国際バカロレア(IB)とは?- 海外大学進学や日本の大学入試にも使えるってホント!?世界に広がる国際標準の教育プログラムの魅力とその広がり

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国際バカロレア(IB:International Baccalaureate/インターナショナル・バカロレア)は、スイス・ジュネーブに本部を置く「非営利教育財団 国際バカロレア機構(IBO:International Baccalaureate Organization)」が提供する国際標準の教育プログラムです。

目次

国際バカロレア(IB)は海外大学へのパスポート!?
話題の「国際バカロレア入試」とは?

国際バカロレア(IB)ロゴ

▲最近よく耳にする「国際バカロレア(IB:International Baccalaureate/インターナショナル・バカロレア)」とは? 国際バカロレアは「IB」と略され日本では「アイビー」と呼ばれることも多い。

国際バカロレア(IB)は「海外大学へのパスポート」と比喩されるほど、世界的に多くの教育機関で認められている国際的な大学入学資格につながる教育プログラムです。

 

現在、ハーバード大学オックスフォード大学…等の各国名門校をはじめとし、世界75カ国約2500以上の大学で「入学資格」や「受験資格」として認められている国際バカロレア(IB)の認定書(ディプロマ)

 

国際バカロレア機構(IBO)に登録された認定校にて指定のカリキュラムを履修後、所定の成績をおさめて国際バカロレア資格(IB Diploma)を取得すれば世界各国の大学に自分の能力を証明できることになるのです

 

実は、ここ数年、海外大学だけでなく、東京大学・京都大学・慶應義塾大学、早稲田大学…等の日本国内の大学においても国際バカロレア(IB)のディプロマスコアを用いた、通称「国際バカロレア入試」が広がってきていることもあり、より注目度が高まってきています。

 

今回は、日本の文部科学省が国内の国際バカロレア(IB)認定校等を200校まで大幅増加させることを目指すべく普及の拡大を急いでいることでも話題の国際バカロレア(IB)とは何なのかなぜ、今、国際バカロレア(IB)プログラムが国内外で大きな広がりを見せているのかを解説していきます。

世界に広がる国際バカロレア(IB)認定校と教育プログラムの目的 

国際バカロレア(インターナショナル・バカロレア:IB)プログラムの教育目的

国際バカロレア(IB)は

多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成

を目的とし、2017年6月1日現在、世界140以上の国・地域、4,846校が国際バカロレア(IB)の認定校となっています。

国際バカロレア(IB)の学習者像とは?

世界共通の大学入試資格とそれにつながる小・中・高校生向けの教科横断の探究型学習プログラムとして注目されている国際バカロレア(IB)。

 

国際バカロレア(IB)では教育プログラムを通じて、国際的な視野をもつ人間の育成を目指し、人類に共通する人間らしさと、地球を共に守る責任を認識し、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する人間を育てるため、理想の学習者像として以下の10項目を目標にプログラムが提供されています。

国際バカロレア(IB)が目指す10の学習者像(The IB Learner Profile)

  1. Inquirers 探究する人
  2. Knowledgeable 知識のある人
  3. Thinkers 考える人
  4. Communicators コミュニケーションができる人
  5. Principled 信念のある人
  6. Open-minded 心を開く人
  7. Caring 思いやりのある人
  8. Risk-takers 挑戦する人
  9. Balanced バランスのとれた人
  10. Reflective 振り返りができる人

国際バカロレア(IB)教育プログラムの4段階

プリスクールに通う年齢である3歳から高校生にあたる19歳の年齢まで、国際バカロレア(インターナショナル・バカロレア:IB)の教育プログラムは4段階に分かれています。

▲プリスクールに通う年齢である3歳から高校生にあたる19歳の年齢まで、国際バカロレア(インターナショナル・バカロレア:IB)の教育プログラムは4段階に分かれています。

3〜19歳の生徒に向け、国際バカロレア(IB)はプログラムは4段階に分かれています

  1. プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP):
    3歳〜12歳を対象とした精神と身体を発達させることを重視したプログラム
    →世界の認定校数:1,509校[日本国内認定校:22校]

  2. ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP):
    11歳〜16歳を対象とした、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラム
    →世界の認定校数:1,398校[日本国内認定校:14校]

  3. ディプロマ・プログラム(DP):←特に国際的な大学進学へのルートとして注目度UP!
    16歳〜19歳を対象としたプログラム。所定のプログラムを2年修了後、最終試験で所定の成績を納める、国際的に認定されている大学入学資格が取得可能
    →世界の認定校数:3,209校[日本国内認定校:33校]

    ※日本国内では、プログラムで使用される言語は「日本語DP」の対象科目等を除き、英語、フランス語又はスペイン語で実施。

  4. キャリア関連プログラム(CP):
    16歳〜19歳を対象とした、生涯のキャリア形成に役立つスキルの取得を重視した、キャリア教育・職業教育に関連したプログラム
    →世界の認定校数:136校[日本国内認定校:0校]

※指定校数は平成29年6月1日時点の数字です。

探究型学習?アクティブラーニング?プロジェクトベースドラーニング?TKO?
国際バカロレア(IB)の学び方

国際バカロレア(IB)プログラムでは教科書を使わないってホント!?

▲先生の板書を黙々とノートに書き写して暗記してテストに備える…という授業スタイルとは大きく異なる国際バカロレア(IB)

国際バカロレア(IB)の教育プログラムの魅力は、グローバルに活躍するための素養を多角的に育成するための優れたカリキュラムです。

 

従来型の、先生が板書し、子供達は板書にかかれている内容を暗記し、テストに備える…というような授業は国際バカロレア(IB)では行われません。

 

例えば、高校生の年齢である16歳〜19歳を対象とした国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラム(DP)では、

  • 探究型学習(Inquiry Based Learning/IBL)
  • プロジェクト型学習(Project Based Learning/PBL)
  • 協同型学習(Cooperative Learning/CL)

…と、授業は生徒達を中心として創造的に進められます。先生は学びをサポートするファシリテーターとしての役割を求められるのです。

 

また、国際バカロレア(IB)では、Theory of Knowledge:知識の理論(TOK)という学び方により、教科の枠にとらわれず、論理的思考力や、狭い見方にとらわれない批判的精神コミュニケーション能力などを養い、知識を様々な角度から捉えて活用する力を育みます。

 

生徒達が課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深い学びを実現するアクティブ・ラーニングを通じて、授業で得た知識を活用し、実社会での課題や問題とをつなげ、好奇心を関心に広げ、他者と意見交換や議論したり、考えをまとめながらテーマをより深く学びます。

子供達が社会に出てから役立つ思考力やコミュニケーションを伸ばす
国際バカロレア(IB)のアプローチ

国際バカロレア(IB)プログラムにて学ぶプロセスを通じて、子供達は世界観を大きく深く広げるだけでなく、

  • チームワーク
  • リーダーシップ
  • ファシリテーション

…などのコミュニケーション能力を学びのプロセスの中で自然と身につけるため、子供達が社会に出てから役立つ思考力やコミュニケーション能力を伸ばす効果的なアプローチとして注目されています。

 

明確な答えのない世界規模の社会問題に解決していけるような素養を育み、予想不可能な次の社会に多角的な視点から考察、論理的な思考力をもって対応できるような人材育成が今後急務となる中、国際バカロレア(IB)認定校を目指す学校が世界中に急増。世界各国の教育者や保護者からの大きな期待が寄せられているのです。

世界各国への進学ルートが確保される!
国際バカロレア資格(IBディプロマ)の魅力

3〜19歳の生徒に向け、4段階に分かれている国際バカロレア(IB)教育プログラム。中でも、16歳〜19歳を対象とした「ディプロマ・プログラム(DP)」で取得できる認定書(ディプロマ)には大きな特徴があります。

 

ディプロマ・プログラムで定められる所定のカリキュラムを履修後、最終試験で所定の成績を修めることで、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格/IB Diploma)が認められ、世界各国の大学への進学ルートが確保されるのです。

 

そのため、世界的にも学生や保護者からの注目度が高く、国際バカロレア(IB)認定校への入学を目指した受験者数も増えています。

国際バカロレア(インターナショナル・バカロレア:IB)は海外大学入試のパスポート

▲「海外大学へのパスポート」とも言われる国際バカロレア資格(ディプロマ)。国際バカロレア(IB)は世界の大学だけでなく、日本の大学にも通じる国際的な大学入学資格につながっているのです。

前述したとおり、現在、世界75カ国約2500以上の大学が国際バカロレア(IB)のディプロマを入学者選抜で活用しており、英国オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、米国ハーバード大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学…等、世界のトップ大学・名門大学からも評価されています。

日本国内の国公立・私立大学でもひろがる
国際バカロレア(IB)入試

上記に挙げたような、世界各国の名門大学・有名大学が国際バカロレア(IB)を評価し、入試に採用しているだけでなく、現在、日本国内(国公立・私立)大学でも、国際バカロレア(IB)資格保持者を対象とした入試制度を導入が拡大しています。

 

例えば、日本の国公立大学では、

東北大学・筑波大学・東京大学・東京外国語大学・東京芸術大学・お茶の水女子大学・金沢大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・岡山大学・広島大学・長崎大学・鹿児島大学、国際教養大学、横浜市立大学、大阪市立大学

国際バカロレア(IB)のスコア等を活用した大学入学選抜を導入。

 

日本の私立大学でも

慶應義塾大学、工学院大学、国際基督教大学、順天堂大学、上智大学、玉川大学、東洋大学、法政大学、立教大学、早稲田大学、日本獣医生命科学大学、中京大学、愛知医科大学、関西学院大学、立命館大学、立命館アジア太平洋大学

が、国際バカロレア(IB)のスコア等を活用した大学入学選抜を導入しており、今後も入試に国際バカロレア(IB)を導入する大学は日本国内・海外共に増加していく傾向がみられます。

偏差値教育からの脱却とセンター試験廃止…日本の教育は歴史的な転換点に!

センター試験廃止…変わる大学入試と国際バカロレア(IB)

生産年齢人口の急減、労働生産性の低迷、グローバル化・多極化の荒波に挟まれた厳しい時代を迎えている現在、世の中の流れは大人が予想するよりもはるかに早く、将来は職業の在り方も様変わりしている可能性が高いとも言われています。そうした変化の中では、知識の量だけでなく、混とんとした状況の中に問題を発見し、答えを生み出し、新たな価値を創造していくための資質・能力が一層重要になってきます。
– 文部科学省広報

と発表されている通り、大きく変化している世界の流れに伴い、次の時代に求められる能力を測るべく、国は、大学入試センター試験を2019年度(2020年1月)の実施を最後に廃止を決定しました。

 

大学入試は歴史的な方針転換をし、2020年度からは、新共通テスト「大学入学共通テスト」へ移行

 

思考力・判断力・表現力を重視するため、段階的に全科目で記述式テストを導入予定です。マークシート式の問題も、解法パターンを覚えれば解けるような問題ではなく、より思考力や判断力が求められるようなテストへ変更される予定です。

 

英語も4技能(読む・聞く・話す・書く)を評価するため、TOEFLや英検等民間検定試験に段階的に移行予定です。

 

更に、思考力・判断力・表現力が必要となる小論文面接討論など試験の方法の多様化や、高校時代の経験を評価し選抜に利用するなども検討されています。

 

暗記中心・知識の詰め込み型の試験の脱却に向かって、日本の教育も歴史的な転換点を迎える中、国の大きな後押しもあり、国際バカロレア(IB)認定校を増やす動きや、日本国内の国公立・私立大学における国際バカロレア(IB)入試もひろがりを見せはじめているのです。

さらに詳しく国際バカロレア(IB)を知る

国際バカロレア(IB)の教育とは?
非営利教育財団 国際バカロレア機構(IBO:International Baccalaureate Organization)公式資料

 
 

日本の大学における国際バカロレア(IB)入学審査ガイド
非営利教育財団 国際バカロレア機構(IBO:International Baccalaureate Organization)公式資料

国際バカロレア(IB)参照・関連リンク

 

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