世界三大美術館のひとつ「美術史美術館 in ウィーン」の子ども向けガイドツアー体験レポート!

上村幸子(Sachiko Kamimura)
Glolea! アラブの子育てアンバサダー

オーストリアの首都ウィーン「美術史美術館」の子ども向けガイドツアーへ参加してみよう!

芸術の都とも呼ばれるオーストリアの首都ウィーン。今回は、世界三大美術館のひとつ「美術史美術館」で参加可能な子どものためのガイドツアーについての体験とその詳細をレポートします! 

 

ウィーンへの子連れ海外旅行をご検討中のファミリーにぜひ参考にしていただければと思います。

ウィーン「美術史美術館」

▲世界三大美術館のひとつ。オーストリアの首都ウィーンにある「美術史美術館」では、子ども向けのガイドツアーが開催されていますよ。子連れウィーン旅行の際にはぜひチェックしてみましょう!

 

アート好きなお子様におすすめの「美術史美術館」で開催される子どものためのガイドツアー!

夏休みにオーストリアへの家族旅行が決まった時、「ウィーンで参加できる子ども向けのプログラムを探してみよう!」と思いたちました。ウィーン市のウェブサイトをチェックしてみると子どもが参加できるイベントがたくさん! 

 

ウィーン市のサイトは旅行前のリサーチにも使えるのでとても便利です。ウィーンに子連れ旅行を検討される際には必ずチェックしたいです。

 

ウィーン市公式ホームページ
https://www.wien.info(日本語)

 

日程と内容を確認し、目に留まったのは、ウィーン美術史美術館にて行われる世界旅行がテーマの子ども向けガイドツアー(the Weltreise-Program)。

 

ただし、ツアーはドイツ語で行われるとのこと。

美術史美術館基本情報

美術館開館時刻

  • 10時 入場

チケット価格

  • 19歳未満:無料
  • 大人:15ユーロ

子どものためのガイドツアー

  • 開始時刻:10時半
  • 対象年齢:6〜12歳
  • 料金は別途に必要
  • ドイツ語のみ
  • 要予約

 

ツアー参加にあたって、ドイツ語ができない長女が参加して大丈夫かなぁ…と一瞬思いましたが

アートが大好きな彼女ならきっと楽しめるはず!

と私は子ども達の参加を決めましたよ。

※基本的に、このプログラムは子ども達だけでの参加です。私も子ども達だけのつもりでしたが、当日になって長男が行きたくない、と。私もどんな感じなのか興味があったので、私も参加させていただきました。

 

なお、美術史美術館の子どものためのガイドツアー参加には予約が必要でした。

 

まずはメールで美術史美術館まで問い合せをしました。メールでは、娘はドイツ語は話さないけれども、アートが好きなこと、他の子ども達と一緒に美術館の雰囲気を感じるだけでも貴重な経験になるだろうことを伝えました。

 

美術館からは、それならばと、了解を頂きました。参加可能な日時を確定し、予約は完了です。

ウィーン「美術史美術館」

子連れウィーン旅行に必須の「赤い本」とは?

美術史美術館の開館時間は10:30。19歳未満の入場料は無料。大人は15ユーロです。ガイドツアーは別料金です。入口を入って、お土産屋さん手前のカウンターで受付をしました。

 

当日、列に並んでいると後ろのママが

赤い本はもってる?

と話しかけてくれました。何?と聞き返す私に

いっぱいあるから一冊あげる!

と、「赤い本」をくれました。

ウィーン「美術史美術館」

この「赤い本」とは、ウィーンで体験できる子ども向けのイベントをまとめた冊子のこと。

赤い本を持っているとウィーンで行われるイベントなどが無料&割引に!

赤い本「ferienspiel」を発行しているのはは、子どものためのレクリエーション情報やイベント情報を発信する非営利団体「WienXtra」。

 

「ferienspiel」は、美術館、博物館をはじめ映画館や柔道などスポーツのクラスまで…ウィーン市が提携する、ウィーンで過ごすすべての子ども達が対象となるイベント情報をまとめた冊子です。

 

この赤い本を持っていると様々なイベントやレクリエーションが無料または割引になるので

ウィーンにいるなら絶対必要よ!

と、列に並んでいたママが教えてくれました。

 

ウィーンの子ども達は新学期に学校の先生へこの赤い本を提出するのだそう。素敵な宿題ですね! 

 

子どものころラジオ体操でスタンプを集めた、あの記憶がよみがえりましたよ。

ウィーン在住&滞在中の子ども達が参加できる全てのイベントが網羅されている「赤い本」

赤い本の優れた点は、子ども達が参加できるすべてのイベントスケジュールが網羅されていること! 日付ごとにイベントを探せる検索ページが秀逸です。

 

これがあればウィーン滞在中の子どもとの予定を立てるのがとっても簡単。また、

ウィーンで過ごすすべての子ども達のために

…というこのコンセプト。これは素晴らしい。

いよいよ美術史美術館 in ウィーンの子どもツアーで世界旅行へ出発!

ウィーン「美術史美術館」のアトリエ。

▲「美術史美術館」のアトリエ。ここから子ども向けツアーは出発しました。このアトリエも普段は入れない場所。ここでアート体験ができるのも貴重な経験ですね。

世界旅行がテーマの子ども向けガイドツアーでは、子ども達は2つのチームに分かれて出発しました。まずはエジプト展へ行った後で絵画展へ。

ウィーン「美術史美術館」

先生は、ツアーに参加している子ども達がどの言語を話すのかを聞きました。今回の参加者のほとんどが、ウィーンに暮らすドイツ語を話す子ども達でしたが、ロシアやドイツから来た子達もいましたよ。

 

そして「英語が得意!」と手をあげた女の子が長女に

私が英語でお話を教えてあげるから大丈夫だよ!

とサポートしてくれました。子ども達の助け合い…とても心強かったです。

ウィーン「美術史美術館」

 

 

ウィーン「美術史美術館」

▲ディエゴ・ベラスケスの名作「白いドレスのマルガリータ王女」を前に先生のお話を聞くツアー参加者の子ども達

ねえ、このお姫様知ってる? 彼女はスペインの王室に生まれたプリンセス。名前は王女、マルガリータ

と、ベラスケスの名作「王女マルガリータ」の前で先生のお話がはじまりました。

みんなはウィーンまで何に乗ったの来たの? スペインという国は知ってる? スペインからウィーンまで、何に乗ろうか?

 

飛行機、車、電車。このプリンセスのころは、まだ飛行機もなくて。プリンセスは何に乗ったのかな? 行ったり来たりはできないの。ウィーンへ行くってことは、もうスペインには帰らないの。

…など、先生はマルガリータ女王にまつわるお話を展開しています。

スペインにて誕生したプリンセス「マルガリータ」の旅行カバン

次に、

プリンセスがいよいよウィーンへ旅立つことになりました!

という声とともに、先生はカバンの中から絵のカードを取り出し、子ども達一人ひとりにカードを配りはじめました。

マルガリータ王女がカバンにいれただろうなと思うもの、きみが旅行するのに必要なものにわけてね。それから二人とも旅行にはいらないな、と思うものがあったらそれも教えて

と続ける先生。

 

長女に配られたのは

  • ドレス
  • 毛皮のコート
  • 歯ブラシ
  • 扇子

でした。ドレスと扇子はプリンセスのバックに、歯ブラシは私に。パーティーを想像して、女の子達はうっとり。


さて、私が住むアラブ首長国連邦(UAE)では冬でも気温が20度を下回ることはめったにありません。UAEに住む子ども達はとっても寒い冬を知らないのです。そのため、UAEで生まれ育った長女は

毛皮のコートは、プリンセスも私もいりません。

と言いました。

 

するとロシアから旅行に来たという女の子が

これ、とっても暖かいんだから。冬にはきっと必要だよ!

と。また、別の子も

毛皮のは持ってないけど、冬は寒いよ。コートはいるよ

と続けます。娘も

そうなんだ。じゃあ、これはプリンセスのカバンに入れてください

と、張り切って説明し、周りの子ども達にもしっかり伝えることができました。

 

ちなみに、この絵画にまつわる、ストーリーテリングのアクティビティーが娘は一番楽しかったと言っていました。

ウィーン「美術史美術館」

▲ブリューゲルの代表作とも言われる「バベルの塔」の前で説明を聞く子ども達。

ウィーン「美術史美術館」

▲「当時の人々は、何に乗って旅をしたの? 何を交易したのかな?」と問いかける先生。

子ども達のアトリエ体験

美術史美術館の絵画を通じた世界旅行ツアー終えた子ども達に、最後に先生から紙が配られました。

きみの考える想像の国の国旗を作ってみて。
紋章はいれるの? どんな形? 色はどうしようか?

と、先生が、一人ひとりに話しかけてくれます。

ウィーン「美術史美術館」

子ども達も楽しそう。描き終えた子どもには、先生が棒をつけて旗にしてくれました。

 

この後、もっと描きたい子達には真っ白なハガキが配られました。

 

美術史美術館の小さなマークが入っていて

世界旅行に行ったよって絵葉書を作ろう!

と。アトリエにある雑誌などの写真を切り抜いて作りました。

 

国旗を描き終えた男の子達、絵葉書には興味ない様子。自分の紙を紙飛行機にして遊び始めたのです。

 

こういう時、大人達は何て言うのだろう。ママ達は特に何も言わず。先生達は、ニコニコ。

 

これ、どうやってつくったの? 教えてよって、先生も一緒に紙飛行機を作り始めました。オーストリアの教育スタンスを見た気がしました

 

日本だったら、どうでしょうか。

美術史美術館から学ぶ!
子どもと一緒に美術館を楽しむための3つのコツ

美術史美術館を専門家のガイドで子どもツアーに参加して学んだ、子どもと美術館を楽しむための3つのコツを最後にお届けします。

  1. 事前準備
    旅には事前のリサーチも大切ですよね。美術館でも同じこと。旅に目的があるように、美術館でもお目当ての作品を数点に絞れるといいですね。この作品に逢いに来たよって、じっくり数点の作品に向き合う方法が、子ども達と美術館を楽しむにはぴったりなようですよ。また、混雑も避けたいところ。10時の開館直後はチケットを買うのもスムーズでした。館内は広くて、よく歩きます。事前にお腹も満たし、元気にスタートしましょう。

  2. 質問力
    絵の前に立ったとき、子ども達はどんなことを思うのでしょうか。本物からひしひしと伝わる圧倒的な力を感じるだけでも幸せですが、子ども達が作品を身近に感じられるような質問で、子ども達の感性を刺激できたら、とてもいいですね。専門家のお話しを思い返しますと、当時はどんなことをしていたのだろうかと質問しながら、子ども達は空想の世界へ。絵が描かれた時代へとタイムスリップしていました。

  3. 子どもの力を信じる
    子どもだからこそ、言葉の壁なんて意識もせずに、どんどんと空想を膨らませ、夢の世界が楽しめるのかもしれません。そんな背中をそっとおしてあげられるように、私たち大人も笑顔で、そして自らも美術館を楽しみましょう!

美術館でプチアート体験を通して、娘は

お友達と一緒に絵の前に座って、お話しできて、とても楽しかった

と語ってくれました。

 

海外旅行中、何か一つでも子どもの心に残るような芸術との出会いがあったら大成功ですよね! プチ体験おすすめです。

「美術史美術館 in ウィーン」の子ども向けガイドツアー補足情報

因みに英語、ドイツ語での検索結果の方が日本語でよりも情報量がはるかに豊富です。インターネット上の翻訳機能などを味方につけて、是非ともドイツ語でもリサーチしてみてください!

 

なお、2017年1月17日現在の子どものワークショップを見てみますと、以下の通りです。ウィーン美術史美術館の公式サイト(ドイツ語)に詳細が掲載されています。

  • 対象年齢:6〜12歳
  • 日時:毎週日曜日 14:00〜16:30
  • 参加費
     – 子ども:4ユーロ
     – 付き添いの大人:11ユーロ
     – 別途材料費:4ユーロ
     ※参加人数が限られます
     ※要予約

 

なお、子ども向けのイベントはワークショップの他にも様々なパーティーもできるようですよ。

 

夏に美術史美術館を訪れた際、美術館併設のカフェでお茶していたころ、お誕生日会をしている子ども達を見かけました。美術史美術館の公式サイト ドイツ語版のページにイベント参加の詳細が記載されています。

 

アトリエで作品つくりをしてもよし、エジプト展を鑑賞したり、または世界旅行ツアーに参加するも良し。

主役は何をしたいのかな、お問合せください

とサイト上でも案内が記載されています。

 

子ども達の誕生日会や大人のパーティーも、こんな素敵な場所で開催できるなんて、考えただけでもうっとりですね。

オーストリア・ウィーン

▲子どもと一緒に巡るのも楽しいウィーンの街並み。

美術館も楽しそう、ウィーンもいいかも、と思っていただけたら嬉しい限りです。
子どもと一緒に楽しい旅を!

※記事は掲載日時点での情報であり、変更されている可能性もあります。渡航前には最新の情報を各ウェブサイト等でご確認ください。

子どもと楽しむウィーン「美術史美術館」 関連リンク

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

上村幸子(Sachiko Kamimura)
Glolea! アラブの子育てアンバサダー
アルアイン

アッサラーム・アレイクム!2007年よりアラブ首長国連邦(UAE)在住。泉を意味するアルアインという小さな街にて、矯正歯科医の夫と歯科医院を経営しています。理科が大好きな8歳と車と電車が大好きな6歳、二児の母です。この国が好き、と誰もが口にする、とても幸せな国よりアラブの日常をお伝えできればと思います。

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