プリスクールに通う4歳の息子のアメリカでのホームスクーリング生活
[世界のコロナ休校対策&オンライン学習事情]
- 安立淳子(Atsuko Adachi)
- Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー
世界中でパンデミックを起こしている新型コロナウイルス(COVID-19)。
前回の記事
でお伝えさせていただいた通り、現在、私たち親子は夫の海外駐在に伴い米国カリフォルニア州で暮らしておりますが、こちらでは、これ以上の拡散をなるべく防ぐための緊急命令として、先月の3月19日、カリフォルニア州のニュウサム知事により自宅待機命令(Stay at home order/ステイアットホーム命令)発動されました。
そして、自宅待機命令発動から2ヶ月が経ち、5月8日には今まで規制措置がとられていた経済活動の一部が再開されました。
いくつかの公園やトレイルを利用できるようになったことはとても喜ばしいことですが、私たちは依然今までとは大きく変わることなくステイアットホーム生活を送っています。
前回の記事では小学校4年生の娘のホームスクーリング&オンライン学習事情について書かせていただきましたが、今回はプリスクールに通う4歳の息子のホームスクーリング生活について書かせていただきたいと思います。
目次
幼少期の息子の学びは家では難しい
学齢期の小学校4年生の娘とは対照的に、4歳の息子の学びはイコール=遊びとコミュニケーションです。
家の中で
- 絵本を読む
- お絵かきをする
- パズルをする
- LEGO®をする
…ことももちろん大切な学びなのですが、お友達と外で走り回ったり、遊具で遊んだり、お友達や、親以外の大人とコミュニケーションをとることによって、体力をつけ、社会性を築いて行くことが何より大切なことだと思っています。
自宅学習が始まった最初の2週間、上の娘が学校にいけないことやお友達と遊べないことに対し不満やストレスを溜めていたのに対し、息子は見る限りでは不満もストレスも抱えておらずむしろ楽しそうにしていることが私にとっては実に助かっていました。
しかしながら最初の2週間が過ぎ、Zoomを使ったオンライン授業が始まってからは、
息子が今の生活に不満やストレスを持っていないことはむしろ問題なのではないか?
と気づき、娘とぶつかりあってもお互い向き合って楽しいおうち学習のやり方を築いてきたように、息子のことも同じくらい考えて息子にとってのベストのおうち時間は何かを考えなくてはと思い始めました。
プリスクールのオンライン授業で全く発語しなくなってしまった息子
息子は3歳で渡米し、すぐに現地校のプリスクールに入りました。
1年10ヶ月と滞在年数は決して長くないのですが、生来の人懐こさとお気に入りの先生との関係の良さから、英語の発語はかなり早い段階であり、面談時もコミュニケーションになんの問題もなく、
秋からのキンダー入学の準備もバッチリだ
という言葉をいただいているほど現地の学校生活には慣れていました。
そんな息子ですが、自宅学習2週間を経て週に2回あるZoomでの授業(大人数グループ約30人、少人数グループ5名)が始まると全く発語しなくなってしまったのです。
授業中は私が側にいないと画面の前から私のいるところまで逃げてしまう始末でした。
たった4歳でオンラインでの授業に集中することはもちろん難しいことですが、それでも、どんな問いかけに対しても頑なに恥ずかしがって答えない様子を見て、不安が出てきました。
先生からは
英語が母国語の子でもオンラインでは発語しづらいから大丈夫だ
と当初は言われていたのですが、回を重ねても改善されず、流石に先生からも息子は
ただ恥ずかしがっているだけなのか、答えたがっていないのか、どっちなのだろう?
を聞かれました。
もちろん、先生としては怒っている訳ではなく、息子が快適なように授業を進めていきたいから意見を聞かせてほしいという意図で、私からは、
大人数グループでの授業だと発語しづらいのかもしれないので、大人数グループでの授業では当面の間
- Yes
- No
で答えられる質問に特化してほしい。
その代わり少人数グループでの授業では答えがなくとも積極的に息子に話しかけてほしい
とお願いをしました。
社会性がで始める時に家族としか関わらないことの危うさ
オンライン授業での発語がなくなってしまった息子ですが、ちょうどその頃息子をとても可愛がってくれている先生がわざわざ我が家の庭先まで会いに来てくれた日がありました。
おそらく発語のない息子を心配してくださったのだと思います。
最初は恥ずかしがって私の影に隠れていた息子ですが、徐々に慣れて来て楽しそうに自分の近況を喋り、自分のお気に入りのおもちゃを先生に見せながら説明まではじめ、いつの間にかオンライン授業での寡黙さはすっかりなくなりました。
またその次のオンライン授業からはまるで失っていた自信を取り戻したかのように先生の問いにはっきり答え始めたのです。
正直、あまりにも明確なその変化に親の私が一番驚きました。
私なりに息子が発語しなくなった理由を考えてみましたが、おそらくまだ社会性を身につけ始めたばかりの息子にとっては、プリスクールに通う前までの、なんの不安もなく家族が当たり前に側にいる毎日が戻ってきたことが快適になりすぎて、社会に対して無意識のうちに拒絶の気持ちが出てしまったのではないかと感じました。
そして、何かきっかけがあればまた息子が持ち始めた新しい彼の世界に飛び込んでいけるのだとも感じました。
今の暮らし
今、息子は週に2回プリスクールでのZoomを使ったライブオンラインクラスを受けています。
一つはクラス全体で行うもの、もう一つは5名ずつの少人数に分かれて行うものです。
クラス全体のZoomオンラインライブレッスン
クラス全体で行うときは、理科の実験を先生が行っている様子を見ながらみんなで喜んだり感想を言い合ったり、先生の声で絵本の読み聞かせをしてもらったり、紙やクレヨンやハサミなどを使って4歳の子供たちでもできる簡単な工作を行ったり、Mat manと呼ばれる、幼児が人間を書き始めるときのお手本を見ながら一緒に買いたり、歌を歌ったりしています。
少人数のオンラインレッスン
一方、少人数のクラスでは画面越しにマッチングゲームを楽しんだり、テーマを設けて(警察、消防、料理など)テーマに沿って新しく覚える単語や、本や、実際に親と料理を作ったものをシェアしたり。
クラス全体で行う授業の時間に比べて、より先生とのコミュニケーションの時間が濃密に持てるようになっています。
子供向け電子書籍ライブラリー「Epic」で楽しく読書
また、「Epic!」という子供向けの電子書籍ライブラリーをプリスクールを通して閲覧できる仕組みになっており、息子が読んだものは先生にシェアされ、次の日には「Epic!」のメールボックスに先生からのお勧めの本が届いたり、読んだ本の数によって、アバターを変更できたり、アバターの種類が増えたりと楽しい仕組みもあります。
何より「Read to Me」というアイコンのある本は、読んでいる箇所をハイライトしながら音声で読んでくれるので、家事の慌ただしい時間にちょっと手を離せない時も楽しい学びを提供してくれます。
こんな風にアカデミックなことに少しだけ取り組みつつ、先生やお友達とコミュニケーションをとりつつも、基本的にはやっぱり庭でプールに入ったり、ボール遊びをしたり、家の中をお姉ちゃんと一緒に駆け回って大騒ぎしてママに怒られたり、とヤンチャな4歳の生活を送っています。
本人は家族と一緒でとにかく毎日ハッピーで、楽しそうですが、親の私としては1日も早く彼にせっかく飛び出した新しい世界や社会やお友達と触れ合う機会を作ってあげたいなと思っています。
今回は「プリスクールに通う4歳の息子のアメリカでのホームスクーリング生活」についてお届けしました。
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 安立淳子(Atsuko Adachi)
- Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー
- サンノゼ
アメリカジョージア州で高校時代を過ごし、言葉が通じない苦しさ、通じあう喜び、文化や感覚的な違いを肌で感じてきました。教育や文化、友人関係まで、私がかつてこんな風に教えてほしかったこと、今はこんな風に教えているんだという気づきも含め、米国サンノゼでの二人の子育てを通じて実直にリポートしていきたいと思います。