モンテッソーリ教育の基本…おさえておきたい3つのポイント
- 井口寛子(Hiroko Iguchi)
- Glolea! 上海在住フリースタイルアンバサダー
ピーター・ドラッカー、マーク・ザッカーバーグ、ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス…ここに挙げた方々の名前を知らない人はいないでしょう。
さて、独自の感性と行動力で世界に変革をもたらす彼らの共通点…はなんでしょう。
▲世界最高の経営思想家と言われるピーター・ドラッカー氏[ Photo from Wikipedia]
彼らの共通点…それは幼児期に「モンテッソーリ教育」を受けていることです!
私自身、子供の教育方針を模索する中で出会い、上海にてモンテッソーリ教育を採用している幼稚園で勤務している私の知識からお伝えします。
日本でも徐々に馴染みが出てきているモンテッソーリ教育ですが「初めて聞いた!」「聞いたことはあるけれど、何だっけ!?」という方のために、モンテッソーリ教育を知る上でまず押さえておきたい3つのポイントをまとめました。
目次
モンテッソーリ教育とは1:
イタリアの医学博士 マリア・モンテッソーリによって考案された教育方法
モンテッソーリ教育は、イタリアで初めて女性の医学博士となったマリア・モンテッソーリによって考案されました。
マリア・モンテッソーリが医師として精神病院で働いていた際
感覚を刺激することによって知能の向上が見られる−−
という確信を経て、指先を動かす玩具を子供たちに次々と与えていきました。
すると知的障害児の脳に向上がみられ、健常者たちの知能を上回る結果が出たことで世界中の注目を浴びます。その後、貧困層の子供たちのための保育施設「子供の家」を 設け、そこでの実践から生まれたのが「モンテッソーリ教育法」です。
そう、マリア・モンテッソーリという人は、自ら玩具(教具)を考案し、その使用方法を含めて体系化してしまったのです!
モンテッソーリ教育とは2:
教育カテゴリは大きく分けて5つ
モンテッソーリ教育とは大きく分けて以下の5つの分野があり、全てに「教具」と呼ばれる教材が考えられています。それでは5項目について詳しく観ていきましょう。
[1]日常生活
自分の意志どおりに動く身体をつくり、自分のことが自分でできるようになることが目的で、
- ボタンをはめる
- お水を注ぐ
- 窓や鏡を磨く
…など、日常生活上の様々な動作を取り入れたもの。
[2]感覚教育
感覚教具には、比較することを基本とした
- 対にする
- 段階づける
- 仲間分けする
の3つが組み込まれており、五感を十分に使うことで発達を促進。
[3]算数教育
具体物(算数棒、ビーズなど)を用いた教具を使って量を体感することから、数量概念の基礎を身につける。細かいステップを踏みながら、抽象へ移行していき十進法、十進法、加減乗除へと子どもを無理なく導く。
[4]言語教育
話す、読む、書くことを通じて語彙を豊かにし、文法や文章構成へと進む。絵カードや文字カードなどの教具を使用。
[5]文化教育
動物や植物、地理や天体など私たちを取り巻く環境について理解を深める。世界地図や国旗などの教具を使用。
モンテッソーリ教育とは3:
自主性を尊重し、自律(自立)を目指す教育
同じ学年の子供たちでも発達や興味がそれぞれ違いますので、子供たちは自発的に自由に教具を選び、取り組みます(これを、モンテッソーリ教育では「お仕事」と呼びます)。
先生(大人)は
- 子供たちが集中してお仕事に取り組めるよう環境を整えること
- 子供たちが間違った時には正しい方向へガイドすること
に徹底します。
またモンテッソーリ教育ではよく「縦割り」という言葉も聞かれます。
学年ごとにクラス分けをするのではなく、大きい子は小さい子の面倒を見て、小さい子は大きい子を見習うという自然の習慣が身に付きますね。
お仕事や先生の子供たちへの関わり方により、モンテッソーリ教育を受けた子供たちは、何事も自分で順序立てて物事を考えられるの子が多いようです。
小学生になり、親に何も言われなくても夏休みの宿題をきちんと計画的に済ませていた
クラスで結論がまとまらないとき、みんなの情報を整理して、どうしたらよいかを道筋立ててまとめた
などの実例を私も本で拝見しました。
奥が深いモンテッソーリ教育:まとめ
様々な特徴を持つモンテッソーリ教育。何をどの程度どのように取り入れているかは、学校の方針によっても様々です。
もしモンテッソーリ教育にご興味をお持ちになられたら、書籍などもいくつか出版されていますので、ご参考にしてみてください! 家庭でも簡単に取り入れられそうなものもたくさんありますよ。
おすすめのモンテッソーリ教育の書籍一覧
ちなみに、私が愛読しているのはこの2冊です。
1.モンテッソーリの幼児教育 ママ,ひとりでするのを手伝ってね!/相良敦子(著)
2.お母さんの「敏感期」 モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる/ 相良敦子(著)
モンテッソーリ教育にご興味を持たれた方・ご興味ある方は、ぜひ一度手にとって御覧くださいね!
次回の連載記事では「知りたい!中国・上海の大気汚染の実情」についてお届けします。お楽しみに。
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記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 井口寛子(Hiroko Iguchi)
- Glolea! 上海在住フリースタイルアンバサダー
- 上海
日本では、プロデューサーとして販売促進活動や広告制作、イベントなどプロジェクト・マネジメントに従事。ファッション、プロダクトデザイン、建築、アートが大好き。"不覊自由"なライフスタイルを求め、2011年11月より生活ベースを上海へ。"グローバル"を教育モットーに子育て奮闘中。現在は国際幼稚園に勤務。