フィリピン・ワーキングマザー事情 – 「フィリピン親子留学★体験記」vol.2
- 内海 裕子 (hiroko utsumi)
- Glolea! [グローリア]編集長
前回の連載記事では、「フィリピン親子留学」へチャレンジするきっかけについてお伝えしましたが、今回は、フィリピンのワーキングマザー事情と合わせ、「フィリピン親子留学中」にもお願いできるベビーシッターさん&メイドさん(=フィリピンではヤヤさん、ヘルパーさんと呼ばれます)についてお届けします!
フィリピンのワーキングママがフル活用する
ヤヤさん&ヘルパーさん
2月、厳冬の日本から常夏のフィリピンへひとっ飛び。
空港で「パーペチュアル・ヘルプ大学」のロゴが入ったバンで待ち構えてくれていたのは、これから数日間、息子がお世話になるヤヤさん(=ナニーさん/ベビーシッターさん)兼「フィリピン親子留学」中の生活の相談役であるChris(クリス)でした。
はじめて訪れるフィリピン。右も左も分からない状態だったので、心強い助っ人登場(!!)に、緊張した気持ちも少しほぐれました。
フィリピンでの滞在先へ向かう道すがら、
クリスと色々な女子トークで盛り上がったのですが、
私が一番驚いたのは……
「日本の女性&ママはスーパーウーマンね! 仕事もしながら、毎日食事をつくり、掃除、洗濯…そして子育てもしているの!? フィリピンでは考えられない!!」
「フィリピンでは私のような独身女性でもみんなヘルパーさん(=メイドさん)に食事・洗濯・掃除などお願いして働いているし、子どもができたらヤヤ(=ベビーシッターさん)にお願いするのは当たり前なのよ!」
と驚かれたことでした。
クリスだけでなく、
滞在中に、男女問わず多くの人に同じ話題をふりましたが、
仕事をしながらも、家事、育児(…そして人によっては介護まで!)
を主に全て引き受けている日本の働く女性&ワーキングマザーの
スーパーウーマンっぷりに驚かれたのでした。
“女性が働く”は当たり前の社会「フィリピン」
フィリピンは、子どもを産んでも女性が働くことが当たり前の国です。結婚し、専業主婦になる人は限られているのだとか。
そして、“男女平等度”が日本よりもずっとずっと高いのは本当に意外でした!
スイスの世界経済フォーラム(WEF)が2013年に発表した「男女格差報告」でも、格差の少ない国としてフィリピンは世界第5位にランクイン!
上位4カ国はすべて北欧諸国で、東南アジアの国としてはダントツの1位なのです!!
※ 日本は136カ国中105位…(泣)!
男女格差なく、社会で活躍する場が与えられ、登用の機会があるフィリピン。
それを支える大きな存在が、
ヤヤさん&ヘルパーさんです。
日本では、ベビーシッターさんや、メイドさんを雇うのは、一部の富裕層に限られている印象ですが、フィリピンでは一般中流家庭でも当たり前のように、ヤヤさん&ヘルパーさんの助けを得ながら、男女共にワーク・ライフ・バランスをとっていることに、カルチャーショックを受けました。
確かに、
家事をするだけでも一仕事。
子育てするだけでも一仕事。
仕事するだけでも一仕事。
(……都会では職場に行くだけでも一仕事!?)
日本の働く女性事情を語るたびに、
「日本の女性はみんなスーパーウーマンだ!!」
と言われ続け、我が国の働く女性を想いフクザツな気持ちになると同時に、
2週間弱、ヤヤさんにお願いすることで、
頼ることに寛容な社会っていいな!
と思えるようになりました。
…はじめは、ヤヤさんのいる生活に慣れなくて、
ヤヤさんへお願いすることに罪悪感を感じ、
「私、これやりますよ!」、「あれもやりますよ!」と、頼れずにいたのですが、4日目を過ぎた頃からお願い上手になりました。
様々な統計を見比べても、
『世界で最も睡眠時間が短い』という結果が出る日本人女性。
私達日本人女性の多くは完璧主義で、良き妻、良き母、良き仕事人……でなければならないと全てを頑張ろうとしてしまいがちですが、もう少し肩の力を抜いて”人に頼る”ということも必要なのだな…ということを知ることができました。
子どもと共に
“アウト・オブ・ボックス体験”ができる「親子留学」
「ハワイ親子留学」中も感じましたが、「親子留学」は、現地の生活環境に深く入り込むことができるため、言語を学ぶことはもとより、その国のライフスタイル、女性の生き方、ワーキングマザーの暮らしぶりをよりディープに知ることができる素敵な機会だと感じます。
自国では当たり前のことが、所変われば当たり前ではないということを、肌で感じられるということは貴重な体験です。
スペシャルゲスト・インタビューでご登場頂いた、
グローバル教育コーディネーター/GiFT事務局長の辰野まどかさんも、
「アウト・オブ・ボックス体験といって、自分の安全だと思っている箱から出る。そしてショックを受けたり、開放感を味わったりして、世界とつながる」
「子どもと一緒に世界へ飛び出して、違う価値観に触れ、自分の生き方を見つめ直してみる」
ということの大切さについて取材中、語ってくださいました。
※「アウトオブボックス体験」についてのエピソードは、7月上旬更新予定の辰野まどかさんインタビュー[後編]にてお届けします。[前編]はコチラ ≫ 幼少期から身近にあった世界…そして、世界平和実現のために「グローバル教育」を決意するまで
今までいた場所から一歩外にでることで、今までいた場所を違う角度・視点から振り返ることができる。元の生活環境に戻ると一つ違う視点をもった自分の成長に気付くことができる。ほんの短期間であっても、子どもと共にその場所で暮らし、学ぶ体験ができる「親子留学」。
普通の”子連れ海外旅行”ともちょっと違う「親子留学」は、人生をほんの少し豊かに…そして、深みのあるものにしてくれる気がします。
…Vol.3に続く
記事をお読み頂きありがとうございました!
みんなの評価: (件)
この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 内海 裕子 (hiroko utsumi)
- Glolea! [グローリア]編集長
- Glolea![グローリア]
世界をポジティブにつなぐ子ども&ファミリーを世界中に増やしたいという想いから、ちょっとグローバル志向なママ&キッズのための情報サイトGlolea![グローリア]創刊。大学卒業後NY&ペンシルベニアで小学校の先生を経験後Webプロデューサー・編集者に。趣味は、息子との「プチ親子留学」に思いを馳せること。「英語」「スペイン語」「中国語(北京語/広東語)」で世界各国のママ&働く女性とおしゃべりすること。資格:英語学習コーチ。