世界の家事事情…各国洗濯あれこれとイタリアのダメな物干し

佐々木希世(Kiyo Sasaki)
Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー

今回は少し視点を変えて、バッチリ主婦目線、でも力が抜けちゃうような話題をお届けしたいと思います。

 

Island laundry

Laundry in Spring / h.koppdelaney

で、いきなりですが、洗濯にまつわるあれこれって、お国事情を反映していると思いません?

日本の洗濯機:多機能でデザイン性も重視!

たとえば洗濯機一つ取ってみても、日本の洗濯機は手洗いのようなやさしさながら、しっかり汚れも落とし、デザインもステキ…なんていう二律? 三律?

背反の克服をゴールにしているようですよね。服の作りが繊細できれい好き、カワイイ物好きな日本人ならではの発想。

アメリカの洗濯機:ちゃんと洗えて丈夫が重要!

laundry

アメリカの洗濯機は豪快!

対照的なのはアメリカの洗濯機。ちゃんと洗えて頑丈ならオッケー。だけど、複数の性能を同時追求することにはそんなに興味がなさそうなお国柄。

 

こんな国の洗濯機は見た目も頑丈、汚れも落ちそうだけど、洗い方がダイナミック(?)過ぎて服が破けるのは日常茶飯事。アメリカに住んでいた頃は、華奢な作りの日本の服が一度の洗濯で穴だらけになったりするのに、泣かされたものでした。

洋服の作り方にも反映される!? 各国洗濯機の特性

洗濯表示マーク

ほかにも、洗濯機の特性は洋服の作り方にも反映されてくるとか、そもそも家庭への洗濯機普及率は外国ではそれほど高くないとか、洗濯にまつわるあれこれは、実は深みのあるトピックではないでしょうか。

 

変わってる? そう言われれば返答のしようもありません…

バラエティーに富んでいる、日本の物干し器具

…めげずに続けると、私が特に面白いと思っているのは、各地の「物干し器具」事情。日本だと、大きな竿竹から洗濯バサミの一杯ぶら下がったもの、タオルを干すための針金がたくさんついた物干し、室内干し用の華奢なもの。

 

ニーズに合わせて、よりどりみどりの物干し器具がずらりと揃う国は、世界でも本当に珍しいと思います。

 

室内干しも増えて来たとはいえ少しでも日に当てて乾かそうという、いわば「日光消毒信奉」が、日本人は強いのでしょうね。もちろん私もその一人。

風に吹かれてグルグル回るオーストラリアの物干し

 

他の国はどうかというと、個人的に好きなのは風に吹かれてグルグル回るオーストラリアの物干し。

 

けれどこれが役に立つのは、どーんと広がる荒野をわたる風が、洗濯物を乾かす彼の土地ならではなのかなという想像も働きます。

100%乾燥機で洗濯物を乾かす国の物干し器具バラエティーは極端に少ない

また洗濯物はほぼ100%乾燥機で乾かすのが習慣の国だと、物干し器具は極端に少ない。物干しロープと洗濯バサミくらいしかありません。

 

きっと彼らの目には、日本の物干し器具ラインナップは驚異的、けれど全く無意味なものに映るんでしょうね。

イタリアも自然乾燥、日光干し信奉が強かった!

イタリアはどうでしょう? ここもやっぱり日光信奉が強い! やっぱり洗濯はダンゼン外干しです。映画なんかでも良く出てきますが、向かい合う家の窓同士を洗濯ロープがつないでいる風景も見かけます。窓枠の外に物干しが3、4列くっついているスタイルのものも良くある物干しの一つ。冬にはスチームに引っ掛けて使うタオル掛けも、人気です。

自立式の物干し…ヨーロッパではよく見るスタイルだけれど微妙

一方自立する物干しは、ほぼ全てこちら。

(干してない物干しの写真「英語だとClothes Horseと呼ぶらしいです。馬に似てる?」)

イタリアの物干し

うーん・・・イタリアに限らず、このスタイルはヨーロッパではよく見るものらしいのですが、使いやすいんだか使いにくいんだか分かりません。しかし、困ったことに自立する物干しといえば、どこに行ってもとにかくこれしか売ってないのです。

 

先日、こちらでも人気のIKEAにも行って探してみました。が、色や細部のデザインはオシャレながらも、形状はやっぱりこれのみ。なぜだ?

 

イタリアの物干し

▲洗濯物の間が近すぎ…なイタリアの物干し

気を取り直して洗濯物を干してみると、こんな感じになります。

 

どうでしょう?

 

お察しの通り、こんなんじゃ全く乾く気がしないし、実際乾きは恐ろしく悪い。1日干せば、ぱりっと乾くのは日差しが強い夏の間だけ。特に雨の多いイタリア北部なんかだと、冬の間はさしものイタリア人も乾燥機に頼るようです。

  • きれい好き
  • 強い日光信奉
  • 高いデザイン能力

といった日本と共通する点を持つイタリアのお国柄を考えると、もっと物干し器具業界(というものがあるのか?)に活気があっても良さそうなものなんですが・・・。

とりあえず、日本人としては洗濯バサミのたくさんついた、どこにでも引っ掛けられる物干しが欲しい今日この頃です。

記事をお読み頂きありがとうございました!

みんなの評価: -- (0件)

この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

佐々木希世(Kiyo Sasaki)
Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
ミラノ

14年8月に、イタリアはミラノに居を移す。2人の子供達を追いかけ回しながら、日本とは違う時間の流れの中でのイタリア生活を満喫中。学生時代の専門だった美術をはじめ、食事・お酒を愛する身には最高の住環境! 子育て周りをはじめ、そんなところもご紹介したいと思っています。著書『「半径5メートル最適化」仕事術 おしゃべりな職場は生産性が高い』好評発売中!

お得な無料プレゼントやキャンペーン情報をお届けします![不定期配信]