードリーム実行委員会理事、一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会理事、一般財団法人しつもん財団理事。
東京大学文学部社会学科卒業、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学 Ph.D.)。ミネソタ州政府貿易局、松下政経塾研究主担当、NHK教育テレビ「実践ビジネス英会話」「三か月トピック英会話:SNSで磨く英語アウトプット表現術」の講師などを歴任。「教育学」を超える「学習学」を提唱し、大人数の参加型研修講師、TVニュース番組のアンカーとして定評がある。コーチングやポジティブ組織開発、ほめ言葉などの著書58冊。
近著「【図解と実例】「初歩」からわかる!コーチング(学研パブリッシング)」、「英語の1秒トレーニング(中経出版)」、「子どもの可能性を引き出す コーチングの教科書(自由国民社)」他多数。