原純子 さん – 株式会社コモーション 代表取締役・ディレクター Vol.15
「世界どこに行っても自分らしく生きていけるサバイバル力」を伝えていきたい − 原純子
Global+Learning=Glolea![グローリア]。世界とポジティブにつながる今と未来のためにお子様とともに学び続ける、素敵なGlolea!なママにフォーカスするインタビュー。今回は、外資系企業のマーケティング広告・PR部門をクライアントとするクリエイティブ・コミュニケーション会社を経営しながら8歳のお子様のママとしてGlolea!な子育てを楽しまれている 原純子 さんにお話をお伺いしました。
株式会社コモーション 代表取締役/マネージングディレクター。1994年に渡豪後、オーストラリアにて結婚。帰国後、広告代理店、大手PR会社、外資系企業、ベンチャーIT会社を経て、2010年に起業。海外企業の日本マーケットエントリーや、外資系企業のマーケティング広告・PR部門をクライアントとするクリエイティブ・コミュニケーション会社を運営する。バハマ生まれのオーストラリア人の夫と息子の3人家族。
長男8歳
−− 原純子 さん流のGlolea!な生き方、子育てスタイル(=世界とポジティブにつながり子どもと共に学び合う子育てスタイル)や、想いがあれば教えてください
原純子 さん(以下敬称略):
息子には「世界どこに行っても自分らしく生きていけるサバイバル力」を伝えていきたいと思っています。
日本には、日本独特の常識というものがあると感じています。「空気を読む」に代表されるように、見えない空気を捉えてみんなが察するというのは、日本語特有のあいまいさから来ている部分もあるかなと思います。この日本の良さは、日本人として大好きな部分です。
一方、海外の方とのやりとりの中では、この常識はなかなか通用しないということを世界各国の方々とコミュニケーションする中で痛感してきました。
私は、言語に基づくカルチャーというのがあると思っています。日本語は一つの言葉にいろいろな意味が含まれていて、そのあいまいさの中から、様々な意味を察する文化はとても美しいと感じます。しかし、それが一度、日本の外を出てみると全く通用しない。
海外の方が一般的に感じる思考回路と、日本の言葉から察する空気感とはずいぶん違うことも多い。
また、日本の中で良しとされていることが、他の国ではNGとされていることも多い。逆もしかり。なので、世界は多様性に富んでいて、そもそも違いがあるということを肌感覚として体得して欲しいと思っています。
リサーチ力、プレゼンテーション力が重要になる時代になると感じています
合わせて、これからの人材に重要なポイントとして考えている
- リサーチ力
- プレゼンテーション力
をつけてもらえたらと思っています。
インターネットで世界がつながっている今。これまでの教育では、暗記しなければならなかったことも、今は、検索すれば情報はすぐに手に入る時代です。
世界の常識感というのは何なのか、世界のトレンドは今どうなっているのか、自分が求めている答えを導き出すために必要な情報を収集しアウトプットするために「リサーチする力」は、彼らの世代にとって重要性は増していくことでしょう。
また、どんな言語でもよいので、何を言いたいのかを短く簡潔に自信を持って伝える力や、プレゼンテーションする能力も重要になってくると思います。
母親として、これらの総合的な力を伸ばすことと、日本の常識感だけでなく、世界の常識感を自然な流れで伝えていけたらと思っています。
家庭内「日本文化係」の私。
日本語・日本文化を学ぶ環境づくりをしています!
−−お子様の語学力アップや、異文化コミュニケーション力UPのために原さんがされていることはありますか
原: 我が家の場合、私が日本人で主人がオーストラリア人という国際結婚カップルなので、つねにインターナショナル&バイリンガル環境にあります。
また、小学校も都内のインターナショナルスクールへ通っているため、逆に、日本語力・日本文化を学ぶ環境をつくるようにつとめています。
家族の役割として母である私が「日本の文化係」です。日本語力のキャッチアップのために「公文」に通わせたり、父の実家に帰省し日本の田舎に触れさせるなどして日本人としてのアイデンティティーを育んでいます。
新しいことを学ぶ時はOn the jobで!
英語も6ヶ月でペラペラ状態になりました
原:私自身は、生まれも育ちもずっと東京で、日本で普通の英語教育を受けてきました。私の英語力が最もブラッシュアップされたのは、オーストラリアでのワーキングホリデー中です。
私がオーストラリアへ渡った頃は、オーストラリアも今ほど好景気ではなく、現地では仕事種類や選択肢がほとんどありませんでした。
せっかくオーストラリアまで行って、日本食レストランやおみやげ屋さんで働くのはないな…と思い、思い切って現地の携帯電話会社で飛び込み営業と、コールド・コーリングと呼ばれる電話セールスの仕事に就きました。
普通に現地の一般の企業や個人に訪問したり電話をするなどして営業販売を行ったのですが、そもそも話しをする気がない人と会話を続けるための工夫をするわけです。それも、母国語ではない英語で。
仕事をはじめたばかりの頃は、
きみの英語の発音では何を言っているかわからない
と、電話をガチャギリされることも…。
しかし、それでもめげずにセールスの仕事を続け、6ヶ月で英語はいわるる“ペラペラ”という状態になりました。
私は、人にお金を払って学ぶより、自分がお金をもらって「仕事としてフルコミット」するほうが、圧倒的に習得率は高くなると思っています。なので、今でも何かの能力を上げたいと思った時は、できるだけOn the jobでトライできる選択を検討します。
スポーツを通じたコミュニケーションから学ぶことに注目しています!
−−Glolea!なママである、原純子さんが最近注目しているサービスはありますか?
原:日本で暮らす国際結婚カップルである私達家族の場合、常に日本語・日本の中の常識や空気感を身につけさせるためにはどうしたらいいかをいつも考えているのですが、色々検討した結果、スポーツを通じたコミュニケーションから学ぶことが良いのではないかという結論にいたり注目しています。
今通っているインターナショナルスクールは小規模なので、スポーツを通じて“大勢で活動すること”を身につけて欲しいと思っています。そして、カラダを思いっきり動かしてコミュニケーションをする。語学メインではなく、言語を超えたコミュニケーションの楽しさを知って欲しいと思います。そういった面でスポーツは、チームとの関わりや、努力して成果を出す達成感も同時に学べて一石二鳥です!
ヨーロッパや北米等…ちょっと遠くの海外へ息子と旅をしてみたいです
−−原さんが今、チャレンジしていることもしくは、これからトライしてみたいことはありますか?
原:主人の母国であるオーストラリアは日本との時差が少ないため、年に何度か帰省します。しかし、私が時差が苦手ということもあり、ヨーロッパや北米等…時差のある国へ旅行したことがありませんので、息子がもう少し大きくなったら、ちょっと遠くの外国へ行ってみたいと思っています。
旅行の醍醐味は、違う文化を味わうという楽しみもあるのですが、自分のコントロールの及ばないところに行き、自分自身がどのように感じるのか、反応するのかということも楽しいなと思います。
なので、親子での旅行は、親と子どもという感覚で行くのではなく、一人の個人同士…旅のパートナーとして各国を巡ってみたいです。
旅を通じて、いつもとは違う色々な経験をして、息子と私がどのように感じて反応するかということも楽しんでみたいなと思っています。
不確定要素が当たり前の時代を生きる私達の子ども世代、
言語に関係なく必要なスキル習得の機会を与えてあげられたらと思っています
−−Glolea![グローリア]読者のママ達へのメッセージをおねがいします。
原:グローバル教育となると、英語とか語学につい気持ちが入ってしまうと思うのですが、実際には、そこから先が重要。世界とどのようにつながっていくのかという事のほうが大切だと思っています。
不確定要素が当たり前の時代を私達の子ども達は生きていくことになると思います。
そんな時代に向けて、今、何を与えてあげると良いのかということを、お子様への一つメッセージとして考えてみると良いかなと思います。
そう考えると、英語はその数ある中のツールでしか無いなと思います。
私達親は、自分がこれまで生きてきた時代や経験を通じて、子どもにこれがベストと思い、与えようとしてしまうけれど、その感覚って5年先、10年先、20年先も同じあるはずではないと思います。
ただ英語が話せてもどうしょうもない世の中になっていく中、言語に関係なく必要なスキルは何なのか。
今はまだ、大学を卒業したら就職というルートが重要視されていますが、これからは、就職したから何なのという時代が来るかもしれない。9:00〜17:00というワーキングタイムの常識が薄れていく中、世界中がSkypeなどでつながり、どこの国にいても気軽に打ち合わせができるという時代は既に来ており、加速していくと考えられます。
また、オフィスという概念もなくなるかもしれない。
それであれば、どのような場所にいても仕事ができるという集中力や、オンとオフの付け方だったり…言語に関係なく使えるスキルを身に着けていくことが大切なのではないかなと思います。
とにかく「世界どこに行っても自分らしく生きていけるサバイバル力」…生きる力が今の子どもが大人になる時代には問われてくるのではないかなと思います。