【レポ】生きる力を育てる!米国発NPO「Ancestral Knowledge」のキッズ向けプログラム
- 春名聡子(Akiko Haruna)
- Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー
子ども達の好奇心が自然と導き出す無限の可能性と、自信が育てる能力を伸ばすキッズ向けプログラムとは?
国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダーの春名聡子です。ワシントンDCでも、肌寒い朝が増えて来ました。
今回は、前回の連載記事で取り上げた、アメリカの自然生活ブームの牽引役でもある、子ども教育を運営する非営利団体、Ancestral Knowledge(以下AK)のプログラムを通じて、首都DCに住みながらも自然から学び、たくましく育つ子ども達と共に過ごした時間を、複数回にわたってレポートしていきます。
ワシントンDCにある都会の森で行われるキッズ向けプログラム
アメリカで大きく支持を集めているホームスクーリングと呼ばれる“学校に通わずに子どもに教育をする”という選択。AKのプログラムはホームスクーリングを選ぶ親御さんに特に人気です。
ボーイスカウトと似ているようですが、ユニークなのは、古代の土着の知恵である、ネイティブアメリカンの自然の知恵を伝えている所です。
雨がしとしと降りの肌寒い気候で開催された、AKの平日子どもプログラムは、自然の生態系を保存したRegional Parkで開催されました。DCからほど近く、高速道路も横に通っている都会環境ですが、森に一歩入れば、静寂の世界。
森の中にそぼ降る雨の中、子ども達は朝からおおはしゃぎ。少なからぬ子ども達が、カッパと湿ったシャツを脱ぎ捨てて、 風邪を引くのでは、と心配する私そっちのけで、上半身裸で倒木によじ登り、川で水遊びをし、野性のベリーを見つけては食べ
アスファルトで覆われた都会 DCにもこんな野生児たちがいたか!
と私はそのエネルギーに圧倒されるばかりでした。
雨の中でも、素手で火起こしをできてしまうほどに!
プログラムを通じて子どものサバイバル能力が大きく伸びていきます
数年にわたりこのプログラムに参加している子ども達は、素手での火起こしを習い、インストラクターのアドバイスの元で上手に火を操る事ができるようになっています。
この日は何と子ども達は、勢いを増して行く雨の中、自然素材のみで火を起こして燃やし続ける、という事に成功してしまいました。
マッチもライターも使わず、雨天で火を起こすその過程とは…
- 葉っぱと泥で小さなシェルターを作る
- 燃えやすく耐水性の樹種の小枝と薪、乾燥した部分の木材や木の皮を集める
…子ども達は、どの樹種を選べばよいかも、知っています! - 雨の当たらない場所で乾いた木を摩擦して熱を発生
- 火の粉を火種に育て、シェルターに持ち込んで、 火を起こします。
火起こしを初めて、ものの数分で摩擦で焦げた木粉から火の粉ができました!
火を操る子ども達の表情は、真剣そのもの。自然な好奇心に導かれての集中力の高さは、抜群。その目は、また一つ新しい挑戦に成功したという、自信でキラキラと輝いています。
自分達で一から作り上げたこの火は自分達で燃やし続ける
と、大人顔負けの責任感も、表情に現れています。目を見張って彼らの様子を見ていた私は、静かな感動を覚えました。
好奇心が自然と導き出す無限の可能性と、自信が育てる能力を、Ancestral Knowledgeのプログラムを通じて子ども達は磨いています。
ゼロからの環境でも自力で道を切り開く事ができる、という自信を持った子どもは、様々な人生の挑戦に向かって行く姿勢と、自分自身でユニークな未来を選んで行く姿勢を、幼くして身につけているように見えます。
自然に向き合い、自然の中で使えるスキルを身につけるというシンプルな事が、子ども達の成長と人生の選択肢に、大きく影響を与えるように思います。
また次回も、ご報告したいと思います!
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 春名聡子(Akiko Haruna)
- Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー
- ワシントンDC
2008−16年まで北米在住。2015−16年北米ワシントンDCで夏のホリスティックな親子留学プログラム「グローバルコンシャス」を主宰。北米・中米・アフリカなど各地の自然に足を運んだ経験を活かし、現在、人と自然をつなげるジャーニー・ワークショップのプログラムForest Beats -森の鼓動-を運営。