はじめまして。

この度、インターネットを利用した遊びの活動で世界のこどもたちが出会い、伝えあい、つながる場である「ユニバーサルプレイグラウンド」の研究開発と場づくりの企画・運営を行う、認定NPO法人パンゲアの活動についてGlolea!［グローリア］にて連載をさせていただくことになりました、パンゲア理事の枝廣綾子です。

▲ウェブカメラの向こうの日本の子どもたちと声の大きさを競う「こえつな」で遊ぶ韓国の子どもたち

連載初回の今回は、パンゲアの紹介をさせていただきたいと思います。

パンゲア誕生のきっかけは、9.11。
未来は子どもたちの手の中にあるとの思いからーー

パンゲアとは、５大陸がひとつだった頃の古代超大陸の呼び名です。

活動を通じて世界規模で子ども達がつながってゆくことへの願いを込めて、団体名と活動名をパンゲアと名付けました。

パンゲアの活動は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件をきっかけに始まりました。

パンゲアの二人の創始者は、たまたま乗るはずだった飛行機を直前の予定変更でキャンセルしていたところ、あの日の墜落を免れたのです。

生き残ったことには何か意味がある、あのような惨事をくりかえさない世界にどうできるのか、あの後にアメリカを覆った文化や宗教の違いをベースとした偏見を、どのように減らすことができるのか

と考えたときに、未来は子どもたちの手の中にあるとの思いから、世界の子どもたちがインターネットを通じて、国や言語、文化や経済格差などの違いを超えて、顔の見える個人として出会い、伝えあい、つながることのできる遊び場「ユニバーサルプレイグラウンド」を創って世界に展開しようと、活動を開始しました。

東京、千葉、京都近辺で活動可能な
小学校3年生〜中学校3年生の子どもたち大募集中！

パンゲアの活動は参加年齢を９～１５歳、日本では小学校３年生から中学校３年生までとしています。

海外との交流活動ですが、英語など外国語を話せる必要はありません。

日本では東京、千葉、三重、京都に拠点があり、海外では韓国、ケニア、カンボジア、オーストリア、マレーシアで活動実績があり、来年にはブラジルにも新たにパンゲアの拠点ができる予定です。

▲パンゲアの活動で子どもたちが出会うことのできる国は世界中に広がっています！

月に1回、年10回（4月と8月はお休みなど）の年間プログラムに25人ほどの子どもたちが大学のメディアセンターや、スポンサー企業の会議室などの場所に集まり、土曜日の午後に3時間の活動をしています。

年齢の異なる子どもたちの集まる活動は、ファシリテーターと呼ばれる、大学生や社会人のボランティアによって支えられています。ファシリテーターは、先生ではありません。インターネット環境を含めてパンゲアの活動の場を作り、子どもたちといっしょに遊んでアイデアを出すことを手伝ったり、楽しい活動の環境づくりをする役割です。

ルールはたった一つ。人の嫌がることをしない

▲「赤の色から日本の子が想像するのは何？」ファシリテーターに手伝ってもらいながら話し合う韓国の子ども達

パンゲアのただひとつのルールは、「人の嫌がることをしない」です。

これを拠点の中でも、海外の子がどう思うかという観点からも、徹底しています。

例えば疲れたときに黙って絵を描くのをやめて休んでいることは構いませんが、隣の子の邪魔をすることはルール違反です。銃や暴力的な絵を描きたがる子もいますが、世界は日本のような平和な国ばかりではないことを話し、もし、銃で家族が傷ついたことのある海外の子がその絵を見たらどう思うか、自分がその立場ならどう感じるか、考えてもらいます。

このような問いかけも大人のファシリテーターの役目ですが、一旦ルールを理解すると、子ども達同士でも教え合いや話し合いが始まります。

子どもはきちんと話せば理解は早く、やんちゃな子ほど一度理解するとリーダーになってくれます。

次回のレポートでは、英語も話せない子どもたちが、実際どうやって海外の子とやりとりするの？という点を取り上げたいと思います。

− 写真提供: 認定特定非営利活動法人パンゲア