タイ・オーガニックライフ&Happy Workplaceアンバサダーの大和亜基です。

現在もなお国家平和維持評議会(National Peace Keeping Council)が全権を掌握するという状況の中、日常生活をする上での支障はまったくないものの、「海外留学」の一候補地としてぜひタイへいらしていただきたい、というメッセージをお伝えするのは厳しい状況であるため、記事の更新について考えていました。

しかしながら、短期間とはいえ「海外で暮らす」ということは、どの国を選んだとしても非日常の、想定しない出来事が、時とて言葉が通じない環境において起こりうるのだということを再確認し、危機意識を持つという視点の大事さもお伝えすることは必要なのではないかと思い、本日の記事に至りました。

2014年5月22日にタイでクーデター宣言が出され、下記のようなことが突如決定づけられました。

• 君主制に関する部分を除いた憲法の停止
• 暫定内閣を停止
• 議会上院、全裁判所は引き続き機能
• 午後10時半から翌日午前5時までの外出禁止
• 5人以上の集会を禁止
• 全テレビ・ラジオ局は通常放送を中止、陸軍関連のもののみ放送
• 国民は通常の生活、仕事を続ける
• 大学や学校は5月25日まで閉鎖

日本においてはまず経験することがないことかもしれません。とりわけテレビ局に勤めていた私にとって、「全テレビ・ラジオ局は通常放送を中止、陸軍関連のもののみ放送」ということがいとも簡単に行われてしまった状況には非常に驚き、海外メディアの情報、とりわけ日本人にとっての大事な情報源であるNHKに関してもその指示に従うこととなり、すべてのテレビ局の画面は軍からの発表や記者会見等を除き終日下記のような静止画になりました。

▲国家平和維持評議会(National Peace Keeping Council)による静止画

こういう状況において、自分自身の安全また子どもの安全を確保するために必要なのは情報です。

幸いにもインターネットに関する規制が緩かったために、この間もFacebookやTwitter等を通じて情報を得ることはできました。とりわけ24時間日本語ラジオ放送局J-ChannelのFacebookページは情報が早く、参考にしている方が多かったです。

また在タイ者同士の繋がりはこうした緊急事態においては本当にありがたいもので、メールや携帯でのやりとりを通じて、可能な限り情報収集につとめながら、過剰反応をせず、でも安全第一で無理をしないことを心掛け、夜間外出禁止令が緩和された今もなおそうした意識を持つようにしています。

では短期で滞在をされている方についてはどうでしょうか。「受け入れ先の学校や団体の担当者は現地の情報に精通しているか。」「そうした情報を確実に関係者に届けてくれるか。」これは事前のやりとりでも垣間見ることができると思います。またその地に根づく日本語のメディアはあるか否か。もちろん英語ができる方であれば、常に英語による情報収集が可能になるため、その情報量は格段に増えます。

実際に滞在先を訪れてからも、現地在住の方と知り合う機会は少なくありません。セミナーや、お茶会、またお母さんやお父さん自身が習い事に参加をすることでできる新たな友人。いざという時に電話ができる存在というのは非常に大事です。

私が本記事においてお伝えしたいのは、「そのような危険な事態も想定されるのであれば、海外留学はやめておこう」ということではなく、世界中どこにいても、もちろん日本においても、常に情報収集に関する準備や、人との繋がりを大事にし、生きるために必要な情報が届くような環境づくりをしておく必要があるということです。

そして非常時でなくとも、海外にいるということによる緊張感は知らず知らずのうちに親子ともども心身の疲れをもたらすことがあります。ぜひ自分にとって落ち着く場所、好きな場所を見つけて、リフレッシュすることも忘れずに、海外での時間を満喫していただきたいと願います。

▲クーデター宣言の後でも運動する人が多く訪れる最寄りの公園。

大好きなリフレッシュ場所の1つです。

次のコラムでは、現地在住の方との繋がりが生まれるきっかけになるような場の例として、バンコクで開催された子育てセミナーについてご紹介します。