“フォルケホイスコーレ”へ!
私がデンマーク親子留学を決めた理由とは?

藤岡聡子(Satoko Fujioka)
Glolea! 親の学び直し探求アンバサダー

デンマーク発祥!「フォルケホイスコーレ」とは?

はじめまして! Glolea!親の学び直し探求アンバサダーとして連載を担当させていただくことになりました藤岡聡子です。第1回目となる今回は、デンマーク発祥、北欧全土に広がる成人教育機関「フォルケホイスコーレ」へ1週間のプチ親子留学をすることになったきっかけや、“親の学び直し”への想いをお届けします。

デンマーク「フォルケホイスコーレ」へのプチ親子留学中の息子。会話はデンマーク語と日本語。折り紙を見よう見まねで。

▲デンマーク「フォルケホイスコーレ」へのプチ親子留学中の息子。会話はデンマーク語と日本語。折り紙を見よう見まねで。

「子にはこんな人間になって欲しい」
「子のために◯◯をしてあげよう」
「子のために今日は◯◯をしよう」

 

子を持つ前と比べると、自分の考えや行動の主語は、子どもや家族中心になります。

 

それもそのはず、目の前には食事の支度や仕事の残りなど、待ったなしに降り掛かってくることばかり! 自分という主語が抜け落ちてしまうのも当然かもしれません。

 

3年前に第一子を産み、育てていくうちにふと感じたことがあります。

この子は一体、誰をみて育つのだろう?

そう考えた結果、「私」の夢の1つを叶えるために、デンマークに親子留学をすることにしたのです

「親の学び直す環境」が必要

私は2014年よりKURASOU.という、親が政治やエネルギー、食など暮らしに関わるテーマについて学び、対話する学び場を運営しています。今までに15回ワークショップを開催し、のべ150名ほどの方が参加されています。

 

親になる前は24時間仕事のことばかりを考えていた私ですが、子を持ったことで政治や社会全体の動きを知りたい、子のために少しでもよくしたい、多くの人と対話したい、と思うようになりました。

 

しかし、親となった人達に開かれている学び場はほとんどなく、大学院に入り直すことも至難の業。興味のある勉強会や講座の大半は夜の開催…。

 

座学で一方通行のように学ぶのではなく、自分たちの意見を持ち寄り対話によって学んでいく場を、どうやって始めてよいのかわからないでいました。

多岐にわたる「フォルケホイスコーレ」での学び

デンマーク、フォルケホイスコーレの朝。校長の伴奏から始まり、予定の共有をします。

▲フォルケホイスコーレの朝。校長の伴奏から始まり、予定の共有をします。

 

デンマークには、18歳以上ならいつでも学び直しができる学校(フォルケホイスコーレ)がある。

そんな時に、数年前に聞いた話が蘇ってきたのです。

 

フォルケホイスコーレはデンマークで約70校、そのうち高齢者向けは 5校(2015年時点での学校数)といわれ、全寮制の成人教養教育機関です。入学試験がない代わりに、得られる資格はありません。

 

フォルケホイスコーレで学べる内容は、音楽、彫刻、旅行、デザイン、 ダンス、写真技術、デンマーク文学、ビデオ技術、民主主義、国際平和など多岐にわたります。

対話によって生きることの自覚を促す「フォルケホイスコーレ」で学びたい!
新しい文化をつくりたい!

全ての学びの土台は、対話によって「生きることの自覚」を促すという考えの元に行われています。

 

デンマーク人は高校や大学を卒業した後すぐに就職せず、数年はギャップイヤーをとることが一般的です。

 

フォルケホイスコーレを一度この目でみてみたい、学んでみたい。日本に新しい文化をつくってみたいという気持ちが大きくなっていきました。

デンマークでは一般的な「ギャップイヤー」とは?

ちなみに・・・ギャップイヤーとは、高等学校から大学への入学までの期間、大学在学中、卒業直後…等、社会人になる前、学生生活の間に1年程度の休学期間を設け、留学や海外旅行、ボランティアや企業やNGO・NPOでインターン…等をしながら、世界や見識を広げることにあてる時間をいいます。

 

主に、英語圏の大学の中には入試から入学までの期間をあえて長く設定し(初夏卒業・秋入学)、その間に大学や社会人生活では得られない経験をすることが推奨されていおり、日本でも大学生を中心に広まりつつあります。

 

ギャップイヤーをとることが一般的なデンマークでは、自分自身を試すためや、生活や仕事、進学の準備のためなどの理由で、フォルケホイスコーレでの学びを選択することが多いようです。

デンマーク「フォルケホイスコーレ」へプチ親子留学へ!

▲3食付きの寮。デンマーク料理を堪能。

▲3食付きの寮。デンマーク料理を堪能。

2014年にフォルケホイスコーレの形をモデルにした、親の学び場をつくりました。

 

主に平日の午前中、8名〜30名ほどの規模で親が学び、その時間子どもは保育士と共に過ごします。フォルケホイスコーレの成人教育内容と同じように、親が政治との関わり方を見直したり、暮らしの中にある人権について学びます。

 

そして2015年9月、第二子出産後に家族を連れて、実際に夢の1つであった、フォルケホイスコーレに短期留学をしました。 

親が学び行動し続けていく背中を見せていきたい

目の前の子どもにばかり期待をするのではなく、「私」の可能性に期待したい。

 

一番身近な大人が学び、行動し続けていく姿勢そのものが、子どもが自分自身の未来を切り開くきっかけになるのではと考えています。

 

次回からは、デンマークという国の成り立ち、そしてフォルケホイスコーレのユニークさから得た学び、はたまた親子留学でよかったこと、苦労したことなどをお伝えしていきます。

 

【関連リンク】

フォルケホイスコーレ入門-「知」がさわぐ国で学ぼう。

フォルケって何だ?デンマークから始まった「おとなの幼稚園」をご紹介

フォルケホイスコーレ

 

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

藤岡聡子(Satoko Fujioka)
Glolea! 親の学び直し探求アンバサダー

「親の思考が出会う場」KURASOU.代表。1985年生まれ、徳島生まれ三重育ち。11歳で父親を亡くし片親の元に育つ。夜間定時制高校出身。自身の経験から、「学び直し」「生きて老いる本質」をキーワードに、ライフワークとして親の学び場を運営。森のようちえんとホスピスをつくることが夢。

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