日本とちょっと違う!?イタリアの幼稚園で行われる学年末パーティー

佐々木希世(Kiyo Sasaki)
Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー

Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー 佐々木希世です。今回の連載記事では、イタリアの子育ての現場から「イタリアの学年末パーティー」の様子を現地からお届けします!

イタリアの学年末は6月

6月は、イタリアの学校が学年末を迎える月。1年の集大成とばかりに発表会などの行事も増えて来ますし、大人も子供も来るバカンスシーズンに向けて、ちょっと浮き足立ち始めている今日この頃です。

 

まてよ、学年末のパーティーのこと、確か去年も書いたよな…と思い出し、過去の記事を見てみました。ありました、これです。

 

下のチビが通う保育園から

学年末パーティーをするから新入生もおいで

と言われて、緊張でカチコチになりながら行ったのでした。たった1年前のことですが、なつかしや…。

 

では今年は、上のチビが通う幼稚園の学年末パーティーについて書いてみたいと思います。

学校行事の開始時刻が遅めなイタリア

例のごとく、幼稚園でありながら学校行事の開始時間は遅めなイタリア。スタートは5時からです。その日は全員が給食後の1時半に下校させられ、5時に改めて家族全員で園に向かいます

 

その日のプログラムは:

  1. まずはそれぞれのクラスの教室で、先生のお話を聞き、最近習った歌を歌うのを聞く
  2. 事前に分けられた学年横断のグループごとに、場所を変えてお遊戯などの発表会
  3. 全員でダンスをして、その後おやつタイム
  4. それぞれの教室に戻り、談笑

というものでした。

かなり自由なイタリアの園児達!

が、ここはイタリア。プログラム進行が滞りなく行われ、全員が一糸乱れぬ集団行動をとれる日本の園とは違います

 

教室を移動する、外に出る、歌を歌う、といった基本行動はみんなできているのものの、プログラム中のポジションは見事にバラバラ。外には出たけど行く場所がバラバラだったり、立って・座って・歩きながら歌う子がいたり、お遊戯中にマンマのところにチュッとしに戻って来たり…かなり自由な感じです。

イタリアの幼稚園

▲ご覧の通り先生・園児・保護者が入り乱れ、みんな、あっちを向いたりこっちを向いたり、です。

どこを見て、誰に拍手すればいいのか!? とちょっと悩みましたが「ま、要はみんな『うちの子』を見に来ているのよね」と楽しそうに踊り、遊ぶ我が子に集中することに。

イタリア流!? 先生への感謝のプレゼント選びがちょっと素敵でした

めいめいおやつを手にしながら、もう一度お教室に戻ってくると、今度は保護者から先生へのサプライズ。メーリングリストなどでママ達が事前に相談して購入しておいたプレゼントを、先生にお渡ししました。この辺は日本も同じですね。

 

長女のクラスを担当してくださる先生方は、全員女性。日々暴れ回る子供達を追いかけ、相手をするのはさぞや疲れるだろうと選んだプレゼントは、何とアロマオイルやフットクリームのセット!

 

日本での経験から、こういうときはお花とお菓子なんかかな・・・と思っていた私は、「なるほどー、そういう手もあるか」と感心しきりです。

 

ラッピング担当のマンマからのリクエストで折った、折り紙のアヤメを袋につけ、先生に贈呈です。

イタリアらしさここにあり!

そして驚いたのは、プレゼント贈呈の時に、一人のマンマがどこかで見つけて来た詩を読み上げたこと。

 

ローマ時代の昔から文学と芸術を愛し、偉大なる詩人ダンテを生んだイタリア。詩や文学からの引用はイタリア人にとって、しばしば行われるジェスチャーなのです。にしても、こんな場面でも遭遇しようとは、イタリア人らしいなと心を揺さぶられました。

イタリアの幼稚園行事

▲まずはマンマによる詩の朗読。みんなウルウルです。

その一編の詩は「私の足」と題されたもので、ユーモアも交えながら生きることについて、人生そのものを前進させてくれる「足」を謳い上げたものでした。

 

もうその詩を聞きながら、先生もマンマ達もこの一年のことが走馬灯のように頭の中をめぐっていたのでしょう。みんな涙、涙です。いずこも変わりませんねえ。

 

違うのは視界の中にお父さん達が多いこと。彼らはさすがにモジモジして、手持ち無沙汰な感じでした…

 

そのあとは、それぞれ談笑です。涙を拭いた先生方も、お教室を回りながらそれぞれの保護者と、子供達の一年を振り返って、また泣いたり笑ったりしています。

 

私たちも先生とお話ししていると

新学期の頃には近寄って来てもくれなかった彼女(長女)が、今は手を広げると抱きついてくれたり、膝に乗ったりしてくれるのよ

とおっしゃいます。それを聞いてまた涙、です。

 

子供達にとって、全く新しい環境でのこの一年は、本当に大変だったんだなあと、その言葉を聞いてしみじみ実感しました。言葉や習慣の壁をまだ完全に乗り越えられたわけではないけれど、褒めて、支えて、抱きしめて、一緒に頑張ろう、と心も新たに思いました。

イタリアの幼稚園で折った折り紙

▲折り紙は長女を「クラスで主役にしましょう!」という先生のご配慮もあって、クラスで採用してくださいました。イタリア4才児、結構難しいものも折っています。

そして、親も頑張りましたよ!

病気も一杯しましたし、通じないイタリア語にも苦労しています(ここは進行形…)。保護者会も予告通り2ヶ月に一度、保育園と幼稚園それぞれでありました。学年末を無事に迎えたら、夫と二人で祝杯を上げる予定です!

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

佐々木希世(Kiyo Sasaki)
Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
ミラノ

14年8月に、イタリアはミラノに居を移す。2人の子供達を追いかけ回しながら、日本とは違う時間の流れの中でのイタリア生活を満喫中。学生時代の専門だった美術をはじめ、食事・お酒を愛する身には最高の住環境! 子育て周りをはじめ、そんなところもご紹介したいと思っています。著書『「半径5メートル最適化」仕事術 おしゃべりな職場は生産性が高い』好評発売中!

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