イタリア子育てドタバタ日記「イタリアでは子どもの学校行事は両親参加がスタンダード」だった!

佐々木希世(Kiyo Sasaki)
Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー

イタリアの幼稚園・保育園は2カ月ごとに保護者会があるってホント!?

イタリアの保育園

▲イタリアの保育園の学年末パーティーの様子。オープンな雰囲気、時間にルーズなイタリアとは思えないパンクチュアルぶり! 家族総出で参加などを見ると、子どもがいかにイタリアで大切にされているかが分かる。

現在、私達家族が住んでいるイタリア・フィレンツェの学校が学年末を迎える頃、下のチビが9月から通うことになっている保育園からいくつかの行事を知らせるお手紙が来ました。

登園は9月からだけど、もう何かあるの…?

と開いてみると、最初に目に入ったのは、

年長のお友達、新しいお友達を迎えて一緒に学年末のパーティーをしましょう!

というパーティーのお知らせ。知り合いに聞くと、クラス単位や園単位などの差こそあれ、学年末は多くの幼稚園・保育園でこうしたパーティーがあるそうです。

 

二つ目の行事は新入生向けの、最初の保護者会でした。

イタリア語しか通じない場所での保育園の集まりでは親もドキドキです!

▲イタリアの保育園のクラスルームの様子

▲イタリアの保育園のクラスルームの様子。世界のどこでもその様子はそこまで変わりません。

我が家のチビ達が通うことになっているのは保育園・幼稚園共にイタリアの公立園。郊外のことゆえ、おそらく英語を話す人は子ども達の中にはもちろん、保護者や先生方の中にも、ほとんどいないでしょう。

とうとうこの時がやって来たか…

と、親の方もドキドキしながら、パーティーにとりあえず行って様子を見てこよう! と決意しました。

 

当日は夫が出張で不在だったため、心細くはありましたがチビ達二人をつれておそるおそる保育園に足を踏み入れました。開始時間と書かれていた17時から10分遅れるくらいに到着したのですが、すでにものすごい盛り上がり方! 時間の感覚がゆっくりなイタリアにおいて、時間通りに行事が始まるというのは驚異的です。

イタリアの学校行事に両親参加は当たり前!
祖父母がついてくることも!! 育児はみんなでが当然なのです。

それに、すでににぎわっている園庭を覗くと、そこには子どもの数を大きく上回る大人、大人、大人!  何と大人で一杯なのです。下校時間を過ぎてからのイベントですから、保育園に通う子どもの兄弟・姉妹もたくさんいるだろうとは想像していました。が、ほとんどの家庭は両親が来ているのが当たり前、それに祖父母もくっついて来ているおうちも多いこと!

 

この後に行った保護者会もそうでしたが、イタリアでは子どもの学校行事には両親参加がスタンダードなようです。

 

本当に子どもに関わることになると、イタリア人は人が変わったように(!)真面目に、真摯に向き合うんですね。ところで皆さん、お仕事は放って来ているんでしょうか…その辺も、またイタリアらしいところです。

イタリアに移住して約10カ月
すっかりイタリアの保育園で社交的に楽しんでいる姿を見てママはホロリ

とにもかくにも、園庭にてあっけにとられて子どもと三人、立ちすくんでいると…先生がスススっと寄って来て、

お名前は・・・ああ、日本の方よね。今日のプログラムはね…

とまくしたてる! 分かったのはほぼ最初の所だけ! イタリア語のできなさに、改めてショック!

 

それでもウンウンと分かるところだけ頷き、

ありがとうございます。イタリア語はまだあまり話せないけれど、頑張ります

とニッコリすると

楽しんで行ってねー! もうすぐ歌も始まるわよー!

と、去って行ったのでした。

歌? 歌? 歌って言ったよね? と何のことやら分からずにいると、ギターを持った先生らしき人が颯爽と登場。園庭の隅にあるあずまやに立つと、そこにわらわらと人が集まりだしました。

イタリアの保育園2

▲女の子に挟まれて、大満足の息子様子。このようなイタリアの保育園の集まりは両親出席は当たり前! 頻度は2、3ヶ月に一度という高頻度で開催されます。

一体何が始まるのか・・・私と上のチビがまだ事態分からずボーゼンとしていると、下のチビが猛然とあずまやに突進して行くではありませんか! そして用意してあった小さい椅子にドスンと腰を下ろすとお隣に座った子(もちろん女子)にニッコリ。やるなー2歳男子! そして歌が始まると手を叩き、振りを促されると一緒にやっている!

 

母と姉を振り向く様子が全くないので後ろから声をかけると、振り返った笑顔が男らしく、数分の間に成長したのか? という感じ。息子よ、社交的でイタリアの水が合いそうだとは薄々思っていたが、ここまでとは…。

 

思いもかけない息子の成長(変貌?)ぶりにホロリとしていると、また先生が出て来て何やらアナウンス。そこにいた人々は(イタリア人にしては)お行儀よく、分散して園舎内に吸い込まれて行きます。

イタリア人もはじめて保育園に子どもを通わせるのは不安なのです

むむむ…よくわからないけど私たちも行った方がいいかしら? ついて行こうとすると、後ろから先生らしき人が、

クラスごとに親睦会があるのよ。あなたは新入生でしょ? 新入生はここにいていいわよ

らしきことを教えてくれたので、自分のイタリア語理解力をなおも疑いつつ、居残ることにしました。

 

すると、ちょっと英語のお話しできる先生がスススッと寄って来て、親睦会は疑問に思っていることを聞いて良い場だと説明してくれました。ああ! 英語のできる先生がいるのね! と喜んだのもつかの間、彼女は保育園の職員ではなく、市役所の方のようでした。

 

質問タイムが始まると、周りの保護者の方達は緊張した面持ちで色々なことを先生方に質問しています。我が家は上のチビが日本で保育園に通っていたこともあり、保育園でどのようなことが起きるかは大体想像がつきますが、日本もイタリアも変わらず、初めて保育園に通わせる親は不安で一杯なのだと改めて気づかされました。

 

何となく心に余裕を持ち、いずこも子どもを思う気持ちは変わらないのね…などと感慨深く周りの保護者の方達の質問を(半分くらいの理解力で)聞いていると、隣にいた英語のできる先生が一言。

保育園では2ヶ月くらいごとに保護者会があるわよ。お母さんもイタリア語、頑張って勉強しなきゃダメよ!

ウッ!! 鋭い一言が背中に刺さりました。

チビ達に負けないよう、頑張ります…。
育児はみんなで、ですから夫にも頑張ってもらわなきゃ…。

 

 

 

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

佐々木希世(Kiyo Sasaki)
Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
ミラノ

14年8月に、イタリアはミラノに居を移す。2人の子供達を追いかけ回しながら、日本とは違う時間の流れの中でのイタリア生活を満喫中。学生時代の専門だった美術をはじめ、食事・お酒を愛する身には最高の住環境! 子育て周りをはじめ、そんなところもご紹介したいと思っています。著書『「半径5メートル最適化」仕事術 おしゃべりな職場は生産性が高い』好評発売中!

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