子連れ上海の前に知っておきたい…中国・上海の大気汚染の実情
- 井口寛子(Hiroko Iguchi)
- Glolea! 上海在住フリースタイルアンバサダー
目次
知りたい!中国・上海の大気汚染の実情…実際の対策方法はある?
日本のニュースや話題にもよくのぼる、中国の大気汚染。実際に子供と共に家族で住むことになれば、人ごとではありません。
- 本当のところはどうなの?
- どういう対策をしているの?
…といった疑問は多いはず。そんな中国・上海の大気汚染の現状をママ目線でお伝えします。
中国・上海 大気汚染の現実とは?
中国の大気汚染といえばPM2.5を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
工場の排出ガスや家庭の冷暖房が主な原因と言われているとおり、エアコンを使用する頻度が高い夏場や冬場に空気の悪い日が増えます。
特に、寒くて暖房をつける時期になると、景色が霞んではっきりしない日がググッと増えます。
普段は見えている1キロ先の高層ビルがぼんやりとしか見えなかったり、ひどい時にはビルそのものが見えないこともあります。
中国・上海でどうやって大気汚染度を知るの?
現地に暮らす人々は、天気予報を見るついでに、大気汚染に関する情報も日々チェックしています。
アプリも色々ありますが、私はAQI(Air Quality Index/エア クオリティー インデックス)というアメリカ合衆国環境保護庁(EPA)が発表している空気汚染指数を参考にしています。このサイトを利用すれば日本語でもリアルタイムにAQIがチェックできるので便利です。
希望の都市名を入れて検索すると、その地域の現在の数値がわかります。お住まいの地域と上海で数値を比べていただければ一目瞭然ですね。
また、私はAir Quality Chinaというケータイアプリを入れています。
こちらのアプリを利用すると、現在のAQI指数だけでなく、1日の時間ごとのAQI指数の変化や30日分の日ごとの指数変化もグラフになっています。
中国環境保護部ではこのAQIを
- 優(50未満)
- 良(50~100)
- 軽度汚染(100~150)
- 中度汚染(150~200)
- 重度汚染(200~300)
- 厳重汚染(300以上)
の6段階と表しています(最大値は500)。
中国の大気汚染の原因の一つは「爆竹」!?
春節と呼ばれる旧正月になると、大量の爆竹が鳴り響いていました。
場所を問わず、マンションの広場や公園、歩道ですら気軽に爆竹を鳴らしていたので、朝には道端に赤い爆竹の残骸が散在していました。
忘れもしない2012年の春節。初めて上海で春節を過ごしました。
大晦日にあたるその日、夜も9時を過ぎた頃から爆竹の音が聞こえ始めました。時間とともにこの音は激しくなり、ついにはマンションの中庭からも音が鳴り響きました。
私が住んでいる棟が中庭に近かったこともあって、12階の我が家の窓に残骸が飛んできました!!
幸い、窓は閉めていたのですが「ガツン」と音がした時には、また爆発して火事にでもなったらどうしようと心配して夜も眠れませんでした。
一晩中、爆竹は鳴り響き、次第に花火も上がる…
爆竹の音はあまり耳にされたことがない方も多いと思いますが、運動会のピストルがずっと鳴り響いている感覚が近しいと思います。
……と書いておきながら、この爆竹は実は厄除けのために行われている、ということで、せっかくなのでもちろん私もやりました。記念に。
しかしながら、2016年の春節より、爆竹は上海中心部では中止になりました。
(旧正月の風物詩が減るという点だけでいえば、禁止は少し淋しい気持ちもありますが)
ですので、今はもう静かに平和に旧正月を迎えられますし、その甲斐あってか大気汚染度も年々改善されてきつつあります。
上海の大気汚染対策は実感できるほど進んできています
4〜5年前の印象では、1月2月にはAQIの数値が200を超える日がほとんどで、窓から外を見るだけで「霞んでいる」という印象を受ける日が続いていた感覚に比べると…ここ1〜2年は「霞んでいる」印象を受ける日が圧倒的に減っています。
今年はAQI指数が高くなりやすい日中でも150以下の日がほとんど。大気汚染の対策が進展していると感じています。
上海に暮らす人々は日常的な大気汚染対策はどうしている?
大気汚染指数からすれば、まだまだ日本の倍近い中国・上海の空気。「圧倒的に空気の悪い日は外に出ない!」というのがキッズ&ママには鉄則です。
親子ランチの予定だったけれど「空気が悪いので延期しましょう」ということもアリ。でもやっぱり少し外に出たいなら、タクシーでさっと出かけるのもアリ。
空気が悪い日は外を見れば一目瞭然ですが、私の目安は130を超えるくらいからでしょうか。
日常的な対策としては
- 室内での空気清浄機
- 外出時のマスク
です。
空気清浄機は心配度によりますが、リビング・ダイニングに一台、寝室に空気清浄機を一台置き、つけっぱなしにする場合が多いと思われます。我が家もそうです。
息子が赤ちゃんだった時は「ママイオン」という携帯式の首から下げる空気清浄機をつけて外出していました。
他にもPM2.5対策用のスプレーなど、日本には対策グッズが販売されているので、渡航前に備えておけば安心ですね。
一般的な店内に空気清浄機が置かれていることは少ないですが、日系レストランや託児・幼稚園施設、ベビー・幼児向けのおけいこ教室には空気清浄機を常備している場所も多いです。
上海現地の日本人小学校では、上海市空気質量実時発布系統 PM2.5値で350を超えた場合には休校になるようです。
中国・上海の大気汚染対策…備えあれば憂いなし:まとめ
来海した当初は過剰に警戒していた人でも、住んでいるうちに慣れてしまう場合がほとんどです。
とはいえ、お子さんが小さい場合は特に心配も多いと思います。数値をどう捉えるかは人それぞれ。ご自身の心配度に合わせて、対策をされるのをおススメします。
次回の連載記事では「これなら安心!日本語対応の病院が多数ある上海」についてお届けします。お楽しみに。
記事をお読み頂きありがとうございました!
みんなの評価: (件)
この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 井口寛子(Hiroko Iguchi)
- Glolea! 上海在住フリースタイルアンバサダー
- 上海
日本では、プロデューサーとして販売促進活動や広告制作、イベントなどプロジェクト・マネジメントに従事。ファッション、プロダクトデザイン、建築、アートが大好き。"不覊自由"なライフスタイルを求め、2011年11月より生活ベースを上海へ。"グローバル"を教育モットーに子育て奮闘中。現在は国際幼稚園に勤務。