新学期スタート!学用品準備から垣間見えてくるアメリカに根付くチャリティー文化
アメリカの小学校事情 vol.4

安立淳子(Atsuko Adachi)
Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー

年度始めに用意する学用品とアメリカに根付いている寄付文化に思うこと~Back to School supplies ~

アメリカの寄付文化とスクールサプライ

▲新学期がはじまる前に準備する学用品。日本とアメリカの違いとは?

アメリカの小学校では年度が始まる数週間前に用意しておく「学用品リスト」が郵送されてきます。

 

そのリストと共に、新学期のスタート時に提出する数々の書類が届きます。

 

日本でも学用品を用意する習慣はありますが、アメリカでの学用品の用意とその活用の仕方がユニークでしたので、今回は

  • 学用品リストの内容とその活用の仕方
  • 新学期に提出する数々の書類の中にあるPTAへの寄付やスクールランチの金額が家庭によって違うこと
  • 諸々のボランティアについての書類を読んで感じたアメリカの寄付文化

…をテーマの中心に据えてお届けします!

新学期にそろえる4年生の学用品リスト

現在、米国サンノゼの小学校に通う娘はこの9月から新4年生に進級します。

 

4年生の学用品リストは次の通りです。

  • Colored Pencils (12 packs) :12色色鉛筆
  • Washable Crayola markers classic colors (8 packs) :8色水性マーカー
  • #2 Ticonderoga pencils (1 package) :#2の芯の硬さの鉛筆12本(#2は日本でいうHBくらいの芯の硬さのイメージです)
  • 1 pack Dry Erase Black markers (broad tip) :ペン先が太いホワイトボードマーカー一本
  • 24 pack Crayola crayons:24色クレヨン
  • 3-Pocket folders (3) :見開きポケットファイル3冊
  • 2-reams white copy paper:レターサイズのコピー用紙2束
  • 1 box Kleenex:箱ティッシュ
  • 5” student scissors:5インチの長さのハサミ
  • Disinfecting wipes (Clorox/Lysol) :除菌拭き取りシート
  • 1 roll of regular paper towels:ペーパータオル一巻
この時期はスクールサプライを用意する家庭が多いので、入り口には売り場の案内看板がたちます

▲この時期はスクールサプライを用意する家庭が多いので、入り口には売り場の案内看板がたちます

このように特設コーナーが設けられています。

▲このように特設コーナーが設けられています。

各学校ごとにサプライリストがあるのですが、そちらも棚にプリントが置いてあり、買う人がリストを忘れていても大丈夫なようになっています。

▲各学校ごとにサプライリストがあるのですが、そちらも棚にプリントが置いてあり、買う人がリストを忘れていても大丈夫なようになっています。

日本とはちょっと違うアメリカの学用品の使われ方とは?

学用品

これらの学用品は新学期初日に子供たちがそれぞれ大きな紙袋に入れて持ってきます。

 

かなりの重さがあるので、保護者がクラスルームまで持ってくる場合もあります。

 

最初の授業が始まる前に先生はその年教室でみんなが使うもの(ティッシュやコピー用紙、除菌シートなど)を集めます。

 

子供たちが普段使うクレヨンや色鉛筆などの文房具は大きめのプラスチックの筆箱に入れて机の上か机の中に保管しておくようです。

 

また、鉛筆は子供たちが削ることはなく、各自2本づつ与えられている鉛筆の先が丸くなったらその都度クラスルームの鉛筆ボックスから新しいものを出して、丸くなった鉛筆と交換して使うそうです。

 

アメリカでの用度品はiPadやパソコンなどの備品は学校の予算で用意

 

使えばなくなるティッシュや紙類などの消耗品は寄付によって賄うというとてもわかりやすい仕組みになっているようです。

 

我が家には小学生の娘の他にプリスクールに通う息子がいるのですが、プリスクールでの消耗品の寄付が足りなくなるとクラスルームの入り口に消耗品の名前が書かれたポストイットが貼られます。

 

保護者達がそれをみて、家庭から寄付できる品物の名前の書いたポストイットを持ち帰り、該当する消耗品を寄付するという形になっています。

 

消耗品のメーカー名が指定されている点もまた面白いなと思います。

寄付やファンドレイジングありきの学校運営から垣間見えてくるアメリカの寄付文化

寄付だけでなく様々なファンドレイジングに支えられるアメリカのPTA

またアメリカの公立幼稚園や小学校ではPTAへの寄付やファンドレイジングありきの学校運営へのサポートが当たり前に行われています。

 

日本にいた頃はPTAへの年間運営費3000円を支払っていましたが、こちらではPTAへの寄付だけでも100ドル単位で呼びかけられます

 

また年度始めのPTAへの寄付だけでなく、ファンドレイジングのイベントも数多く、あの手この手で寄付が募られます
(ユニークなファンドレイジングのイベントの話はまた後日お届けしようと思います)

 

災害時用に子供達が必要とする非常食の用意や毎日食べるスナックの寄付などユニークなボランティアもあります。

アメリカの給食は家庭の経済状況によって値段が変わる!?

そして、スクールランチ(給食)については家庭の経済状況により値段が異なります

 

スクールランチは娘の学校だと通常3ドル50セント(約330円)で提供されますが、生活の困窮度により40セントで提供される子供たちもいます。

 

スクールランチは学生証をスリットすることにより提供されるので、どの子がどの値段でスクールランチを買っているかはわからないようになっています

出せる人が出す…学用品準備から垣間見えるアメリカに根付くチャリティー精神:まとめ

アメリカでは保護者による学校への寄付やボランティアありきで学校運営がサポートされています

 

冒頭の学用品リストに関しても、どうやら全員が全員、リストのものを提出することもないそうです。

 

ファンドレイジングに関しても参加する家庭もあればしない家庭もあり、ボランティアをする家庭もあればしない家庭もあります。

 

アメリカに来てまだ日は浅いですが、それでもどの保護者からも

自分たちだけ出して損だ

とか

あの家は一度も寄付をしたことがない

なんていう言葉を聞いたことはありません。

 

「出せるところが出し、出せないところがあればそこは仕方がない」という精神が根付いているんだなと、それがアメリカ人のいいところなんだなと改めて思う、スクールサプライリストの手紙なのです。

 

今回は「学用品準備から垣間見えてくるアメリカに根付くチャリティー文化」をテーマにお届けしました。次回はアメリカ駐在が決まってから子供達のために検討した3つの重要項目をテーマにお届けします。お楽しみに!

記事をお読み頂きありがとうございました!

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安立淳子(Atsuko Adachi)
Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー
サンノゼ

アメリカジョージア州で高校時代を過ごし、言葉が通じない苦しさ、通じあう喜び、文化や感覚的な違いを肌で感じてきました。教育や文化、友人関係まで、私がかつてこんな風に教えてほしかったこと、今はこんな風に教えているんだという気づきも含め、米国サンノゼでの二人の子育てを通じて実直にリポートしていきたいと思います。

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