コロナ渦における「ハロウィーン」シーズンの楽しみ方
- 安立淳子(Atsuko Adachi)
- Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー
10月に入り、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染状況もだいぶ落ち着いた状況に入り、学校再開の目処となる住民あたりの感染者数も紫帯から赤帯に移行。
※現在は私たちの住む郡ではオレンジ帯まで移行しています。
限られた学校では対面式の授業が限定した曜日において実施され始めましたが、いまだに多くの学校でオンラインを利用した遠隔教育(ディスタンスラーニング)が続いている米国カリフォルニア州です。
アメリカの秋からは本来であればイベントが目白押し。子供たちも一年の中で一番ワクワクする季節です。
ハロウィーンシーズンに入りましたが、今年はコロナウィルスのパンデミックにより、従来通りのTrick or Treat( トリック・オア・トリート)はできませんし、学校でのコスチュームパレードももちろんありません。
ただ、そんな中でも季節を感じる楽しみは制限のある中でも様々な工夫で子供たちを笑顔にしてくれています。
今回は、秋のアメリカの最も楽しいイベントの一つ「ハロウィーン」の今年スタイルについて紹介したいと思います。
目次
住宅街のハロウィーン・デコレーションとパンプキンパッチ
例年、クリスマスよりもむしろ大々的なデコレーションが目立つハロウィーン。
今年はいつも注目しているご近所のハロゥイン・デコレーションがさらにパワーアップしていました!
カリフォルニア州でSIP(Shelter In Place/自宅待機)オーダーが発出されて以来、外出の機会は減り、公園も公共施設も閉まった頃からウォーキングを楽しむ人が増えてきましたし、デコレーションをするご家庭も自分たちでなくご近所の方をもエンターテインする気持ちで飾ってくださったのではないかと近くを通るたびに感じます。
またパンプキンパッチ※は小さな子供たちにとってこの季節の1番の楽しみです。
※パンプキンパッチ(Pumpkin Patch)とは:ハロウィーンシーズンになると期間限定で米国各地で出現するハロウィン用のかぼちゃが収穫できたり購入できる販売所のこと。
- ポニーライド
- ヘイライド
- バウンスハウス
- 簡易的に作られたプールでのボート遊び
…などの遊び場を楽しみながらデコレーションのためのパンプキンを思い思いに選んで購入するイベントです。
今年はマスク着用ではありますが、ソーシャルディスタンスを取りながらのパンプキンパッチをどなたも思い思いに楽しんでいるようでした。
私たち家族は週末と平日の両方訪ねてみたのですが、週末は相当な混雑に入場を諦め、その代わり学校終わりの平日にリモートワークの夫も共に家族でパンプキンパッチに行ってきました。
週末の喧騒が嘘のような空き具合で、子供たちもじっくりと思い思いに自分たちのパンプキンを選べた満足の1日となりました。
キンダーの先生の粋な計らい
息子のキンダーの先生から先日素敵なお知らせがありました。
それは
先生のお母さんのご自宅の庭で育てているパンプキンでパンプキンパッチをしにいらっしゃい
というお知らせです。
学校は閉まっているけれど、ここだけは特別にみんなと対面できるし、私もどこで私が育ってきたかをみんなに知ってもらえて嬉しいわ、ただしマスクはしてきてね。
というものです。
ハロウィーン直前の週末を使って、30分ごとの入れ替え制で先生のご実家を訪問しつつ、先生とコミュニケーションができる素敵な機会に息子も大喜びでした。
兄弟姉妹も連れてきていいということで、私たちも家族でお伺いしました。
お庭のデコレーションもさることながら、どのような過程を経てパンプキンが大きくなったかを写真を使って説明してくれたり、裏庭でガラス瓶とアクリル絵具を使ってクラフト作りも企画してくれていて、姉弟共に大興奮のひとときとなりました。
新学期が始まって以来、先生と直にコミュニケーションする機会は教材のピックアップ時だけでしたが、今回の機会でゆっくり先生と直接話す時間も持つことができ、なんだか安心することができました。
サプライズの「トリック・オア・トリート」と「バーチャル・ハロウィーンパーティ」
ハロウィーンの直前、我が家には嬉しいサプライズがありました。
玄関先に娘と息子宛に小さな袋にお菓子やおもちゃの入ったハロウィーンのプチギフトが置いてあったのです。
送り主は息子の学校のお友達です。
今年は例年通りのトリック・オア・トリートはできない代わりに大人たちが子供たちのいる家庭にそっとプチギフトをくださる素敵な心遣いに私も胸がいっぱいになりました。
今年のハロウィーンは土曜日なので、前日の金曜日の学校の時間帯を使ってバーチャル・ハロウィーンパーティが開催されました。
事前に親たちがパーティに必要なグッズをドネーションし、毎週の教材ピックアップ時に親たちに配られた材料を使って当日は子供たちは思い思いに仮装をし、工作やビンゴゲームを楽しんでいました。
制限された状況の中でできることを考えることは大人にとっても楽しいもの
子供たちにとってはある意味クリスマスよりも楽しみにしているハロウィーン。
学校で仮装を楽しむこともできなければ、トリック・オア・トリートもできない中、大人たちも頭を振り絞って子供たちがどうやったら楽しいひと時をおくれるかを考えていた1ヶ月だったなと振り返って思います。
学校の先生も、ご近所さんも、お友達も。
みんながこんな時だからこそ
少しでも子供たちの笑顔を見たい
という切なる思いをそれぞれが形にしてくれたことを強く感じたハロウィンのシーズンでした。
例年通りのトリックオアトリートはできなかったものの、夜にそれぞれのお宅のデコレーションを見に行こうと、お散歩がてら家族で近所を回って歩いたのですが、デコレーションのあるお宅の前にはテーブルと袋詰めにされたお菓子が置いてあったり、デコレーションの仕掛けから自動的にお菓子が出るような仕組みになっていたり、結果家に帰る頃には例年と変わらないくらいのお菓子でいっぱいになりました。
コミュニケーションはなくとも、それぞれのお宅の心遣いを感じ、とても満たされた時間を過ごすことができました。
いつも当たり前のようにやっているお祭りができない時、いつも当たり前のようにある笑い声が聞こえない時、その存在がより大事で愛おしいものになるんだということを私だけでなく誰もが感じただろうなと思えた2020年のハロウィーンでした。
忘れられないハロウィーンの思い出になりそうです。
今回は「コロナ渦でのハロウィーンの楽しみ方」をテーマにお届けしました。
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 安立淳子(Atsuko Adachi)
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- サンノゼ
アメリカジョージア州で高校時代を過ごし、言葉が通じない苦しさ、通じあう喜び、文化や感覚的な違いを肌で感じてきました。教育や文化、友人関係まで、私がかつてこんな風に教えてほしかったこと、今はこんな風に教えているんだという気づきも含め、米国サンノゼでの二人の子育てを通じて実直にリポートしていきたいと思います。