ママ必読!人工知能(AI)に負けない我が子を育てる「イエナプラン教育」とは?

関原玲奈(Reina Sekihara)
Glolea! オランダ・マルチカルチャー子育てアンバサダー

「イエナプラン教育」とは?
日本の3周先を行くと言われているオランダの教育とそのメソッド

1872年、明治時代に小学校が開校してから、日本は、教育法を一度も大きく変えていません。世の中にこれほどインターネットが普及した現在も、祖父母の世代と同じ教育を受けているのです。

 

一方

日本の3周先を行く

と言われている、オランダの教育。

 

今回は、私自身がオランダに興味を持った理由の一つでもあるオルタナティブ教育の一つである「イエナプラン(Jena-Plan)」というという教育メソッドについてお話したいと思います。

イエナプラン教育を取り入れている学校の教室

▲カラフルかつポップで、子供心を躍らせる工夫のある「イエナプラン教育」を導入している学校の教室

オランダではイエナプラン教育をはじめとした様々なメソッドに基づいた学校選択の自由があります

イエナプランの詳細説明に入る前に、オルタナティブ教育(代替教育/Alternative education)について、少し解説させていただきます。

オルタナティブ – 代替物。代案。既存のものと取ってかわる新しいもの。
出典: Hatena Keyword

と訳される「オルタナティブ」という言葉ですが、個人の個性を伸ばすことを尊重する“もうひとつの”教育法として注目されています。

 

オルタナティブ教育の代表的な教育メソッドとして日本でも知名度の高い「モンテッソーリ教育」「シュタイナー教育」「ドルトン教育」「フレネ教育」や、私がオランダへ興味をもったきっかけとなった「イエナプラン教育」などの教育法が広く知られています。

 

オランダでは、これらの教育を含めた様々なメソッドに基づいた教育を行う学校があり、各家庭には学校選択の自由が認められています

イエナプラン教育の特徴 – 異年齢で学年を形成するメリットとは?

オランダで普及している「イエナプラン教育」は、もともとドイツで1924年に創始された学校教育でオランダで発展しました。

 

90年以上も続いている教育法ではあるのですが、実際に、どのような教育が行われているのかということを知らない方も多いかもしれません。

 

イエナプラン教育の最大の特徴は「異年齢によるクラス編成」です。

  • 4〜6歳
  • 7〜9歳
  • 10〜12歳

上記年齢毎に、1グループ(学年)を形成します。

 

つまり、グループの中で年少になったり、年長になったりすることを3回繰り返しながら小学校を卒業します。

 

このため、生まれ月で成績や運動に優劣をつけることなく、子供達が「教える」⇄「教えられる」関係を自然に築くことができるのです。

 

そして、先生は「ボス」ではなく、「フォロワー」=「子供を導く人」として存在しています。

イエナプラン教育が大切にする4つの基本活動「対話・遊び・催し・学習」

イエナプラン教育ではサークル(円)になって対話をする時間が非常に大切にされています。

▲イエナプラン教育では、各々の個性や考えを平等に扱うためサークル(円)になって対話をする時間が大切にされています。

一人一人の成長を大切にしながら、学校では、下記の基本活動を循環的に行います。

  • 対話
    サークル(円)になって対話をする時間が非常に大切にされ、頻繁に行われます。先生が教壇に立って行う授業スタイルとは全く異なり、先生も輪に混じって話し合いに参加します。誰しも、発言の機会と権利を与えられます。
  • 遊び
    小学校の年代の子供達にとって、遊びはとても重要です。企画されたものから、子供達が自分の頭で考え自由に遊ぶことまで、大切にされています。
  • 催し
    年中行事、先生や生徒の誕生日なども含め、喜怒哀楽を共有することで、共同体としてのコミュニティ意識を育てます。
  • 学習
    各々の学習スピードに合わせて自分で学習したり、共同で学習したりします。自分の得意、不得意を知り、勉強の方法を試行錯誤するのも子供達自身です。

 

これらが「科目」の役割を果たし、「算数」や「社会」などの科目による時間割は存在しません。また、ハンディキャップを持った子供も同じクラスで勉強することができる場合があります。

号令やチャイムはない!時間通りに教室に戻る子供達

日本で生まれ育ち、日本の学校教育で学んできたた私は、チャイムや号令なしに学校は成り立たないと考えていました。

 

ところが、時間を自分で管理することもイエナプランのコンセプトの一つです。

 

先生の

椅子に座りなさい


算数の授業始めます、はい号令

…といった言葉は、イエナプラン教育を取り入れている学校に存在しません。

 

休憩時間には(もちろん子供ですから)外で遊びます。そして、時間になったら誰に言われることなく席に着きます。

 

これは、子供がそれぞれ自分の決めた時間割を意識して、主体性を持って行動しているからできるのです。

 

大人でも、「やれ」と言われたことより、「やろう」と思ったことの方が上手に長続きできますよね。

 

そう、イエナプラン教育で行われていることは、実は自然でシンプルなことなのです。

人間しか持たない能力、「考える力」を育てよう

イエナプラン教育のコンセプトを聞くと、自分の受けてきた教育と違って、ちょっとワクワクしてきませんか?

 

人工知能(AI)がさらに普及し、2045年には現在の仕事の75%がなくなると言われています。

 

あと、29年後、私の息子は働き盛りの時期です。その時に必要なのは、「AIができないこと」=「自分の頭で考える」ことです。

イエナプラン教育

イエナプラン教育は、考える力、自分の気持ちを言葉にする表現力、自主性などを育て、まさにこれからのグローバルかつ競争時代を生き抜くツールを子供に与えてくれるのではないかと思います。

 

人工知能に負けない我が子を育てる「イエナプラン教育」。日本でもこれからより注目度がアップすることが予想されるこの教育法。ぜひ、これからもチェックしてみてくださいね!

 

次回連載では、国としてバイリンガル教育に取り組むオランダより「誰でもどこでもできる?!子供をバイリンガルに育てるちょっとしたコツ」についてお届けします。

参考

 

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

関原玲奈(Reina Sekihara)
Glolea! オランダ・マルチカルチャー子育てアンバサダー
デン ハーグ

バックパッカーで旅をしたヨーロッパに子供を連れて十数年ぶりに再上陸。「ママがハッピーなら、子供もパパもハッピー」をモットーに、ママが生き生きできるような子育て法を自ら考え取り組む。多言語環境の中、言葉を覚え始めた我が子の言語教育を勉強中。

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