イギリスの義務教育は先手必勝?! 4歳から考えるこどもの将来

Maiko
Glolea! ロンドン子育てアンバサダー

イギリスでも9月から新学年がスタートしました。

 

息子はそろそろ1歳半。まだまだ義務教育には程遠いと思っていましたが、実は日本よりイギリスの義務教育は1年早く、小学校入学は5歳から。

 

しかし、その前に“Reception(リセプション)”と呼ばれる学年があるため実質4歳になる年の9月から入学するのが一般的とのこと。

手を挙げる生徒たち

イギリスの義務教育&教育システム基礎知識

 ということで、今回は先輩ママたちから伺ったイギリス(ここではイングランド)の教育システムの基礎知識を。

  • 期間は5歳(Year1)〜16歳(Year13)で、こちらの義務教育は公立を例に挙げると Primary School(5-11歳)→ Secondary School(-16歳)というもの。
  • 特徴は義務教育終了前に受けるGCSE(General Certificate Of Secondary Education)という全国統一試験を目指し、大学進学希望の場合はそこでの“Aレベル”を目標にして義務教育の長い期間をかけて科目を選択し、勉強する仕組み。
  • ちなみにGCSEはA*からGの8段階と評価不能のUで不合格というものはなく、この試験結果が一定の基準に達していれば、大学進学のための2年間の6th Formに進めます。(逆に言うと、ここで基準に達せなければ大学進学権利がなくなる)
  • このグレードがイギリスでは大変重要視されていて、大学レベルの選択だけでなく就職にも影響があるとか。

▲試験に励む生徒達

義務教育前の3〜4歳児が通うReception Class(リセプション クラス)からはじまる子どもの将来の方向付け

そのため、自分のこどもをどう方向付けしたいかはReceptionから重要になるため、親たちの責任は重大です。また、PrimaryからSecondaryへも自動的に進級できるのではなく、人気校や私立の上位校に行くためにはテストを課されることもあり、大学進学を考える場合は本当に熾烈な競争があるようです。

 

例えば、公立では一般的には学校に住所が近い順に決定されますが、人気のある公立校は教会系の学校が多いため、優先順位を少しでもあげるために入学を視野にせっせと日曜礼拝に通いだす人もいれば、1ミリでも学校に近いところに引っ越すとか、こどものために家をもう1軒購入するとか。同じフラットでも2階の子は入学許可が出たけど、4階の子はダメだったという嘘のようなホントの話も。公立だからみんな入れる、という訳ではないことにも驚きですよね。

 

オックスフォードやケンブリッジ大を目指すには私立の上位校からの進学が多いため、前首相のブレアさんが教育改革を行ってある程度門戸が拡がったとはいえ、上位校はいわゆる上流階級層が多く、結果的に高―い学費を払えるのか、という点で選別されていくとか。

▲世界有数の名門大学オックスフォード大学
photo by Tejvan Pettinger

イギリスの大学進学
高校3年生の猛勉強で一発逆転・・・は無理!?

そのため将来大学に入りたい場合は、GCSEを見据えて学校選びをしておかないと、日本のように高校3年生で猛勉強して東大へ、という一発逆転にはならない仕組みになっているようです。

 

そこは階級社会のイギリス。特に高等教育は平等ではなく、上流階級層のためにあるという感覚が拭えません。
そういう意味では大学全入時代とも言われ、大卒資格が比較的簡単に手に入る日本は恵まれているのか、それとも高等教育のレベルが世界と比べて低くなっているだけなのか…難しいですね。

Eton College

▲名門パブリックスクール(私立)イートン校
photo from Eton College / ell brown

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

Maiko
Glolea! ロンドン子育てアンバサダー
ロンドン

夫の海外転勤に伴い、2013年12月より東京からイギリス・ロンドン市内のWimbledonに移住。産休前の生活とは180度違う、豊かな緑があふれる環境での主婦的生活と子育てでは、ハイヒールで走っていては見えなかった景色があり、新鮮な日々です。1歳になったばかりの息子の成長とともに、自分自身の視野も拡げていきたいと思います。

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