日本発! グローバル教育 “考える力”を育てる哲学対話の有効性
- 黒木明日丘(Asuka Kuroki)
- Glolea! 親子哲学×グローバル教育アンバサダー
はじめまして! 親子哲学×グローバル教育アンバサダーとして、レポートをお届けすることになりました黒木明日丘です。
初回は、私自身のこと、今取り組んでいること、これからアンバサダーとしてみなさんにレポートしていきたいことをお話したいと思います。
私が海外に目を向けるようになったきっかけ
私が最初に海外に目を向けるきっかけになったのは、高校1年の春に出会った国際NGOの学生ボランティアとの出会いでした。ボランティアという言葉もまだ日本に根付いていなかった1995年の春。その日を境に、クラブ活動一色だった私の高校生活は一変しました。
毎日学校が終わるとNGOの事務所に通い、途上国で活動する同年代のメンバーとともに、飢餓・貧困をなくすためにそれぞれの国でどんな活動ができるのか議論し、イベントの企画から実施、活動資金を集めるために企業を回って寄付を募るなど、様々な活動にのめり込んでいきました。
今から思うと、飢餓や貧困という根深い問題をきちんと理解していたわけではありませんでした。しかし文化も言語も全くことなる未知の国で活動する同年代のメンバーと、共通の問題を解決するために、考え、議論し一体となって活動していくことの楽しさが原動力になっていたと思います。このボランティア活動をきっかけに、留学したいと親に懇願し、高校3年の夏に1年間交換留学生として渡米し、より海外への関心を高めていくことになりました。
大学卒業後は、民間企業、NPOでの職を経て一旦妊娠を機に退職し、2010年に長男を出産しました。私にとって出産は、人生の大きな転換期となりました。これまで「いかに自分を高めていくか、自分のやりたいことは何か?」を一番大切にしていました。しかし、出産を経て「自分の子どものため、自分の子どもが生きる未来のために、自分が今できることをしたい」と大きく変化しました。
子どもが1歳になる頃に転職活動を行い、外務省の契約職員としてODAの業務に関わった後、現在の人道支援を行うNGOの職員としてこの4月から働き始めました。
グローバル教育の必要性
日々の仕事で、紛争や災害によって住む場所を奪われ、生きる希望を失ってしまうほど厳しい現実に置かれた人々の現状を目の当たりにします。とても大きなテーマではありますが、戦争をなくしたいという気持ちは募っています。そのためにできることは、時間はかかるけれど、未来を担う子どもたちへの教育が一番大切です。子どもたちが国内外の様々な問題に目を向け、解決に向けて行動を起こしていけるようになるために“グローバル教育”の必要性を強く感じています。
では“グローバル教育とは何か?”、“何を教育するのか?”、グローバル企業で働く友人と議論を重ねました。
もちろん、グローバルな舞台で仕事をするには、様々なバックグランドを持つ人々と議論するためのツールである“言語(多くの場合英語)”の力をつけることが重要です。でもそれ以上に問われるのは“あなたはどう考えるのか?”ということ。
グローバル教育とは“考える力”を育てることだと考えました。
しかし、私自身は中学校受験全盛期の世代。毎日塾に通い、いかに多くのことを記憶するかが問われる子ども時代を過ごし「あなたはどう考えますか?」という問いかけをされる機会はほとんどありませんでした。“考えて考えて考え抜く”というのが実は苦手なのです。それを子どもたちにどのように教育したらよいかわからないというのが、私の悩みでした。
“考える力”を育てるための哲学対話というアプローチ
でもボランティアに明け暮れていた高校時代に立ち戻ってみると、国境を越えて仲間と共通の問題意識をもち、毎日のように考え議論していたことがとても楽しかったのです。実は、身近なことに目を向けて“考える”ことは子どもにとっても楽しい作業なのではないかと思うのです。
子どものころから“考えるくせ”を身につけるにはどうしたらよいか? そのアプローチとしてたどり着いたのが“哲学対話”でした。
また次回以降に哲学対話については少し掘り下げてみたいと思いますが、“哲学”とはイコール“考えること”。これを対話という形で考えを深めていく作業です。
この哲学対話を一番身近である両親との間でできたら、日常的な考える訓練につながるのではないかと思い、「親子で哲学対話」を企画しています。
これからこの連載を通じて、考える力を育てるグローバル教育を切り口に、アンバサダーとして、日本にいてできる子育ての情報を発信できればと考えています。
どうぞよろしくお願いします!
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
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- 親子哲学・グローバル教育
東京都在住。人道支援系の国際NGOに勤務。一児の母。紛争下で苦しむ人々の支援にあたる中で、戦争のない未来のために、子どもたちのグローバルな課題に立ち向かう力を育てる“グローバル教育”の重要性を感じる。グローバル教育の基礎となる“考える力”を養う試みで「親子で哲学対話」を友人と実施中。