イタリアでは子どもの頃から美食家として育てられるのか? 赤と白のパスタの秘密
- 佐々木希世(Kiyo Sasaki)
- Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
イタリアと言えば楽しいのは、まず食事! 日本は、イタリア本国の次にイタリアンレストランが最も多い国と言われるだけに、日本人はイタリアン好き。私たちにとってイタリアは食い道楽の国ですよね。
オリーブオイルにトマト、パスタ、チーズ、サラミ、ティラミスをはじめとするおいしいデザート、それに食事にぴったりのワイン…書いているだけでお腹が鳴ってきそうです。
目次
イタリアンって小さな子どもにはハードル高くないですか?
でも、小さなお子さんを持つママ達はここでふと疑問に思うはず。「イタリアンって、子どもにとっては結構ハードルが高いものが多くない…?」
確かに…
トマトが嫌い!
という子はまだ多いですし、ロングパスタは麺カッター(こんな便利なものがあるのは日本だけなのでは!)なくしては、小さい子にはなかなか食べられません。フランスとまでは行かずとも匂いの強いチーズは多いですし、サラミは固い! デザートは食べたがるでしょうが、ママの方が躊躇しますよね。
我が家の場合は家で食事をすることがほとんどですから、そもそも家ごはんでは和食メニューが多い。幸いチビ達は大の野菜好きなので、トマト、ズッキーニ、ナスをはじめとする、イタリア野菜にもすぐなじんでくれました。
イタリアでも大人が美味しいと思う料理は子どもには洗練されすぎている…
ただ、悩むのは外食時です。大人がおいしいと感じるパスタの味付けは、チビ達にはちょっと洗練されすぎているようですし、お米メニューもたくさんあるものの「リゾット」となって出てくると、これもパスタと同様です。
イタリア人は「お肉大好き!」な人種なのですが、ステーキ類はまだ歯が立たない。だからといって子どもが喜ぶピザばっかり食べさせるのもどうかと思うし、ううーん。
イタリアのレストラン、なかなか注文のしどころが難しい。
美食の国イタリアの子ども達はレストランで何を食べている?
でも子どもに優しい国イタリアは、レストランにも子ども達がたくさんいます。じゃあよその子達は、何を食べているのかしら? 横目にチラチラ覗いてみると…大抵の場合、彼らはパスタを食べています。
色からするとトマトソース系です。ふうん…トマトソースのパスタって、やっぱり基本のパスタなのね……その時はそんな風に思いました。
で、少しイタリア生活にも慣れ始めた頃、思い立って外食先のレストランで聞いてみました。
子どもが良く食べてるメニューってありますか?
すると、即答された答えがこれ。
もちろん。大体はパスタ・ポモドーリかパスタ・ビアンカだね
イタリアの子ども達は外食で超〜シンプルな赤いパスタ・白いパスタを食べていた!
ははあ、パスタ・ポモドーリね。これはシンプルなトマトソースのパスタ…と言ってしまえばステキな響きですが、要はトマトソースのみがかかった、味も素っ気もないパスタ。「赤いパスタ食べてるなー」と思って見ていたのはこれだったのか。
でも、パスタ・ビアンカ(白いパスタ)って何のこと?
美食の国イタリアの不思議
聞いてみるとゆでたパスタにオリーブオイルをかけただけ、もしくはそれにちょっとパルメザンチーズをふっただけのパスタなんだとか。
それだけ? 野菜とか、お肉は?
うーん、大体子どもはこれだけだよ。子どもはこういうのが好きなんじゃない?
ええー! 大人はあんなに美食家ぞろいなのに、イタリアにはこんなにたくさんおいしいものがあるのに、どうして子どもにはこんなシンプルすぎる、かつ栄養豊富とはお世辞にも言えないメニューなの!?
この時までは、私たち夫婦の注文したものをチビ達にシェアしていたのでイタリアの子どもメニューがそんなことになっていようとは、全く気がつきませんでした。が、そう思って気をつけて聞いていると、確かにどのレストランに行っても子どもに勧められるのはこの2品。しかも当然、といった感じで
チビちゃん達は? ポモドーリ? ビアンコ?
と聞いてきます。
ううむ…それで良いのか、かわいそうなイタリアの子どもよ!
そういう目で見るからか、彼らの前に置かれた赤や白のパスタを黙々と食べる子ども達は、心なしかウンザリしているようにも見えます…。
家ではもっと色んなものを食べてるよね? 野菜も一杯食べてるよね? そうじゃないと、大人になってあんなに美食家にはならないよね? でもちょっと不安、かわいそうだねえ…などと心の中で思いつつ、イタリアの不思議な食生活に疑問を感じる我々夫婦でした。
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 佐々木希世(Kiyo Sasaki)
- Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
- ミラノ
14年8月に、イタリアはミラノに居を移す。2人の子供達を追いかけ回しながら、日本とは違う時間の流れの中でのイタリア生活を満喫中。学生時代の専門だった美術をはじめ、食事・お酒を愛する身には最高の住環境! 子育て周りをはじめ、そんなところもご紹介したいと思っています。著書『「半径5メートル最適化」仕事術 おしゃべりな職場は生産性が高い』好評発売中!