全米あげての「水保護ムーブメント」を起こしたネイティブアメリカンの哲学から学ぶ
- 春名聡子(Akiko Haruna)
- Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー
ネイティブアメリカンから学ぶ、水と女性のつながり
こんにちは!国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダーの春名聡子です。今日は、東海岸バージニア州の山中のキャンプサイトで、夜空を見上げながら連載記事を書いています。
みなさんの中でも、アメリカの先住民、ネイティブアメリカンの自然と共にある文化に関心を持たれる方は多いのではないでしょうか。
親子向けの国際教育プログラムを提供する「グローバルコンシャス」では、先住民からの深い学びをプログラムの中に含めています。8月に開催したプログラムの中では、 ネイティブアメリカンの水のヒーリングのセッションを開催し、参加者にとって大きな学びの機会を作ることができました。
アメリカでは今、ダコタ州のネイティブアメリカンの起こした水保護のムーブメントを発端として、水の大切さが注目を集めています。そこで今回の連載記事では、ネイティブアメリカンから学ぶ、水と女性のつながりについて、お伝えしてみます。
ネイティブ・アメリカン直伝!
無限の力を持つ自然とつながり方
グローバルコンシャス主催の親子サマースクール in アメリカ(ワシントンDC)で水のヒーリングセッションを担当したのは、以前の記事でも紹介したネイティブアメリカンのシャーマン、ラビアー。自然や祖先のメッセージを伝える事ができる人として、DC近郊で様々な儀式やヒーリングセッションを開催しています。
みなさんも、休日に滝や渓流などに散歩・ハイキングに行き、心がすっきりとするような経験をされた事がおありと思います。
ラビアーは、水を始め、自然は人間にとって、燃料・繊維・食料など、単なる “資源”なのではなく、本来は、人間の癒しや精神の健康を支える、無限大の力を持った存在であることを、伝えています。
セッションの始めに、参加者は清めのハーブであるセージを全身に浴びてエネルギーを浄化。
ネイティブアメリカンの伝統的な文化では、音を通じて自然とつながる力を親から子へと伝えています。ラビアーも同様に、自然の領域に入る際に、ドラムを鳴らしながら、水をはじめとした自然への敬意と祈りを歌の形で唱えます。
参加者は水の中に入り、自然への感謝を捧げつつ、各々の体とエネルギーを、水を通じて浄化します。
ラビアーは、
水の流れのエネルギーは人がLet it go(物事を水に流す)を助け、清浄と生まれ変わりを媒介するもの。心や頭から捨て去りたいものを、全部ここに流させてもらいなさい。
自然は、人のどんな祈りや願いも受け止める力がある。自然は人間を助けたいという意思を持って、いつも人間のそばにいてくれている。困った時に、いつでも助けを請うと良い
と言います。
水の守り手であるネイティブアメリカンの女性たちに学ぶ哲学
ラビアーはまた、
人間の浄化を助けてくれる水への恩返しを決して忘れないこと
が人としての自然への役割であることも、強調しました。
前述のダコタ州のムーブメントは、Standing rock族の居留地を流れる川に石油パイプラインが通される計画を巡り、部族は、神聖な水を守ると計画に大きな反対を起こしたものです。やがて全米あげてのムーブメントにまで発展し、オバマ政権は一旦計画の凍結を指示することとなりました。
Standing rock族のある女性がテレビで言った言葉が印象的でした。
月の満ち欠けに体の水が支配される女性は水そのもの、水の守り手。赤ちゃんがお腹の中で育ち生まれる過程は、水が命そのものである事の象徴。母として清浄な水を次世代のために守ることが使命なのです
古代から、泉や湧き水などの水源は、神聖なものとされ、水は大切に、汚しすぎないように、使われてきました。
現代の私たちは、水道システムやペットボトルなどで水に接し、山のピュアな水源から遠く離れた生活を送っています。
なんでも“水に流す”が災いして、生活排水、農業排水、工業排水、原子力発電所からの汚染水など、水の深刻な汚染を避けられない社会になってもいます。
ネイティブアメリカンの人々の哲学は、そんな文明の価値観に一石を投じて、私たちの未来を健康でサステイナブルなものにするために、大切な役割を果たしているように思えます。
水と命との深いつながりを取り戻すには、清流や清い滝を訪れ、水に直接触れ合うのが一番。お子様とのハイキングがてら、ぜひ水に触れてみてくださいね。
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 春名聡子(Akiko Haruna)
- Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー
- ワシントンDC
2008−16年まで北米在住。2015−16年北米ワシントンDCで夏のホリスティックな親子留学プログラム「グローバルコンシャス」を主宰。北米・中米・アフリカなど各地の自然に足を運んだ経験を活かし、現在、人と自然をつなげるジャーニー・ワークショップのプログラムForest Beats -森の鼓動-を運営。