シュタイナー教育とは? アメリカのシュタイナー教育よくある質問FAQ

春名聡子(Akiko Haruna)
Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー

こんにちは! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダーの春名聡子です。

 

今回は、シュタイナー教育へのよくある疑問・質問に答えます。

 

私はシュタイナー教育の専門家ではありませんが、アメリカのシュタイナー教育の現場を見てきた体験に基づき、理論や専門用語を一切使わずに「シュタイナー教育とは?」について迫ります

高い進学率、SATスコアも良いことでも大注目!
アメリカでも人気の「シュタイナー教育」

以前お届けした記事「 魔法のシュタイナー幼稚園 in ワシントンDC」でもご紹介したシュタイナー教育。

 

アメリカでは、多様な教育方法が受け入れられており、またシュタイナー教育を受けた子どもの進学率やSATスコアが通常より高い事もあり、 ニッチではあるものの、人気の高い教育方法です。

シュタイナー教育は穏健な変革をめざす「進歩主義(progressivism)」の親御さんに人気の教育法

アメリカでシュタイナー教育を選択する親御さんの思想・職業は様々ですが、進歩主義が多いと言われています。

 

ユニークなシュタイナー教育。日本文化で恐れられがちな“ふつうと違う”を避ける人にはアプローチしにくい一方、好奇心旺盛で新しい事にチャレンジしてみたい親御さんには、刺激的な教育方法である可能性があります。

シュタイナー教育Q&A
Q1:シュタイナー教育では、IT教育はしないってホント?

A1:しません。しかし、シリコンバレーでは逆にシュタイナー教育が大人気です

シュタイナー教育は、流行のIT教育を一切取り入れず、教室にコンピューター類がありません。

 

しかし、面白い事にアメリカで、グーグルやAppleに勤める数多くのIT職の親が、子ども時代にコンピューターを触れさせないシュタイナー教育に子どもを通わせているのだそう。

A Silicon Valley School That Doesn’t Compute
From NYTimes

 

知識はコンピューターで検索できる時代、創造性・想像力のちからが21世紀に必要である事を踏まえてかもしれません。

 

IT教育が子どもの成長にとって必須・幼稚園や学校に必要とするか、タブレットやケータイの氾濫による子どものADD(集中力障害)が懸念される時代に、敢えてIT類のない教育環境を選ぶ−−ひとつの選択ポイントです。

子どもの繊細性を育むシュタイナー教育の空間&環境づくり

シュタイナー教育

▲シュタイナー教育の幼稚園の壁には自然素材の美しい人形たちが飾られています

同様に、シュタイナー教育では、子どもの繊細性を育むという観点から、インテリアにプラスチックや原色の素材を極力排除しています。

 

これを現実世界からの逃避と取るか、幼少時の貴重な感性を育む環境と取るかも、親御さんの方針次第では有ると思います。

Q2:シュタイナー教育では精神性を教えているというのは本当ですか?

A2:精神性を伸ばすことに重点をおいています。

シュタイナー教育は、子どもの精神性を伸ばす事に、重点を置きます。

Is This Grade School a ‘Cult’? (And Do Parents Care?)
From Atlantic

私が見学したクラスでも、

みんなで作ったケーキが美味しくできますように!

のおまじない的な要素があったりしました。

 

シュタイナー教育

▲子ども達が自身で自然のアイテムを飾るaltar(日本の神道でいう神棚のカジュアル版)

個人的な話ですが、私自身は、日本で仏教高校・プロテスタントの大学に通い、精神性を背景にした教育にはことさら抵抗感はありませんでした。

 

精神世界と聞くとアレルギーが出る・逆に特定の宗教に属する親御さんには、少しチャレンジングなタイプの教育方法かもしれませんが、瞑想やヨガといったタイプのアクティビティに関心のある親御さんであれば、関心が湧くアプローチかと思います。

 

創始者ルドルフ・シュタイナーの精神論を子どもに教えるかどうかは学校によっても違いがあるようです。

Q3:シュタイナー教育は子どもを遊ばせすぎるように見えますが・・・

A3:遊びの中から学ぶことを促します

 

シュタイナー教育は 、幼稚園〜小学校学齢の子ども達には、知識偏重の教育方法を取っていません。

 

なぜでしょうか?

 

シュタイナー教育の身体・精神への重点はもちろんですが、

それは子どもを観察していると分かる事

とシュタイナー教育の先生は言います。

子どもは、遊びが大好き。遊びと学びの間に境目はありません

遊んでばかりいないで、勉強しなさい!

とつい口にしてしまうほど、無限の想像力を持つ子どもは遊びの天才。この内なる動機に、学びの本質がある、という事なのです。

シュタイナー教育

▲遊びと学びの間に、境目はありません。

遊びと学びの間に、境目はありません

  • 自主的な学び(セルフ・ラーニング)
  • 観察による学び(ソーシャル・ラーニング)

そのポテンシャルは、近年教育界でも注目が高まり続けています。

子どものセルフ・ラーニング能力に関する有名なエピソード From TED

▲教育科学者スガタ・ミトラによるTED talk

シュタイナー教育のセルフラーニング実例

例えば、工作。ワシントンDCで開催されたサマースクールのお子様向けのプログラムを主宰した、豊かな森のキンダーガーデンのベテラン保育士ダイアン先生によると、先生のサマースクールでは、活動内容自体が子ども達の選択。例えば工作を選んだ子ども達は、好奇心から色んな角度でノコを引いたり、協力したり教え合う中で、だんだんと木の切り方を上達させていきます。

 

自分のペースで楽しく学ぶのを、先生は辛抱強く見守るスタンスを取ります。

シュタイナー教育

▲指導なしで、遊びを通じて学びを進めて行く子ども達

ダイアン先生は、これを、

ひとりひとりの子どもの可能性と才能を、自然に花開かせて行く場所を提供する

と言います。

 

自分の内なる動機に突き動かされる形で、ゼロから切り開く学びの本質をパターンとして身につけた子どもは、ほっておいても勝手に伸び、学んで行くのかも、しれません。

 

以上、今回はアメリカでも人気の高い「シュタイナー教育」についてありがちな疑問質問に事例も交えて答えてまいりました。

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

春名聡子(Akiko Haruna)
Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー
ワシントンDC

2008−16年まで北米在住。2015−16年北米ワシントンDCで夏のホリスティックな親子留学プログラム「グローバルコンシャス」を主宰。北米・中米・アフリカなど各地の自然に足を運んだ経験を活かし、現在、人と自然をつなげるジャーニー・ワークショップのプログラムForest Beats -森の鼓動-を運営。

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