【レポ】プチ親子留学もウエルカム!デンマーク発祥の民衆大学「フォルケホイスコーレ」で学んだこと
- 藤岡聡子(Satoko Fujioka)
- Glolea! 親の学び直し探求アンバサダー
目次
学びの本質とは?デンマーク発祥の民衆大学「フォルケホイスコーレ」のユニークさから得たもの
Glolea!親の学び直し探求アンバサダー藤岡聡子です。今回は、夫・子ども(3歳半/0歳3ヶ月)と共にデンマークに渡り、8日間にわたるプチ親子留学での経験や学びについてレポートします!
クローロップホイスコーレとは?
今回、私達家族がプチ親子留学してきたのはデンマーク発祥の民衆大学「フォルケホイスコーレ」の中でもクローロップホイスコーレというコペンハーゲン北部 ホムレベックに位置するフォルケホイスコーレです。
主にジャーナリズム、映像技術、国際平和のコースがあり、国際平和のコースは英語で学ぶことができます。
今回、私が参加したものは、現地滞在のクローロップホイスコーレコーディネーターと直接連絡をとり、民主主義・幼児教育・高齢者福祉・国際平和を学ぶプログラムを組んで短期留学をしてきました。
子連れ短期留学もウエルカム!
学びたい姿勢が尊重される「フォルケホイスコーレ」
コペンハーゲン市から鉄道で50分、ホムレベック駅から森の小道を歩き15分。郊外に位置するクローロップホイスコーレに着いたのは午後18時、ちょうど夕食が始まる時間でした。
寮の部屋に入る前に立ち寄った食堂で
ぜひみんなに紹介したい
と、案内してくれた先生。
50名ほどの前で名前や来た目的を話すと、食堂が揺れんばかりの歓声が。
「ようこそ! よく来たね!」
「あなたと何の授業を一緒に受けられるの?」
「荷物を運ばせて。他に何かできることはない?」
日本の感覚でいうと、子連れで学びに来ること自体を生徒に受け入れてもらえるのか不安でしたが、想像しなかったような熱烈な歓迎を受けた私たち家族。
飛行機と時差ぼけで体がふらつきながらも、一気にクローロップホイスコーレのアットホーム感に引き込まれ、魅了されました。
子連れであっても学びたい姿勢が尊重されているのだと、そう感じることができたのです。
年間5万人が学ぶ!「フォルケホイスコーレ」で大切にされている
“対話”と“発表”
フォルケホイスコーレでは学ぶ目的別に
1.人文学系(哲学・文学等)
2.体育系(運動、運動科学等)
3.クリエイティブ系(建築、映像技術等)
4.宗教系
と、大きく4つに分かれています。
対象は18歳以上ですが、シニア向けやハンディキャップがある人向け、16歳から19歳のユース向けまであります。
全国に約70校あり、生徒数は〜70名程度が多く、2007年の調査では年間5万人が学んでいるとの結果がでています。
プログラムも終盤になったころ、またしても先生から
君が今学んでいること、感じていることをみんなの前で発表してほしい
とありました。
全員が集まる朝のホームルームで、日本とデンマークの民主主義の違いや、日本に帰ったらしてみたいことを発表。
つたない英語でも、私の言葉に耳を傾け、話し終えるとまたもや大きな拍手とともに、次々と話しかけられます。
学びの種類に限らず、常に何かに対して考えを巡らせ、それを出来るだけ多くの人に伝えること。校内には至るところに椅子があり、対話をしている姿が日常的な風景でした。
クローロップホイスコーレで学んだ
本質を考え抜き対話から行動を導き出すプロセスの重要性
私はクローロップホイスコーレにて、国際平和の授業を受けました。
テーマは世界中の危険地域「ホットスポット」。
アフガニスタン始めクラスメイトの出身国が含まれる内容のため、本人から現状を聞きながら、先生と生徒が絶え間なく対話をしながら授業が進められます。

▲国際平和の授業を行っているのは、NGOクロッシングボーダー設立者、Garba氏※。対立関係にあるグループの「対話」「和解」をテーマに中立な対話の場を設けている人物です。
欧州で最大の課題、難民問題の背景も、歴史上の対立から読み解き、実際にデンマークで起こっていることを結びつけることで、いままでは海の向こうだった話が一気に身近なものとして理解することができました。
紛争はどのようにして生まれ、平和は何によってもたらされるのか、その本質を考え抜くこと…多様なバックグラウンドの人間と話し合うことで、自分の持っている視点が、一段上がり、
自分の日常生活で何ができるのか?
と行動に移せる勇気にもつながりました。
※NGO Crossing Border設立者Garba Diallo氏
西アフリカモーリタニア出身。15歳まで羊飼いとして働き、学校には行っていなかった。 奨学金をうけ中東の大学で学んでいるときに祖国の独裁政権を批判する論文を出し、政治犯として追放。政治難民となってノルウェーへ渡り教師として働く。デンマークのIPCでの教師を経てクローロップホイスコーレにてグローバルコースを担当。CrossingBorder(クロッシングボーダー)を1999年に立ち上げ、対立関係にあるグループの「対話」「和解」をテーマに中立な対話の場を設けたり、デンマークの学校でへプログラムを提供している。
まとめ:フォルケホイスコーレでの学びで一番重要なこととは?
フォルケホイスコーレでの学びで一番重要なことは、そこで出会う人々と対話を繰り返すこと。
初めて聞いた人には、ピンとこない表現かもしれませんが、自分の意見を持ち、答えがないテーマにも他者ととことん話し合う。
フォルケホイスコーレでの学び方は、個人に自由が与えられる分、得るものは人それぞれ全く違ってきます。
一見抽象的な表現である「対話」を通して、現実的な「行動」へ分解して考えていく。この姿勢こそがフォルケホイスコーレのユニークさから得た学びなのだと思います。
フォルケホイスコーレの雰囲気を感じてみたい方は、こちらの動画をご覧ください。
【関連リンク】
フォルケって何だ?デンマークから始まった「おとなの幼稚園」をご紹介
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
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「親の思考が出会う場」KURASOU.代表。1985年生まれ、徳島生まれ三重育ち。11歳で父親を亡くし片親の元に育つ。夜間定時制高校出身。自身の経験から、「学び直し」「生きて老いる本質」をキーワードに、ライフワークとして親の学び場を運営。森のようちえんとホスピスをつくることが夢。