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ニュージーランドの教育システムとその特徴…日本の教育制度と何が違う? 日本から留学する際のポイントとは?
- 奥村優子(Yuko Okumura)
- Glolea! ニュージーランド・オークランド親子留学アンバサター
こんにちは! ほうかごEnglish代表/Glolea! ニュージーランド親子留学アンバサター 奥村優子です。
日本ではお子様が満6歳になる年齢の4月に小学校へ入学し、小学1年から6年間が初等教育。その後中学校・高校はそれぞれ3年制。小学校6年間+中学校3年間の9年間が義務教育となりますね。
しかし、ニュージーランドの教育制度は日本のシステムとずいぶん感覚が違います。
ニュージーランドでは各学年を1年生、2年生…という呼び方ではくYear(イヤー)という日本では耳慣れない呼び方をし、年齢相当の学年も微妙に日本とズレがあるため、小学生・中学生・高校生のお子様とともにニュージーランドへの中長期の親子留学や教育移住、お子様の単身留学をご検討中の方の中には混乱されている方も多いのではないでしょうか。
今回は、ニュージーランドの教育や留学に興味をお持ちいただいている方のために、ニュージーランドの教育システムとその特徴について解説できればと思っています。
目次
[ニュージーランドの初等教育]
プライマリー・スクールとは?
ニュージーランドの義務教育期間は6歳から16歳の10年間です。
小中高のほどんどが公立校で、私立は約4%。学年は”Year”と呼び、5~13歳はYear1~8で学びます。
日本の小学校にほぼ相当する「プライマリー・スクール(Primary School)」。お子様が5歳の誕生日を迎えて6歳になるまでに入学します。
日本のシステムと大きく違うのは、子供が満5歳の誕生日を迎えた日からプライマリー・スクールへの入学資格が与えられるということ。
子供によって入学日が異なるため、日本の春の風物詩である入学式のようなものはありません。
実は、プライマリー・スクールは2種類あります。
- フルプライマリー・スクール(FullPrimary School):
日本で言う小中一貫教育を行っているYear1〜Year8までの初等教育機関
- プライマリー・スクール(Primary School):
日本で言う小学校にあたるYear1〜Year6までの初等教育機関。Year6の修了後に、小学校と中学校の橋渡しをする2年生制の「インターメディエイト・スクール(Intermediate School)」に進学
4学期制のニュージーランド…新学期は1月末/2月初頭にスタート!
ニュージーランドの学校は4学期制です。1月末~2月初頭からターム1(1学期)が始まります。
各学期は約10週。学期の間には2週間の休みが入ります。
一番長い夏休みは12月上旬*から翌年の新学期開始まで、約7週間あります。留学生の多くはこの時期一時帰国します。
進学・卒業を目指した長期留学だけでなく、1学期単位での留学を受け入れている学校も多くあります。
※セカンダリースクールの Year9、Year10のTerm4は12月上旬が終業日。Year11-13は学年末試験終了時から休みになります。
※プライマリースクールのTerm4は、12月中旬まであります。
専門科目の学習を開始し得意分野を伸ばす
ニュージーランドのインターメディエイトスクールとは?
小学校と中学校の橋渡しとなる「インターメディエイトスクール」。
インター・メディエイトスクールに相当する学年はYear7~8の2年間で、通常は11歳から13歳の子供達が通います。
5年制の中等教育機関(日本の中学高校に相当する)である「セカンダリー・スクール(Secondary School)」に進む準備として、専門科目の学習を開始し、生徒の自主性と得意分野を伸ばすことができます。
[ニュージーランドの中等教育]
セカンダリー・スクールとは?
初等教育過程となる「プライリマリー・スクール」や「インター・メディエイトスクール」を修了後は、中等教育過程である「セカンダリー・スクール」に進学します。
セカンダリースクールは日本の中学・高校にほぼ相当する教育課程です。
セカンダリー・スクールに相当する学年はYear9〜13の5年間で、通常は14歳〜18歳の子供達が通います。
なお、ニュージーランドの義務教育期間はセカンダリースクールの途中である16歳までとなります。
セカンダリー・スクールは、学校によって、
- カレッジ:College
- グラマースクール:Grammar Shool
- ハイスクール:High School
…などと呼ばれます。
自由選択で得意分野を伸ばしながらも高い教育の質を誇るニュージーランドカリキュラム
ニュージーランドのセカンダリースクールのカリキュラムは、日本に比べると授業選択の幅が広く、生徒の関心や将来やりたいことに合わせて授業が取りやすくなっています。
また各学校の裁量が大きく、学校ごとに独自性があります。
ラグビーの強豪校として世界でも名の知れた学校から、商業用のキッチン設備が学校にあり、高校生向けのバリスタ大会で毎年メダルをとる学校もあります。
学校が自由な裁量で独自性を保つ一方、国が学校教育の質を監督する機関(ERO*)を設けて、高い教育の質を維持しています。
※ERO:(Education Review Office/政府教育評価局)の調査結果は一般公開されています。
世界各国の大学へのパスポート!
高校修了証明になるニュージーランドの全国学力統一資格「NCEA」とは?
ニュージーランドの義務教育修了年次であるYear11から3年間(日本の高校1~3年生にあたる期間、Year11〜13)は、大学進学にとって重要なNCEA(National Certificate of Educational Achievement)という資格の受験期間となります。
NCEAはニュージーランドの国が定めた教育カリキュラムの資格のことで、レベル1、レベル2、レベル3…と3段階あり、通常は下記のようにそれぞれの学年で
- NCEA レベル1取得:Year11(日本の高校1年生に相当)
- NCEA レベル2取得:Year12(日本の高校2年生に相当)
- NCEA レベル3取得:Year13(日本の高校3年生に相当)
のための単位を取得し、これらの成績が、ニュージーランドの大学進学などの判定基準になるため、ニュージーランドに住む子供達&ファミリーにとっては非常に重要な資格です。
また、日本の大学でもNCEAの試験結果を重要な判定基準としている学校もあるため、ニュージーランドのセカンダリースクール等…中等教育機関を卒業後に日本の大学進学を希望する留学生にとっても重要な資格となります。
レベル1〜レベル3それぞれのレベルには、「クレジット」と呼ばれる必要な単位数が決まっており、
- インターナル・アセスメント(Internal Assessment):
学内テスト各学校による課題や試験
- エクスターナル・アセスメント(External Assessment/NCEA Exam):
学外審査である全国統一試験。11月から12月にかけて行われる。なお、NCEAという言葉でこの統一試験を指す場合もある。
…2種類の試験で規定単位を取得していきます。
ニュージーランドのYear11〜13で学ぶ子供達は、学内の課題やテストだけでなく、通常は全国統一試験でも良い成績を残さなければNCEA取得ができないので、日々頑張っています。
学校や学年によって選択できる科目は異なりますが、40以上の科目から自分の興味や能力にあわせて科目を選択できるため、得意分野、興味のある分野を勉強し、結果を残すことができるのが特徴です。
- NCEA レベル1:英語、数学、理科を中心にその他2〜3科目を選択
- NCEA レベル2:自由選択(進学や就職に必要な科目を履修)
- NCEA レベル3:自由選択(進学や就職に必要な科目を履修)
NCEAの取得に は、各教科ごとの課題を提出したり共通試験をパスしたりして、 クレジットを集める必要があります。
Year 12、Year 13 選択科目例
英語、数学、理科、社会、言語(マオリ語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、日本語など)のほか、メディアスタディ、ビジュアルアート、ツーリズム、ドラマ、ダンス、フォトグラフィー、グラフィックデザイン、ファッションデザイン、ホスピタリティ、食品と栄養学、エンジニアリング、エレクトロニクス、ビジネススタディ、アカウンティング、デジタルテクノロジー、スポーツサイエンス、ヘルス、ミュージック、コンテンポラリーミュージック…など。
海外でも広く認められている高校修了証明「NCEA」
NCEAは高校教育終了の証明になる資格として海外でも広く認められており、ニュージーランドの大学進学はもちろんのこと、日本、アメリカ、イギリス、オーストラリアを含めた海外大学への進学の際も考慮されます。
日本の大学への進学を希望する場合は、多くの大学で、留学期間2年以上で帰国子女入試枠での受験を認めています。
また近年では、帰国子女入試だけでなく、AO入試やIELTSなど英語テストのスコアを利用した特別入試で受験ができます。
IB(国際バカロレア)スクールへの留学先としてのニュージーランド
ニュージーランドでは、ニュージーランドカリキュラム「NCEA」だけでなく、「国際バカロレア(IB/International Baccalaureate)」のディプロマプログラム(IBDP)を取得できる学校が13校あります。
国際バカロレア(IB)は「海外大学へのパスポート」と比喩されるほど、世界的に多くの教育機関で認められている国際的な大学入学資格につながる教育プログラム。
IB校にて指定のカリキュラムを履修後、所定の成績をおさめて国際バカロレア資格(IB Diploma)を取得すれば世界各国の大学に自分の能力を証明できることになるため、ニュージーランドや日本だけでなく、世界各国でIB認定校の注目度が上がっています。
現在、初等教育プログラム、中等教育プログラムまで含めると、ニュージーランド全土で25校のIB認定校があります。
IBのディプロマプログラムでは、Year12とYear13の2年間のカリキュラムを履修し、所定の成績を収める必要があります。
- 参考≫ 国際バカロレア(IB)とは?
国際バカロレア(IB)教育プログラムの4段階
- 3歳‐12歳:初等教育プログラム (PYP Primary Year Programme)
- 11歳‐16歳:中等教育プログラム(MYP Middle Yer Programme)
- 16歳‐19歳:ディプロマプログラム(DP Diploma Programme/IBDP) ←大学進学に大きく関わるため世界的に注目度が上がっているIBのディプロマプログラム
- 16歳〜19歳:キャリア関連プログラム(CP Career-related Program)
インターナショナルな環境と留学生に嬉しい充実の英語クラス「ESOL」も魅力のニュージーランド!
ニュージーランドは世界各国から移民・留学生を受け入れているため、普通の学校でも生徒の国籍は数十カ国というのがあたりまえの環境です。
そのため、英語を母語としない生徒のための英語クラス「ESOL(English for Speakers of Other Language)」を設けている学校が多くあります。
自分の英語力で現地学校の授業についていけるか心配という方もいると思いますが、留学生は通常授業の他にESOLクラスをとって、英語力を伸ばしながら留学生活に順応していくことが可能です。
進学・卒業を目指す長期留学の場合、Year11以上の学年になると、上記NCEAに向けた勉強がはじまるため、Year9、Year10の学年から余裕をもって留学計画をたてることをおすすめします。
ニュージーランド親子留学のススメ
今回は「ニュージーランドの教育システム&特徴とは? 日本と何が違う? 日本から留学する際のポイント」をテーマにニュージーランドの教育について詳しくお届けしてきましたがいかがでしたでしょうか。
英語はもちろんのこと、現地のライフスタイルや教育スタイルをニュージーランド親子留学を通じて学びにいらしてください。お子さんと一緒の留学は、個人留学とは全く違い、お子さんと一緒だから楽しめる経験がいっぱいできます!
異国の経験を楽しみ成長していくお子さんの姿が見られるだけではありません。
- 教育システムの違い
- 習慣の違い
- 子育ての違い
…など、興味はつきず、いろいろな気付きがあります。 お子さんと一緒だから、より深く共感してつながれるママ仲間もできることでしょう。
自然豊かな環境で、旅行ではみることのできないライフスタイルや文化に触れることは、語学力以上のものを得られると思います。
ニュージーランド親子留学は1日からのプチ体験からアレンジ可能です。
お子様が5歳からの親子留学・母子留学・父子留学だけでなく、11歳以上であれば単身のキッズ留学も可能ですよ!
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
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ニュージーランド・オークランド在住。オンラインスクール「ほうかごEnglish」運営。 親子留学、幼稚園生からシニアまでの留学サポートを行っています。スクールの運営、留学生の受け入れと子育てに日々奮闘中。趣味は、旅行と料理。走ること。美しい自然が身近にある環境が気にいっています。