覚えておくと面白い!日本語/英語のことわざ・慣用句・言い回しは直訳で通じる?通じない? − 英語ネイティブ米国人講師が教える親子で楽しむキッズ英語 vol.8
- Glolea! [グローリア]編集部
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日本語にはたくさんの成句(ことわざ、慣用句・比喩表現、熟語、故事成語など)…様々な言い習わしがあります。
例えば…
- 猿も木から落ちる(ことわざ)
- 残り物には福がある(ことわざ)
- 頭が固い(慣用句)
- 後の祭り(慣用句)
- 猫の手も借りたい(慣用句)
- 鰻の寝床(慣用句)
- 栄枯盛衰(四字熟語)
- 臨機応変(四字熟語)
- 闇雲(二字熟語)
- 鬼才(二字熟語)
- 漁夫の利(故事成語)
- 背水の陣(故事成語)
…上記以外にも、日本語のことわざ、慣用句、熟語、故事成語などは数え切れないほどあり、それが成句・言い習わしであることすら忘れて日々の会話で使っていることが多いはずです。
さて、これらの言葉は英語直訳で通じるのでしょうか? 逆に英語のイディオム(≒慣用句)は日本語に直訳できるのでしょうか?
今回は、英語を学ぶ多くの日本の方々を教えてきた英語ネイティブの米国人英語講師の視点から伝えたい、子供から大人まで、英語を学ぶすべての人に知っておいてもらいたいことわざ・慣用句・言い回し…日本語・英語の直訳・意訳にまつわるあれこれについてお届けします。
目次
二字熟語「猫背」は英語直訳できる?
まだ私がアメリカに住んでいる頃のお話です。
妻の妹夫婦が遊びに来てくれたことがあります。義兄はとってもフレンドリーなので、お互いにうまく話せなくてもすぐに打ち解けることができました。
楽しい会話の中で、義兄は私に
あなたはキャット・ショルダーだね!
と日本語で言いました。
私は「Cat Shoulder」という部分 は聞き取れたので
Cat Shoulder?
とリピートしてしまいました。
私と義兄のやりとりを見ながら妻と義妹は大笑い。
そこで初めて、背中が丸まりがちな人の姿を猫の背中のようなという意味で日本語では「猫背」と表現することを知りました。
また、義兄は「猫背=Cat Shoulder(キャット・ショルダー)」という表現が英語圏でも伝わると思ったのだと悟りました。
実は「猫背」は英語直訳では通じない日本語独特の表現です。残念ながら英語圏で「Cat Shoulder」と言っても伝わりません。
二字熟語「猫舌」は英語直訳できる?
日本に住んでいる私の兄は猫舌です。
日本人に
My brother has cat’s tongue.
と言うと皆さん、私のお兄ちゃんは熱い食べ物が苦手なんだなと理解してくれますが、アメリカの家族にcat’s tongueと言っても「???」と、不思議な顔をされてしまいます。
やはり、「猫舌」も英語直訳では通じないのです。
慣用句「猫の額ほどの土地」は英語直訳できる?
これは友人から聞いた話です。
とある日本人ビジネスマンが売りに出ている小さな土地のことを「猫の額ほどの土地」と外国人上司に英語でいいました。
英語には存在しない表現なので当然伝わらず…
Cat’s Forehead?
と外国人上司は困惑していたそうです。
日本ではおなじみのこのような慣用句もやはり英語直訳では全く通じないのです。
日本語・英語のことわざ・慣用句・言い回し…ほとんどが全く別物と覚えておこう!
文化や言語が違っても、みんな感情ある人間。
よく知り合えば人は一緒だなと感じる場面は多々ありますが、成句(ことわざ・慣用句・比喩・故事成語・熟語・言い回し)に関しては英語と日本語ではほとんどが違います。
日本語のことわざを英語直訳しても英語圏の人たちには意味が伝わらないように、英語のイディオムを日本語に直訳しても日本人には意味を想像しにくい言い回しもたくさんあります。
例えば…
Once in a blue moon / 直訳:青い月のときに
意味:滅多におこらないこと
A piece of cake / 直訳:1切れのケーキ
意味:非常に簡単なこと
When pigs fly / 直訳:豚が飛ぶ時
意味:絶対にありえないこと
英語をそのまま日本語に直訳しても、日本の方々には何の意味だかさっぱり分からないのではないかと思います。
時々、想像可能な慣用句(イディオム)もあります
非常に少ないですが、比喩は違うけれど日本語・英語同じような意味になる成句もあります。
例えば、すごく仲が悪いという表現を「犬猿の仲」と日本語では言いますよね。
英語でThey are like dogs and monkeys と言っても伝わりません。
英語では
They are like cats and dogs.
と言います。
- 日本語:犬と猿
- 英語:犬と猫
この成句はそれぞれを直訳しても意味を想像しやすい表現ではないかと思います。
その他にも、
- 早起き:Early bird (朝早い鳥)
- 食べまくること:Pig out (豚のようにガツガツ食べる)
と英語で表現することがあります。
これらの英語慣用句(イディオム)は日本語直訳でも比較的想像しやすい表現の一例です。
まとめ:英語の慣用句は知識として持っていると会話がより楽しく! 気に入ったフレーズは思い切って使ってみよう
特に、上級者のみなさんは映画を観ていて
聞こえてくる英語と日本語字幕の表現がなんだか違う気がするぞ?
…と思うことがしばしばあるのではないでしょうか。
その多くはこのような成句・慣用句の日本語と英語の言い回しの違いで生じていることがあるかもしれません。
英語の慣用句や言い回しを全て覚えましょうということではありませんが、違いがあるということは知っておきましょう。また、話すうえでも聞くうえでも「大きな違いがある」という知識があることで混乱や不安は防げます。
私自身は猫背という表現を知らなかった頃、義兄から「Cat Shoulder」と言われて「Cat Shoulder???」となってしまいましたが、この表現をとても面白いと感じました。
前回の記事同様、アウトプットをする際に伝わらなかったり、スムーズな会話で突然わからなくなったりしたときに「怖い」と思ってしまわないよう、予め知識として「日本語・英語の成句・イディオムの表現には違いがある」ということをお伝えできたらと思い今回の連載のテーマとして取り上げてみました。
気に入った英語のイディオムやフレーズは覚えて実際に使ってみても楽しいと思います。また、外国人のお友達に日本語版の成句を教えてあげるのも楽しいと思います。
ぜひ、日本語・英語それぞれの成句・イディオムの違いを楽しんでみてください! 次回の連載記事では「知っておきたい日本とアメリカ…文化の違い」をテーマにお届けします。お楽しみに!
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