海外生活が子供に与える影響とそのメリット
- 佐々木希世(Kiyo Sasaki)
- Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
目次
実際に子供と一緒に海外で暮らしてみて感じるメリット
本サイトGlolea![グローリア]で大きく取り上げているテーマの一つに「親子留学」があります。
その目的は数多くありますよね。
生きた英語(外国語)に触れるというのがその筆頭だと思いますが、その他にも日本とは違う文化や人に親子で触れることができるということも、大きな目的・メリットだと思います。
今回は我が家のイタリア生活を通じて私なりに感じた、異文化の中で生活することが子供にもたらす影響についてお伝えしてみたいと思います。
子供にとっても海外暮らしは試行錯誤!様々なチャレンジが待っています
皆さん自身(大人)が海外へ行くと、当然のことながら日本や日本人とは違う
- 人種
- 食事
- 習慣
- マナー
…などの違いに戸惑いを覚えますよね。
そしてそこで暮らすとなれば言語も含め、それらの「違い」を受け入れ、自分のものとして習慣づけられるまで試行錯誤が続きます。
そして、異国文化を学び・慣れて行く中で、私たちは
- 母国と異国の違いはなぜ生じるのか
- 文化の違う人と接する時にどう振る舞うべきか
を同時に学ぶわけです。
この過程は大人だけでなく子供も全く同様に経るプロセスだと、日本で生まれ現在イタリアの現地校で教育を受けている我が家のチビ達を見て私自身、日々感じています。
子供は海外暮らしの中で『異文化コミュニケーション力』を身につける
海外に出れば私たち自身がその国での外国人です。
どこに行ってもマイノリティの立場に困難はつきもので、その国の習慣や文化に慣れるまでは辛い思いをすることも少なからずあります。
これには言葉が分からないことに起因する場面が一番多いと思いますが、子供の場合は給食の場面での食習慣の違いだったり、遊び方の違いからからかわれてしまうことなどもあるでしょう。
我が家でも学校から帰って来たチビ達が
どうしてこれは違うの?
といった質問を幼稚園に通い始めた当初はたくさん発した記憶があります。
分かることはできるだけ噛み砕いて話しますが、親だって分からないことも多い。すると子供達は自分で「次に同じようなことが起こったらどうすればいいのか」を積極的に考えるようになります。
むしろ小さい子供の場合、大人のように考えるというよりは、それが社会生活の場で生き残るために必要だから、無意識に行動を変えるのかもしれません。
そして自分の行動を変える時には、自分が不快な思いをせず、相手にもさせないためにはどうすれば良いかということも考えているように感じます。
自分が一度嫌な思いをしたから同じ経験を繰り返したくないという思いもあるでしょうし、似たような経験をしている友達がいたら助けてあげようとも思っているのかもしれません。
子供が大人になる時代に必要なスキルが海外暮らしには詰まっている!?
イタリアは以前の連載記事でもお伝えしたように、
みんな違ってみんないい
文化がベースにありますから、マイノリティであることで嫌な思いをすることは、他の国に比べて少ないのかもしれません。
とはいえ、子供なりに「違うこと」を自分の中で消化し、違いに直面したときの振る舞い方を経験の中から学び取り考えています。
彼らが大人になる頃には世界はますます「小さく」なり、外国人と仕事やプライベートで接する機会は今よりももっと日常的になるでしょう。
異文化コミュニケーションはその際の必須の能力であり、外国で暮らすことはこの力を育むことにつながっていると感じます。
海外暮らしでより早く、多くの場面で育まれる自主性
異文化コミュニケーション力が、海外生活が子供にもたらす大きな影響の一つだとすれば、もう一つは自主性を育むことです。
これはイタリアで暮らし始めてから、特に子供達が幼稚園に通い始めるようになってから気付いたことですが、家から一歩出ると実は親が子供を頼りにしている場合が多い。
特に「英語」という私たち夫婦のアドバンテージが役に立たないイタリアでは、なおさらです。
朝、幼稚園で先生と簡単に会話する時、または買物に行く時、最近では子供に
これなんて言うんだっけ?
と聞いたりすることが増えました。また日本と同様に、イタリアも幼稚園では年中行事にまつわるプロジェクトやイベントが多くあり、イタリアの祝日や文化・習慣についても子供の方が良く知っていたりします。
給食もありますから、お料理や食習慣についても同じです。はっきり言うと、子供の方が短い時間で外国暮らしのエキスパートになるのです。
チビ達もこれを良く分かっていて、
ママとパパは頼りにならんな…
と思えば(ちょっと偉そうに)教えてくれたり、率先して行動を起こしたりしています。
親の頼りなさゆえに自主性がどんどん育っているのです。私たちにすれば情けない話ではありますが、子供が自主的に行動するのは頼もしくもあります。
もちろん「日本」である家の中や、健康・生活に関わることでは親に甘え、頼っているので、子供なりに「親に甘え、頼るところ」「自分が親を助けるところ」のバランスを無意識にとっているのだと思います。
当然ながら自主性を育むことは、別に海外にいるからこそ出来ることではありません。けれど同年齢であれば、おそらく国内で過ごしている子供たちよりも自主性を伸ばす機会は早く、多くあるのではないかと感じます。
「暮らすように海外滞在」にチャレンジするだけでも視野は大きく拡がる機会に:まとめ
ここでお話しした「異文化コミュニケーション力」と「自主性」は長く海外に住まなければ開花しない能力だとは、私は思いません。
自分とは違う言葉や人、食事や習慣に触れることは、短期間でも子供達にとって”Eye-opener”の機会となるのです。
その場面に親として一緒に立ち会い、日本では出会わないような困難をくぐり抜けた末に目にする子供の成長は、より感慨深いものです。
最近では短期留学でなくても、「暮らすように」滞在する海外旅行を選ぶ人も増えています。ぜひこんなことも頭の隅において頂きながら、子供との海外経験をエンジョイして頂ければと思います!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 佐々木希世(Kiyo Sasaki)
- Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
- ミラノ
14年8月に、イタリアはミラノに居を移す。2人の子供達を追いかけ回しながら、日本とは違う時間の流れの中でのイタリア生活を満喫中。学生時代の専門だった美術をはじめ、食事・お酒を愛する身には最高の住環境! 子育て周りをはじめ、そんなところもご紹介したいと思っています。著書『「半径5メートル最適化」仕事術 おしゃべりな職場は生産性が高い』好評発売中!