安原愛さん – 翻訳者 Vol.9
息子には、言語が話せる・話せないに関わらず、自分の意思を持ち、それをきちんと伝えられる人間になって欲しい − 安原愛
Global+Learning=Glolea![グローリア]。世界とポジティブにつながる今と未来のためにお子様とともに学び続ける、素敵なGlolea!なママにフォーカスするインタビュー。今回は、翻訳者としてご活躍中の 安原愛 さんにお話をお伺いしました。
Profile: 安原愛 (Ai Yasuhara)さん
英語が好きで、大学で教育学部(英語科)を卒業後、英語関係の仕事に携わってきました。 前職は外資系企業の営業で、イギリス人の上司に、デンマーク人の同僚と、国際色豊かな職場で、毎日英語が飛び交う環境で、日本にいながら外国気分が味わえる夢のような環境でした。しかし、夫が大阪転勤となったので、私は会社を辞めることになり、現在は自宅で翻訳業や、起業に向けた準備をしています。また、パワーママプロジェクト 関西支部のコアメンバーとして、ワーママ向けのイベントを主催したり、ロールモデルを紹介したりしています。 長男 4歳
−− 安原愛 さん流のGlolea!な生き方、子育てスタイル(=世界とポジティブにつながり子どもと共に学び合う子育てスタイル)や、想いがあれば教えてください
安原愛 さん(以下敬称略):
私が英語と出会ったのは、中学生で英語学習が始まってから。小学校時代に、ローマ字は何とか覚えたけど
英語って何?
というような私にとって、英語の授業は本当に大変でした。
初めての単語テストでは、10点満点中3点。当時の私は、ローマ字=英語だと勘違いしていたんですよね。だから
どうして「カメラ」は「kamera」じゃなくて「camera」なの?
とか、理由が分からなくて、もやもやして、とにかく覚えようという気になれなくて、どんどん英語が苦手になりました。
英語苦手から一変!
中学の英語教科書の音源カセットテープが英語好きになる転機に
そんなある日、本屋で当時の英語の教科書「New Horizon」の教科書ガイドと付属のカセットテープを見つけ「少しは勉強に役立つかな?」と購入してみたんです。それは、授業で先生が使うものと同じ音源のテープでした。授業で聞いた箇所を自宅でも繰り返し聞きながら発音を練習するようになりました。テープの真似しながら発音していたら、ある日、英語の先生に「発音が上手だね」と褒められて、英語が好きになりました。
もともと、国語の教科書を音読するのは得意な方だったので、文字を見ただけではどう発音するのか分からなくてチンプンカンプンな英語でも、こうしてカセットテープを聞きながらならだと、音を真似すればいいので読むことができました。
まずはカセットテープを聞く→真似して発音する→教科書を見て、単語の音と文字を比べる
という作業をしていると、いつのまにか、この単語はこういう発音をするのだと覚えることができて、単語テストでも満点を取ることができるようになっていました。 今から思い返すと、リスニングからスピーキング、リーディング、そしてライティングという言語習得の順序で学習することができたので、自然と英語が身についたのだと思います。
私は中学生になるまで英語に触れることがなかったので、頭が固く、慣れるまでに時間がかかってしまいました。たまたま音声テープと出会えたから克服できたけど、それがなかったら、英語は嫌いな教科の1つのままだったと思います。
ですので、息子には小さい頃から英語に触れる環境を作り、日本語以外にも言葉があるということを知ってもらい、苦手意識を作らないようにしたいと思っています。
例えば、日本に住む外国人と交流したり、時には海外へ旅行に行くなど、お互いに無理のない範囲でやりたです。
初めての海外旅行はグアムでした!
ちなみに、2012年9月グアム、2013年9月グアム(友人宅訪問)、2014年9月ハワイ、2015年5月グアムの順で旅行しています。
グアムは3時間ちょっとで行ける手軽さとビーチが綺麗で波も穏やかなので、子連れでホテルでのんびりするのに向いてると思います。ハワイはフライト時間は長いですが、睡眠時間に合わせて出発できるので寝てくれれば楽だし、空気がカラッとしていて、南国リゾートの雰囲気はすごくありますよね。
買い物も楽しいし、美味しいお店も多いし。高いですが、みんなが何度も行きたくなる気持ちも分かります。
無理なく、楽しく親子で英語のある暮らしを楽しんでいます
−−お子様の語学力アップや、
異文化コミュニケーション力UPのために安原さんがされていることはありますか
安原: 英語が好きになってくれたらいいなと思い、息子が赤ちゃんの頃から英語で話しかけるようにしていたのですが、普段日本語を話す私が急に英語で話しかけると、お勉強と思ってしまうのか、3歳頃から私が英語を使うのを息子が嫌がるようになりました。
たまに思い出したかのように英語を使っていたので、日常的に英語で話しかける機会をもっと作っておけば良かったのかもしれませんが、今となってはもう遅いので、無理強いして嫌いにならないようにと、私が英語で話しかけることは辞めました。
ただ、息子とごっこ遊びをする時に
この子は英語しか話せないの
と、予めキャラ設定をしておき、その人形で遊ぶ時には、英語で話すようにしています。私が英語で話していることには変わりないのですが、人形が英語を話している設定になるためか、その時だけは私が英語を話すことを息子も受け入れてくれています。
英語を使う必要性を作るようにもしました。
英会話教室は、料金が高く、日本人講師のケースが多いので、外国人講師の方にレッスンしてもらえるように、個人で募集をかけて手配しました。今は近所のお友達数名と一緒にレッスンを受けているので、一人ワンコイン程度の負担で気軽に参加できています。
外国人ハウスキーパーさんを家事 & 英語子育てに活用しています!
また、私の仕事が忙しい時は、外国人のハウスキーパーさんに掃除や料理をお願いすることも。海外に比べ、日本は家事をアウトソースするのに抵抗があると思うのですが、掃除などをしてもらっている間に、自分でないとできないことをすることで、効率よく時間を使えると思います。
最近では、タスカジのように1時間1500円で家事をお願いできるC to Cのサービスも出ていますし、昔よりも気軽にお願いできるようになりました。外国人のハウスキーパーさんだと、英語でコミュニケーションを取るので、子どもも自然と英語を聞くことになるので一石二鳥です。
小さいうちは、英語を「聞く」ことで、日本語とは異なる言語があるということを知り、英語の持つ「音」を聞いてくれれば十分だと思っています。
ホストファミリーの週末版「ホームビジット」に注目しています!
−−Glolea!なママである、安原愛さんが最近注目しているサービスやグッズはありますか?
安原:知人から聞いて最近知った活動なのですが、ホストファミリーの週末版、ホームビジットに興味があります。
宿泊を伴うホストファミリーにはなれなくても、これなら週末にみんなで公園に行ったり、我が家で食事をしたりと、日本人の普段の生活を留学中の人に体験してもらうなど、気軽に参加できそうです。 グローバル教育というと、つい英語などの語学の勉強と考えてしまうのですが、異国の人達と触れ合い、日本とは異なった文化を知るのも大切だと思います。
外国人と交流することで、日本人との「違い」を学び、それを受け入れ、お互いに認め合えるような関係を築くことができれば嬉しいと思います。
フィリピン親子留学にも興味津々です
それと、フィリピンの親子留学にも興味があります。ハワイに比べて低価格で体験できますし、夏休みなどの長期休暇を利用して、現地の学校に通って経験するのも楽しそう!
グッズは、ココナッツオイルでしょうか。GWにグアム旅行に行った際に、気になって買ってきたのですが、油の代わりに料理に使えるし、パンに塗ってバターの代わりにココナッツの風味豊かな味が楽しめます。
週末に通訳学校に通い、英語力を維持&向上しています
−−安原さんが今、チャレンジしていることもしくは、これからトライしてみたいことはありますか?
安原:前職で毎日英語漬けだった環境から一変して、現在は翻訳をする以外で英語を使用することがほとんどなくなってしまったため、週末に通訳学校に通い、英語力を維持&向上しています。
実は通訳学校は5年ぶり。この5年ですっかり衰えてしまった脳をフル稼働して頑張っていますが、やはり若いころに比べると、記憶力の衰えを感じることも多々あります。とにかく頭に残りません。特に固有名詞。でも、そのうち昔の勘を取り戻せると信じて頑張っています。
語学の勉強はダイエットに似ていると思います。一度始めたからには、現状維持もしくは向上のために継続することが大切です。
以前は、通訳学校を卒業することばかり考えていましたが、今は継続することの大切さを身に染みて感じているので、無理のない範囲で、勉強を続けていきたいなと思っています。
息子には、自分の意見をはっきり伝えられる人間になって欲しいなと思います
−−今後、子育て中のママとして、お子様と共に世界とどのようにポジティブにつながっていきたいですか? 安原さんのお子様との将来の夢などお聞かせください
安原:今後、ますますグローバル化していくので、日本で日本企業に就職したとしても、外国人と一緒に仕事をする機会も増えるでしょうし、海外勤務になる可能性もあるでしょう。
外資系企業で仕事をして感じたのは、自己主張の重要性。つい遠慮して
自分はまだまだです…
なんて言うと、文字通り「能力のない人材」と思われかねません。
日本だと『自分』をアピールしすぎると、時として自己主張が強いと批判されそうですが、海外の企業においては、その人が何を成し遂げたのか?今どんなことをやっているのか?などを、きちんと上司にアピールすることも大切です。「自分が言わなくても上司はちゃんと察してくれるよ」なんて期待をしてはだめ。
会議においても、いかに自分の意見を出せるかが重要となってきます。発言を求められているのに、黙って下を見ていると、事なかれ主義やNOと言えない日本人と言われてしまいます。
日本の「個」よりも「集団」を重んじる文化が、時として、自己主張や自己表現が苦手になってしまう気がするのです。
息子には、自分の意見をはっきり伝えられる人間になって欲しいなと思うので、下記の2点を注意して、自分の意見を発言しやすい雰囲気を心がけています。
- 「調和」という言葉で、発言しにくい空気を作っていないか?
- 人と違ったことをしていることを「個性」として認める前に、「協調」という言葉で、みんなと同じことをすることが正しいとしていないか?
もちろん集団行動ができることも大切ですので、好き勝手にしていいというわけではありませんが、「みんながAを選ぶから自分もAを選ぶ」というのではなく、「自分はBがいいと思うからBにする」と自分の意見を持って欲しいなと思うんです。
とはいえ、超恥ずかしがり屋の息子は、挨拶すら恥ずかしがってなかなか言えないんですけどね。
−−Glolea![グローリア]読者のママ達へのメッセージをおねがいします。
安原:私は英語が好きでこの道を進んでいますが、子どもには英語だけでなく、他言語にも触れて欲しいなと思っています。そして何より、言語が話せる・話せないに関わらず、自分の意思を持ち、それをきちんと伝えられる人間になって欲しいです。