ロジカルシンキングはどう鍛える?ニュージーランド流「子供の論理的思考力」の育て方
- 山口たく(Taku Yamaguchi)
- Glolea! ニュージーランド留学&国際バカロレア受験アンバサダー
日本の教育でも最近よく聞くようになった「論理的思考力」=Logical Thinking(ロジカルシンキング)。
論理的思考力は大事だと分かっているけれど、いざその能力を育てようと思うっても、どこからどのように始めればよいのかわからない…。
そんなことはないでしょうか。
現在、ニュージーランド・オークランドに在住し、二人の子供を現地で育てる中、ニュージーランドではこのロジカルシンキングを育てる土壌が、日常のあらゆるところに存在することを感じています。
今回は、ごく普通に生活しながら「ロジカルシンキングを育てるヒント」を、ニュージーランドの子供達が育つ環境から探っていきたいと思います。
目次
ニュージーランドの日常に溢れる「Why?」の力
ニュージーランドでは、友達と話しても、学校に行っても、とにかく生活のいたるところに「Why?」が溢れています。
移民で成り立っているニュージーランドは、様々なバックグラウンドを持つ多文化社会です。多文化社会の中では、お互いに自分の主張をし合い、話し合いの中で共存することが大切。
そしてそれは主張の自由と理由の説明責任が、いつもセットになっていることも意味しています。
- 自分が欲しいものがなんで、なぜ欲しいのか。
- 自分がしたいことは何で、なぜしたいのか。
- 自分が嫌なことは何で、なぜ嫌なのか。
…等、これらの問いをつねに必要とされるのです。
これは子供も例外でなく、家庭の中で幼少期から、子供に自分の意思とその理由を表示することを教えていきます。
子:〇〇したい。
親:どうして?
子:だって〇〇だから
親:どうして〇〇なの?
子:それは□□だから。
…このようにして、相手が納得するか、自分が諦めるまでこのやり取りは続きます。そしてこのやり取りの中で、子供は論理的思考力を伸ばしていくのです。
「Why?」=理由の提示を求めることは、学校の学習の中でも徹底されている
毎日の授業の中で繰り返されていく、先生と生徒との様々なやりとり。その中で子供達は自分の意見を、筋道立てて述べることを学んでいきます。
- クラス内で自分の意見を主張するときは、必ず明確な理由をつけて説明する。
- 友達の意見について考えを述べるときも、その是非について理由をつけて批評する。
- あるときは先生の指示に対してさえ、納得がいかないときは理由をつけて反論する。
…等、ニュージーランドでは徹底した因果関係への意識づけ教育が行われています。
このような教育環境の中、日本でも2020年以降の入試で重視される、
- エッセイ
- プレゼン
- ディベート
…といった能力が自然と育っていく土壌がニュージーランドにあるのです。
重視されるFair(フェア)の精神
また兄弟や友達間で起こる、様々なトラブルの解決で重視されるのが「Fair」の精神。
自分の言動がFairかどうかの立証責任が、幼少期から子供自身に問われていきます。子供の問題は基本的に大人が関与せず、子供同士の話し合いの中で解決する。
ニュージーランドではこうした文化の中でも、子供の「論理的思考力」が育っていくのです。
教育改革後の受験に必要な学びが満載の小中学校留学
このように「論理的思考力」が自然に伸びる環境がある、アクティブラーニング先進国のニュージーランドでの学習は、今後の日本での受験に大きなアドバンテージになります。
最近どんどん親子留学が増えているのは、そんなアドバンテージに多くの方が気づき始めたからでしょう。
旅行の延長として楽しむ「プチ留学」では、こうした本質的なスキルの習得は難しいのは実情。
せっかく時間とお金をかけて行う留学なので、論理的思考力を含む子供の本質的なスキルを海外留学を通じて磨きたいと考えるファミリーの場合は、帰国後の明確な目標から逆算した、正しい「親子留学・小中学校留学」の計画が重要だと考えます。
Why?で論理力を伸ばそう! :まとめ
ニュージーランド流の論理力育成法、いかがでしたか?
論理力はちょっとした工夫をすれば、家庭でも十分に伸ばしていけます。あなたも子育ての中にもっと「Why?」を取り入れて、子供の論理力を伸ばしていって下さいね!
次回の連載では「分かるのに解けない?ユニークなニュージーランドの算数」をテーマにお届けします。
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 山口たく(Taku Yamaguchi)
- Glolea! ニュージーランド留学&国際バカロレア受験アンバサダー
- オークランド
ニュージーランド留学&国際バカロレア受験コンサルタント。元大手名門進学塾講師として御三家中や最難関国私立高校に多数の合格者を輩出するも、従来の受験指導に疑問を持つ。子供に未来の教育を与えるべくニュージーランドに教育移住し、未来のグローバル教育を提供するTIES.JNZを設立。オークランド在住。二児の父。