アメリカの学校で子ども達が必ず学ぶ重要単語「Sight Word(サイト・ワード)」とは?
アメリカの小学校事情 vol.1
- 安立淳子(Atsuko Adachi)
- Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー
目次
英語で暮らし学ぶために不可欠な超重要単語「Sight Word(サイト・ワード)」
Sight Word(サイト・ワード)という言葉をご存知でしょうか。
アメリカの子どもたちは、小さな頃からPhonics (フォニックス)※と並んでSight Wordを学んでいます。
- Sight = 視覚
- Word = 単語
とあるように、Sight Wordとは文字通り、「見てすぐわかる単語」のリストであり、よく目にする単語という意味もある、英語で暮らし、学ぶために不可欠な超重要な単語のことです。
今回の記事では、小学2年生でアメリカの小学校に編入した娘にSight Wordを教え始めたきっかけや、具体的にどのようにSight Wordを学び、英語で暮らすための英語力を伸ばしてきたのか、Sight Wordを学ぶメリットについて我が家の体験談をもとにお伝えしてまいります。
※Phonics(フォニックス):英語の発音の規則性を身につけることによって初めて見る単語でも発音できるようになる、読み方を教えるための手法。
娘に何より先にSight Word を教えた理由…我が家の場合
4歳になるまでアメリカで生活していた我が家の娘。
日本帰国後は「日本の生活をめいいっぱい楽しんでほしい!」という親の考えにより、英語力をキープするために特段何も行わなかったため、8歳までの日本での4年間の生活で彼女の中から英語は全て抜けてしまっていました。
娘が小学2年生のタイミングで再び渡米(夫の海外赴任に家族帯同)することになり、お誕生月の関係でアメリカの小学3年生(3rd Grade)に編入するも、当然、授業の内容はチンプンカンプンのようでした。
毎朝
学校に行きたくない…
と泣く娘に、何とか1日でも早く現地の学校生活を楽しんでもらいたい。そのためにはやっぱり言葉を覚えるしかない! と、アメリカに住む友人にアドバイスを求めました。
そこで教えてもらったのがSight Wordです。
Phonicsはいずれ覚えるからよし。文法は必要だけど今じゃない。
今はとにかく彼女にとっての新しい言語を理解するための足がかりになる言葉を一つでも多く増やすべきだと考え、早速Prekindergarten(Pre-K:幼稚園年少レベル)〜3rd Grade(小学3年生レベル)までのSight Wordのフラッシュカードを購入しました。
私と娘のSight Word フラッシュカードの活用法
▼Step1:1ヶ月で100のSight Wordを読んで発音
まず、一ヶ月で一学年分。つまり1ヶ月で100のSight Wordを読んで発音できることを目指しました。
訳はあまり重要視しないで、頻繁に使われる形や意味についてだけおまけのように話してひたすら読みました。
最初の数回は私の後にリピートして発音し、その後からはフラッシュカードを示して彼女に読ませ、読めたものは合格として、100単語全て発音できたら、次の学年に移りました。
▼Step2:聞いた単語を書き取る練習
約5ヶ月かけて500のSight Wordの発音をマスターした後は、聞いた単語を書けるようになることを目指しました。
その頃にはだいぶアメリカ生活にも慣れてきて、単語も頻繁に聞くからか、綴りもあまり間違うことなく書けるようになりました。
▼Step3: Sight Wordのフラッシュカードを組み合わせて文を作り合うゲームを楽しむ
発音し、書けるようになった後はゲーム感覚でカードを組み合わせて簡単な文を作りあいました。
フラッシュカードの良いところは、一つの単語で一枚になっているので、組み合わせも楽な点です。
学年によっては動詞が少なかったり、名詞が少なかったりでできる文も限られますが、限られているからこそ、娘も動詞や名詞の役割を理解しやすかったのではないかと思います。
Sight Wordをマスターすれば英語の本がラクに読めるように!
例えばSight Wordの初歩中の初歩。Prekindergarten(Pre-K:幼稚園年少レベル)で学ぶ単語の中に
- a
- and
- for
- he
- is
- in
- it
- of
- that
- the
- was
- you
…などがありますが、これらのベーシックな単語だけで英語の文章の約25%を構成しているそうです。
つまり、Sight Wordをマスターすることで、楽に英語の本を読めるようになるのです。
娘の学校では毎日20分の読書の時間が宿題として与えられており、読書のための本はそれぞれのリーディングレベルが数値化されていて、そのレベルの中から本を選ぶことになっています。
渡米当初0.8(幼稚園8ヶ月相当)のリーディングレベルだった娘ですが、渡米後10ヶ月を経て3.4(小学生3年生と4ヶ月相当)のリーディングレベルにまで到達できたのは娘が頑張ってSight Wordをコツコツと覚えたからだと思っています。
Sight Wordの学び始めは牛歩のよう。なかなかスラスラとは行かないかもしれないですが、コツコツとSight Wordを覚えた先には英語力の飛躍を期待できるのではないかと思います。
英語で暮らし学ぶために…文法を覚えることよりも大切なこととは?
文法は大事です。正しい英語を話せることが最終的なゴールなことは間違いありません。
ただ、娘を見ていて思うのは、Sight Wordを覚えて理解できる単語が増えたことで文章を読み解く力がつき、日々みんなと同じレベルの本を読める可能性に近づいている楽しみを得られた事は何より大きい成果だったと思います。
クラスのみんながチャプターブック(絵本ではない物語の本)を読んでいる中、幼稚園児用の絵本しか読めなかった娘ですが、
いつか私もみんなと同じようにチャプターブックを読めるようになりたい!
と日々頑張っていました。
そんな日々が遠い昔の出来事に思えるほど、今では誇らしげに簡単なチャプターブックを毎晩読んでいます。
娘の「知りたい」「読みたい」気持ちを後押ししてくれたSight Wordのフラッシュカード。
文法を覚えるよりも、まずは、単語を増やし、全体として何を言っているかを理解できること。それこそが英語を楽しめる早道かもしれないと、Sight Wordをコツコツがんばってきた娘の姿を見ながら感じています。
英語で知りたい! 読みたい!
という気持ちのあるお子様方や、それをサポートされているママ・パパにぜひ、この記事を通じてSight Wordを覚えるメリットについて少しでもお伝えできていたら嬉しいです。
今回は、アメリカ学校で子ども達が必ず学ぶ重要単語「Sight Word(サイト・ワード)」についてお届けしました。次回は「宿題はオンラインで!?子ども達のモチベーションに繋がるアメリカの楽しい宿題」についてお届けする予定です。
お楽しみに!
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 安立淳子(Atsuko Adachi)
- Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー
- サンノゼ
アメリカジョージア州で高校時代を過ごし、言葉が通じない苦しさ、通じあう喜び、文化や感覚的な違いを肌で感じてきました。教育や文化、友人関係まで、私がかつてこんな風に教えてほしかったこと、今はこんな風に教えているんだという気づきも含め、米国サンノゼでの二人の子育てを通じて実直にリポートしていきたいと思います。