子供の辞書選びはどうする!?
家族で英語圏に引っ越すことになった時の「英和辞書」「英英辞書」の選び方[未就学児〜小学生編]

安立淳子(Atsuko Adachi)
Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー

私たち家族のアメリカ引越しのタイミングは娘が小学2年生、息子が3歳の時でした。

息子はともかく、学齢期に異言語での学びをすることになる娘のために辞書を選ばなくては

と思い、渡米前に選んだのが

  • 小学生用の電子辞書、EX-word
  • 学研の小学生用の英和&和英辞書

でした。

小学生のための辞書選び

いずれも小学生相当の母国語での語彙力で理解できる平易な説明とわかりやすい解説が魅力の辞書であり、いずれ日本に帰国した時でも十分使えるものだと判断して購入しました。

しかし、アメリカ生活も学校生活も軌道に乗り始めるときにはすでに辞書がこちらの小学生の勉強にはほぼ活用できないものだということに気づいてしまったのです。

語彙のレベルが違いすぎ!? 日本の小学生用「辞書&電子辞書」はアメリカの学校授業用には適していなかった…

日本の小学生用辞書は英語圏の小学生の辞書としては使えない

▲日本の小学生用の辞書は英語圏の現地校の授業では使い物になりませんでした…

日本で手に入れることができる小学生用の辞書や電子辞書が、アメリカでの学校の授業で使えないことは冷静に考えれば当たり前のことでした。

 

言葉の初歩を学習する日本の小学生の英語学習用の辞書にアメリカの小学校3年生の語彙を求めることが間違っていたのです。

 

例えば…アメリカの小学校3年生の理科の授業で習う「は虫類(reptile)」。

 

確かに日本の小学生でも「は虫類」という語彙は習いますが、小学生用の英和辞書には載っていないのです

 

そもそもの使用語彙範囲が異なるのに、当然のことに気づかなかった私はしばらく娘の辞書難民となりました

 

大人用の辞書を使って説明しても娘にとっては日本語での理解も難しい説明ばかり。

大人用の辞書は子供には難しすぎる…

▲やはり大人用の辞書は子供には難しすぎました…

当時、日々の宿題には私がつきっきりで娘がつまづいた語彙についてわかりやすく噛み砕いて説明する日々でした。

 

そんな時に偶然入ったダウンタウンの古本屋さんで一冊の辞書が目にとまりました。

幼稚園〜小学生低学年におすすめの絵本辞書:
Best Picture Dictionary Ever

Best Picture Dictionary Ever

▲幼稚園〜小学生低学年のお子様におすすめの絵本辞書(英英辞書)「Best Picture Dictionary Ever

 

Best Picture Dictionary Ever」は大体幼稚園くらいの子供たちが読みながら楽しめる絵本辞書です。

 

日本でもあいうえおやカタカナを学ぶ時に楽しい言葉や絵を使って子供たちにとって手にとって読みたいと思わせる本がたくさんありますが、この本も可愛らしいメルヘンな絵とキャラクターがよく使う英語の語彙を楽しく説明してくれていました。

Best Picture Dictionary Ever

例文を絵で説明してくれているので、たとえ言葉がわからなくても推測して読むこともできる仕掛けになっています。

 

当時2年生だった娘には少しばかり幼稚すぎる絵辞書でしたが、迷うことなく購入を決めました。

 

娘には

一日4ページでいいから読みたいなと思ったページを続けて読んでごらん

としばらく読書の代わりに読ませていましたが、娘自身も可愛らしい絵に惹かれたのと

言葉が分かる!

という実感を持てたせいか、楽しく読み続けていました。

 

私は娘が楽しそうに絵辞書を読んでいる様子を見ながら、

このように現地の幼稚園児でも理解可能な辞書があるのであれば、英語の小学生用の辞書を買ってみてもいいんじゃないか

と思い始めました。

小学生におすすめの辞書:
Merriam-Webster’s Elementary Dictionary

0877797455

▲小学生以上におすすめの英語辞書(英英辞書)「Merriam-Webster’s Elementary Dictionary

そうして購入したのがこの小学生用の辞書「Merriam-Webster’s Elementary Dictionaryです。

 

こちらも絵辞書ほど絵はありませんが、時折“図解”を交えたり、興味深い言葉の起源についてのミニ知識を交えながら平易な言葉でわかりやすく説明してくれています。

Merriam-Webster's Elementary Dictionary

iPhoneアプリの英和辞書も活用!

スマートフォンアプリの英語辞書も小学生向けにダウンロード

またこの辞書と同じ時期にアプリの英和辞書もインストールし、使わない古いiPhoneを娘の読書専用の辞書をして与えました。

 

この頃は渡米1年を超え、日本の学年では3年生、アメリカの学校では4年生(G4)となっていました。

 

現在、娘は

  • 紙の辞書
  • スマートフォンアプリのデジタル辞書

両方の辞書を目的によって使い分けています

 

読書の時はアプリの英和辞書を片手に、STEAMなど専門性の高い勉強で使う単語を調べる時はMerriam-Webster’s Elementary Dictionaryを使っています。

STEAM(スティーム)教育:
ロボット&プログラミングなどScience(科学)、Technology(テクノロジー)、Engineering(エンジニアリング)、Art(アート)、Mathmatics(数学)を総称した学習分野。実社会の問題を子ども達が効果的に学ぶアプローチとして現在非常に注目されている。日本ではArtを除いたSTEM(ステム)教育がメジャーだが、アメリカ・カリフォルニア州ではA(Art)を加えた授業が行われている。

この英英辞書とアプリの英和辞書を娘の日常に導入することによって、親である私が宿題に介入する時間が圧倒的に減りました。

 

また、私が介入する時間が減ったことによって娘の課題に対する自主性や積極性も増したように感じました

英語を英語で理解しながら学ぶということ

英語を英語で学ぶ重要性

▲日本で英語教育を受けてきた大人と違い、幼少期から英語圏の学校やインターナショナルスクールで学ぶ子供たちは英語を英語で学びながら理解していくため英語の学びのプロセスが大きく違うのです。

渡米1年がすぎて、当たり前だけど子供たちに対して気づいていなかった重要な事実が一つありました。

 

それは娘も息子も“英語を英語で理解している”ということです。

 

私自身も高校時代、父のアメリカ転勤に帯同してアメリカの高校に通っていましたが、その頃にはすでに日本で英語学習が始まっていたため、随分長い間、いやむしろ高校生活の間ずっと密かに脳内で英文を日本語に変換して理解する作業をし続けてきた気がします。

 

一方で娘は英語学習をしたことがない状況で渡米しました

 

もちろん、渡米当初は幼稚園レベルの英語と小学生の勉強との対比ですから一つ一つ日本語に置き換えて理解するプロセスが必要でした。

 

しかし、アメリカでの生活に慣れ始めてきてからは英語を英語で学習するという感覚の方がむしろ強くなってきたような気がします。

話の流れから一つの単語が持つ多くの意味の中から適切な意味を当てはめること大切さとデジタル&アナログ辞書の使い分け

iPhone等スマートフォンアプリの辞書と紙の辞書の使い分けが重要

辞書に関しても

  • アプリの辞書:
    多少意味がクリアになりきらなくても、話の流れや感覚を理解しながらストーリーを楽しんで欲しい読書はハンディに調べられるスマートフォンアプリ等のデジタル辞書を使用

  • 紙の英英辞書:
    立ち止まってもいいからしっかり語彙を理解して問題に取り組んで欲しいSTEAMの勉強にはでしっかり意味を咀嚼して進めていく場合は紙の辞書を使用

というように目的に沿って辞書を使い分けることが大事だなと思うとともに、自分の英語学習と子供たちの英語学習とは根本が違うんだということを改めて認識しました。

 

それでも親として、今の環境にいる子供たちにとって何が一番適切な勉強ツールであるのかを一生懸命寄り添って考えることで新しい答えが出てくることは私にとっても楽しく興味深いもので、辞書を通してまた一つアメリカ生活に馴染めた気がしました

 

今回は「子供の辞書選びはどうする!? 家族で英語圏に引っ越すことになった時の「英和辞書」「英英辞書」の選び方[未就学児〜小学生編]」をテーマにお届けしました。

 

次回は「おうち英語の楽しみ方…子供向けテレビ番組&Netflixを使って楽しく子供の英語力をUP!」をテーマにお届けします。お楽しみに!

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

安立淳子(Atsuko Adachi)
Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー
サンノゼ

アメリカジョージア州で高校時代を過ごし、言葉が通じない苦しさ、通じあう喜び、文化や感覚的な違いを肌で感じてきました。教育や文化、友人関係まで、私がかつてこんな風に教えてほしかったこと、今はこんな風に教えているんだという気づきも含め、米国サンノゼでの二人の子育てを通じて実直にリポートしていきたいと思います。

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