中国・上海で共働きなら当たり前!?お手伝いさん、ベビーシッターさん事情
- 井口寛子(Hiroko Iguchi)
- Glolea! 上海在住フリースタイルアンバサダー
目次
中国での子育て・育児にはお手伝いさんをはじめ赤ちゃん・乳幼児をサポートする強い味方がいます!
“お手伝いさん”という響き、いいですよね。中国ではお手伝いさんのことを『アイ(さん)』と呼びます。
アイは”おばさん”という意味なので、お手伝いさんのことを呼ぶとき以外にも、
アイ〜! / おばさん!
と日常的にも使います。
私もおばさんの部類なので、中国人の子供に「アイ〜」と呼ばれます。

▲中国での子育て育児に欠かすことのできないお手伝いさん「アイさん」。日本人はどのように活用している?どのように探す?面接の仕方は?実際に頼んでみるとどんな感じ??
今回は、お手伝いさんの「アイさん」をはじめ、赤ちゃんや乳幼児をサポートしてくれる中国での子育てにかかせない強い味方を紹介します。
産後1ヶ月は何にもしてはいけない!?
共働きが当たり前の中国・上海での産後子育て事情
中国人は主に共働きです。
ママは出産前後あわせて5ヶ月ほどの休暇の後、職場に復帰します。
育児休暇が短い割に、産後1か月は何もしてはいけないという風習があり、お風呂すら入ってはいけないとか!! そのため産後は月子会所と呼ばれる産後ケアセンターでゆっくりしたり、ベビーシッターを雇って任せたり、更に祖父母のサポートを受けます。

▲産後1ヶ月は何にもしてはいけないと言われる中国。祖父母家族のサポートが得られない場合は、お手伝いさんである「アイさん」をお願いするのが一般的。
その後、祖父母が同居や近所の場合は、子供の面倒は祖父母が面倒をみますが、離れていて家族のサポートを得られない場合はアイさんに任せるケースがほとんどです。
産後数ヶ月の赤ちゃんを預けられる保育施設がないことや、子供を小さいうちから保育施設に預けられるのは”かわいそう”という考えなどが挙げられます。
アイさんをお願いする場合は、住み込みもしくは平日朝から夜までとなり、ほぼアイさんと過ごすことになりますので、自然と家族に近い存在になりますね。
中国に住む日本人も産後や子育てにアイさんを活用しているママ多数!

▲日本人がアイさんをお願いする場合、週に2〜3回数時間に来てもらうのが一般的。お掃除・お洗濯・お子さんのケア・お買い物代行・料理…など様々な形でお願いができます。
上海に住む日本人の場合は駐在がほとんどなので、女性やママが働いているケースは圧倒的に少ないです。
しかしながら、祖父母の助けを得られないのは事実。
異国で生活すると日常的なストレスも多いので、息抜きが必要です。子育てに重視を置くと、どうしても掃除や洗濯が厳かになる…とか、
たまには子供抜きで息抜きがしたい
という気持ちになるのは当然。
そんな時に助かるのがアイさんの存在。
日本人家庭の場合、週に2〜3回午前もしくは午後の数時間に来てもらうのが一般的。なのでアイさんをシェアするケースも多いです。
午前中に掃除や洗濯などを中心にお願いしたり、兄弟がいる場合には、上の子の習い事の間に下の子の面倒を見てもらうなど様々。
アイさんは掃除や洗濯などの他に、子供の面倒を見てくれたり(といっても勉強などは別問題ですが)、買い物に行ってくれたり、お料理もお願いできます。
基本的には中華(といっても家庭料理なのでさっぱりしているものが多い)ですが、まれに日本料理が作れる方がいたりするとラッキーですね♪
アイさんはどうしたら来てもらえるの?探し方はある?
中国人がアイさんをお願いする場合は、アイさんを管理している派遣会社のような紹介所があり、そこを通してお願いする場合が多いようです。
日本人の場合は、日本人コミュニティー内でのアイさんの紹介が圧倒的! お友達のアイさんが時間に余裕があれば、空いている曜日・時間で来てもらえますし、もしそのアイさんが無理でもアイさんがお友達を紹介してくれるので、意外と簡単に見つかります。
アイさんに目星がついたら、面接(というほど堅苦しくありませんが)をして、条件や主にお願いしたい内容などを直接アイさんと相談しましょう。
紹介してくれたお友達や中国語が少しでもできるお友達に同席いただくと心強いですね。
- いつ(毎週何曜日、何時から何時まで)※基本的には土日祝日休みです。
- 主にやってほしいこと
- 金額(交通費を含むのか含まないのかもきちんと確認しましょう)
- 開始日
…上記4点はしっかり確認・相談しつつ、その他気になることなどは個別に相談することになります。
アイさんが決まったら用意しておきたいもの
面接を経て、アイさんが決まったら次のものを用意しておくといいかもしれません。
- 雑巾
- ほうき&ちりとり
- モップ
- 家の鍵(最初は不安なので様子を見ても可)
相手は慣れていますので、簡単にやってほしいことを説明し、あとは任せてしまって問題ありません。
仕事をしながら質問されることもありますので(片付け場所を聞かれたりなど)、わかりやすく伝えましょう。
大まかな流れややり方は問題ないのですが、人によって気になるポイントは出てきます。仕事ぶりを横目で気にしながら、気になることがあればすぐに伝えましょう。
また慣れているアイさんの場合は、初日に身分証のコピーを言わなくても持ってきてくれますが、もし持ってきていなければお願いしておくと安心ですね!
お願いしてみて知った、アイさんの仕事ぶり
- 掃除機は使わず、モップでゴミ集め→モップで水拭きが一般的
- 日本人でも手を抜きがちな棚の上なども雑巾でしっかり拭いてくれる
- お風呂もトイレもぴっかぴか。洗面台は水滴も残っておらず、ホテル気分♪
- シーツの取り替えもお手の物
- 子供の扱いにも慣れている
- 中国語の勉強になる(気休め程度)
- 午前中にお願いしている場合、11時半頃になると持参したお弁当をレンジで温めて食べ始める(この時間も時給に含む)
- 帰りにゴミ出ししてくれる
といった感じです。ただ定期的に外から人が来てくれるだけで変化があり、子供にとっても親以外の人が相手をしてくれるのは嬉しそう。
またアイさんの都合でお休みした場合(病気やケガ、その他)は他の曜日に振替として自主的に来てくれます。
気になるアイさんを頼む際のお値段は…?
私がお願いしていた4年程前では、時給23元(約370円)ほどでした。
が、年約5〜10%物価急上昇中の上海では、現在30〜35元(約480〜560円)くらいが目安のようです。
※上記価格は2017年時点の金額目安です。
もちろん長時間お願いすれば、それだけ時給は安くなりますし、短時間だと割高になります。また英語ができるアイさんや経験の長いアイさんの場合は、もっと高くなります。
支払いは、基本的に現金です。大体の場合は時給を元に月給として料金を設定し、毎月の出勤日数に関わらず定額をお渡しします。
またどうしても手をかりたい場合に、時間外でのお願いや時間を延長してもらった月などは、時給+気持ち多めに渡してあげるとモチベーションアップになるようです。
その他、旧正月前には月給+もうひと月分程度をボーナス(紅包:ホンバオ)として渡すのが暗黙の了解のようなので、ご注意を。
トラブルはないの?
貴重品や現金を盗まれたという話は聞きませんが、調味料や洗剤などの日用品などが気付いたら減っていたり、不在時にアイさんがシャワーを浴びていた…などは聞いたことがあります。
とはいえ日本人同士でシェアしているアイさんが何かをしてしまったら、その情報はすぐに広まります。事が大きければ大きい程、アイさんにとっても自分の信用がなくなり最終的には仕事が無くなってしまうことを恐れていますので、トラブルはほぼ心配する必要はありません。
また絶対ではありませんが、アイさんを断る場合に次の方を紹介してあげる流れになっています。
それと、一年ほど経つと給料の値上げを相談されます。アイさんの仕事ぶりなどを考慮して返答しましょう。
やっぱり来てくれるならありがたい

▲アイさんが来てくれることで、お部屋が綺麗に整うととっても気持ちがよい!
全てが満足!とはいきませんが、やっぱりアイさんにお願いすればしただけメリットはあります。
上海は2日掃除しないだけで、どこからかホコリが現れたり、トイレや洗面台が汚れたり…室内は日本以上に汚れます。
もちろんお掃除のプロではありませんが、綺麗な室内や整った寝室などはやはり気持ちが良いです。
ちなみにお掃除だけならサービスアパートメントに住むという手もあります。室内の清掃とタオルの取り替えを定期的に行ってもらえますよ。
次回の連載記事では「使える!中国・上海で必須のアプリ7選」についてお送りいたします。
関連リンク
記事をお読み頂きありがとうございました!
みんなの評価: (件)
この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 井口寛子(Hiroko Iguchi)
- Glolea! 上海在住フリースタイルアンバサダー
- 上海
日本では、プロデューサーとして販売促進活動や広告制作、イベントなどプロジェクト・マネジメントに従事。ファッション、プロダクトデザイン、建築、アートが大好き。"不覊自由"なライフスタイルを求め、2011年11月より生活ベースを上海へ。"グローバル"を教育モットーに子育て奮闘中。現在は国際幼稚園に勤務。