グローバル教育×哲学対話…プログラム企画裏話 Vol.1
子どもに投げかける「問い」が思考を深めるための鍵
- 黒木明日丘(Asuka Kuroki)
- Glolea! 親子哲学×グローバル教育アンバサダー
私は現在、友人とともに考える力を育てるグローバル教育をテーマに、「哲学対話」というアプローチを使ったプログラムを企画しています。
まだスタートしたばかりですが、8月から定例会を開くことに決め、先日の日曜日の朝に、ボランティアでお手伝いいただける友人と打ち合わせをしました。
打ち合わせでは、主に10月から12月まで各月1回の計3回シリーズで行う、体験型プログラムについて議論しました。
テーマは「クリスマス」。対象は小学生です。(下記、いずれも予定です。)
- 第1回(10月19日):テーマ「イギリスのクリスマス」
- 第2回(11月16日):「日本のお正月」(簡単な和菓子つくり体験付)
- 第3回(12月21日):「クリスマスにあなたがほしいもの」
1回目はイギリスのクリスマスをテーマに、海外のクリスマスを学び、日本のクリスマスと比較して、対話を行う2部構成。海外のクリスマスソングとしてはメジャーな “12days of Christmas” を題材に、英語の歌と振付も交えようと考えています。
2回目は、海外のクリスマスと同じような位置づけで行われる伝統行事、「日本のお正月」をとりあげます。この回では、和菓子職人の友人に協力してもらい、和菓子作りにも挑戦します。
3回目は、クリスマスカードを製作しつつ、「今欲しいもの」をテーマに対話ができればと考えています。
詳細はこれからさらに詰めていく予定です。
ところで、今回の定例会を通じて気づいたことが2つありました。
1つは、実は自分たちの文化、慣習について知らないことが多いということ。
第2回のプログラムを検討している際、湧いた疑問は「お正月のお菓子って何?? 」 お正月と甘いもので結びつくのは、栗きんとんや花びら餅・・・など。でも、クリスマスケーキのようなものって、お正月にはないのかなと・・・。話し合いの結果、昔は鏡餅をわって作ったという“おかき”を作ろうという案になりました。
意外と大人でもお正月の習慣など、実は知っているようで知らないということ、ありますよね。おせち料理も、あまり家庭で作らなくなっているのではないでしょうか。こうした日本の伝統、文化も、海外の人たちと交流すると、実は問われる場面が多いように思います。
事実、私自身も高校時代に渡米した際、日本の文化についてプレゼンテーションすることが多く、あらためて年中行事など、勉強しなおしたことがありました。
グローバル教育の中でも、あらためて自分たちの文化や歴史を学ぶことも、大切なポイントだと感じました。
2つ目は、知識を深める手段としての「問い」と「対話」を大切にしたい。
何かと知る、勉強することに注力しがちですが、得た知識をどのように自分の中で消化していくかが「考える力を育てる」には大切なことだと思います。
今回のプログラムでも、クリスマスやお正月について知った後、どう自分たちの生活と結びつけて、思考を深めていくかが肝になります。そのための“問い”をどう設定し、子どもたちとの対話を深めていくか、この点について私たちがこれから議論を深めていく必要があります。
この連載でも、私たちの議論を引き続きご紹介させて頂きます!
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 黒木明日丘(Asuka Kuroki)
- Glolea! 親子哲学×グローバル教育アンバサダー
- 親子哲学・グローバル教育
東京都在住。人道支援系の国際NGOに勤務。一児の母。紛争下で苦しむ人々の支援にあたる中で、戦争のない未来のために、子どもたちのグローバルな課題に立ち向かう力を育てる“グローバル教育”の重要性を感じる。グローバル教育の基礎となる“考える力”を養う試みで「親子で哲学対話」を友人と実施中。