「発想力」&「思考力」を育てるニュージーランド流の算数教育!
- 山口たく(Taku Yamaguchi)
- Glolea! ニュージーランド留学&国際バカロレア受験アンバサダー
小学校の算数といえば、まずドリルで何回も練習して計算力アップ! そんなイメージはありませんか? この連載を御覧頂いている親御様が子供だった頃、必死になって九九を覚えたり、学校から出た計算の宿題に苦労した覚えがあるでしょう。
そのため、算数の勉強ではたくさん練習して、いかに間違えずに早く答えを出せるかが重要…そう多くの方が思っているのではないでしょうか。
そんな小学校の算数で、答えよりもプロセスが重要と聞いたら、あなたはどう思われますか? 筆算で計算してはだめで、計算の仕方を説明できなければ正解にならないと聞いたら?
今回は、そんな「ユニークな教育方針を持つニュージーランドの小学校での算数授業」に迫ります。
目次
「答えではなくプロセスを重視」するニュージーランドの算数授業
ニュージーランドの算数では計算ができるだけではダメで、計算をどう自分なりに工夫して解いたかが重視されます。
以前参加した「Math Opening Morning(算数の授業参観)」では、先生が生徒に対してこんな質問をしていました。
23+18=41になる理由を教えて下さい
次々と手を挙げた子供達は、自分のアイディアを元気に発言していきます。
ある男の子の解法はこんな感じでした。
20と20を足して40。23は20より3多くて、18は20より2少ないので、結局1多くなるから、答えは41になる
筆算で解けば、確かに一瞬で解ける問題です。
でも筆算では、もしやり方を忘れたら解けません。
やり方を教わるのではなく、やり方を自分で考えられるようにすれば、たとえ教わった解法を忘れても答えを出すことができます。
このようにニュージーランドの小学校時における教育では、まず「発想力」を伸ばすことが重視されているのです。
実社会で直面する問題解決プロセスにも応用可能な能力を磨く算数授業
「思考力」を育てるという点でも、ニュージーランドの算数の文章問題の中には工夫が見られます。
日本の問題では答えを出すために必要な情報が、問題文中に「過不足なく」書かれているため、よく先生が「問題条件を全部使ったか」と確認します。
でもニュージーランドの算数では、そうはいきません。
何故なら解答には必要のない周辺情報が問題文中に含まれており、情報の取捨選択をして、解法に必要な条件を考えることが要求されるからです。
考えてみれば実社会で直面する問題も、必要な情報だけが与えられて考えることはありませんね。
そう考えると情報処理能力を鍛え、実生活時にもそのまま応用できるケーススタディとなる、ニュージーランドの小学校算数から学ぶことは多いと思います。
未来に必要なスキルを見越した教育が行われているニュージーランド!
テクノロジーが急速に発達する今、計算は仕組みがわかればよく、高度な計算はAIがしてくれる時代です。
だからこそ算数で身につけるのは計算力ではなく、テクノロジーを使って考えられる発想力や思考力の育成こそ大切…ニュージーランドの小学校の算数を見ていると、そう感じさせられます。
「やり方を考える」授業や「情報処理力」が必要な文章題など、原理原則から考える力を育て、実生活で活用できる力が育てられている、ニュージーランドの小学校での算数。
それはこれから到来する未来を生きる子どもたちに必要な、近未来スキルを育てる教育スタイルではないでしょうか。
そしてそれは再来年の2020年の教育改革から始まる、とてもよいアクティブラーニングのお手本でもあります。
日本では算数嫌いなお子さんも、ニュージーランドの小学校に来れば算数好きになるかもしれませんね!
発想力&思考力を鍛えるニュージーランド式算数にチャレンジしてみよう :まとめ
ドリルやワークの問題集ばかりにこだわらずに、時には「発想力」&「思考力」を育てられる、ニュージーランド流の算数で楽しく学ばせてみてはいかがですか?
次回の連載では「ニュージーランドのユニークな教育制度」をテーマにお届けします。
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 山口たく(Taku Yamaguchi)
- Glolea! ニュージーランド留学&国際バカロレア受験アンバサダー
- オークランド
ニュージーランド留学&国際バカロレア受験コンサルタント。元大手名門進学塾講師として御三家中や最難関国私立高校に多数の合格者を輩出するも、従来の受験指導に疑問を持つ。子供に未来の教育を与えるべくニュージーランドに教育移住し、未来のグローバル教育を提供するTIES.JNZを設立。オークランド在住。二児の父。