絶対失敗ナシ!イタリア人を“おもてなし”する6つのコツ
- 佐々木希世(Kiyo Sasaki)
- Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
私たちがイタリアに居を移してから2年あまり。その間、夫の仕事がらみも含めて、我が家では夕食でイタリアの方々をおもてなしする機会がたくさんありました。ミラノに住んでいた頃、多い時には週1のペースでディナーを作っていたこともあります。
食の国イタリアでは、まずは「胃袋をつかむ」のは友人関係でも、仕事の付き合いにおいても、とっても重要。
大事な商談も、食事のテーブル越しに行われることが多いのです。
そして何より「ウチごはん」を食べさせると、よそゆきの顔を見せていたイタリア人は一気にフレンドリーになるのです! 意外かもしれませんが、イタリアの人たちは愛想は良いものの実際はやや保守的。
知り合いになっても、心を開いてもらうまでには結構時間がかかったりします。そんな時、食事を一度供するだけで、彼らは心の扉を一気に開いてくれるのです。
おいしいごはんが好きな人に悪いヤツはいないさ!
なーんて感じでしょうか。
ということで今回は、数々のイタリア人を食卓に呼ぶ中で感じた「イタリアの人をおもてなしするコツ」を書いてみたいと思います。
目次
コツその1:
ツナマヨおにぎりは劇的に喜ばれる!
トンノ(マグロ)は、イタリアでも人気のある食材です。焼いたり生で食べたりしますし、スーパーに並ぶツナ缶にも色々な味付けのものがあって最初は感激しました。
そして驚くことに、イタリア人は実は「マヨラー」です。
イタリアのレストランでは必ず見る “Insalata Russo(インサラタ・ルッソ、意:ロシア風サラダ)”とはダイス切りにした茹で野菜にマヨネーズをこってり混ぜたもの。他にも、ゆでた牛肉を薄切りしたものの上にマヨネーズとツナを和えてペースト状にしたソースが乗っている、”Vitello Tonnato(ヴィテッロ・トンナート)”という前菜も人気があります。
…これを好きな人たちがツナマヨにぎりを嫌いなわけないじゃないですか。イタリア人、お米も好きだし。誰に出しても、バカウケです!
コツその2:
なじんだ味を必ずどこかに入れてあげる
「おふくろの味」が好きなのはどこの国の人でも同じでしょう。だけど、イタリアの人は特にそれが強いみたい。
なので、いくら
日本食が好きなんです!
とぶち上げるお客様でも、最初から最後までぜーんぶ和食メニューにしちゃうと、ちょっと寂しそうな顔をします。
だから我が家では、和食メニューでおもてなしする場合でも、必ずどこかにイタリアン・メニューを入れるようにします。
多いのは前菜のプロシュート(生ハム)やサラミ、食後のチーズやドルチェ(デザート)です。こうした「逃げ場」を用意しておくと喜ばれますし、みなさんちょっとホッとした顔をします。
コツその3:
和食の野菜メニューは受けない
そもそも我々夫婦の間では「イタリア人は野菜を食べないんじゃないか?」疑惑があるほど、お肉大好きなイタリアの方々。
煮物はもちろん、シンプルな茹で野菜のドレッシングがけとか、炒め物とか、とにかく野菜メニューは他のものほど手が伸びない様子です。
おまけにイタリアに来てから気付いたのですが、こちらの料理は砂糖を調味料に使うことがほとんどありません。なので、煮物などは甘みに違和感を感じて手が伸びないのかな…とも思います。
というか、付け合わせのサラダですら「義務感」をたっぷり漂わせながら手を伸ばす彼らですから、メインのメニューはお肉でいいかと…。
コツその4:
実は日本人の作るパスタは好評
ラーメン・そば・うどんをはじめとして、麺の種類がえらく多い日本。ここでしっかり麺の「コシ」感覚を養っている日本人は実はすごくパスタ作りがうまいらしいのです。
私も怖いもの知らずでパスタを作り、イタリア人に供していますが
このアルデンテは素晴らしい!
と言われたことも幾度か。だから麺に関しては日本人は自分の感覚を信じてオッケーだと言い切れます!
あとはパスタの種類と具の組み合わせを覚えて(これがまた多いんですが)レパートリーを増やせば、パスタ大国イタリアも恐るるに足らず、です。
コツその5:
お酒はガンガン勧める
もう飲めないよ〜
と言いつつ、そこからガンガン飲むのがイタリア人。
日本の飲み会よろしく勧めるのが正解。そして、自分たちも潰れる。
コツその6:
とはいえ、ごはんよりお酒より、会話が一番のおもてなし
イタリア人は何を置いても
まず喋りたい。喋らせてくれ!
という人たちだというのが、私たち夫婦の一致した意見です。食べるものよりも、ワインよりも、まず話したがるのが常です。
食事中の会話が大好き、と言う点ではアメリカ人も同様ですが、こちらの場合はすぐに仕事や政治の話で「議論」に発展してしまうのがたまに傷。
イタリアの場合だと、初対面でも
家族は? 週末は? おいしいもの食べた?
というようなオバちゃん的会話で延々と盛り上がります。
延々、というのは誇張でも何でもなく、食事には少なくとも2時間以上かけるのがこちらの流儀。何をそんなに喋ることがあるのか! というほど飽きずに喋り続けます。
仕事が絡んだ食事でも、本題である仕事の話が出て来るのは、ほとんどの場合デザートやコーヒーが出て来てから。
穿った見方をすると、そこまでの間に他愛もない話をしながらお互いの人品を見極めている感じもします。
そして仕事の依頼をする側もされる側も、チョコレートなぞつまみながらさらっと本題に触れるのみですが、翌日になると懸案はしっかり処理されている…そんな感じです。
恐るべし、イタリア人。
イタリアの方を夕食に招くとなると、メニューとしては
- 前菜数品
- プリモ・ピアット(パスタやリゾット)
- セコンド・ピアット(メイン料理)
- 付け合わせ
- デザート
…といった感じで、準備も楽ではありません。
けれどイタリアの食卓はお皿の上だけでなく、食卓を囲む人たちとの会話や流れる時間も、とても豊か。宴の後、台所で洗い物の山を目にしようと、食後の幸せな気分は続きます。
みなさんもイタリア式おもてなしで、ディナーパーティーを開いてみてはいかがでしょう?
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 佐々木希世(Kiyo Sasaki)
- Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
- ミラノ
14年8月に、イタリアはミラノに居を移す。2人の子供達を追いかけ回しながら、日本とは違う時間の流れの中でのイタリア生活を満喫中。学生時代の専門だった美術をはじめ、食事・お酒を愛する身には最高の住環境! 子育て周りをはじめ、そんなところもご紹介したいと思っています。著書『「半径5メートル最適化」仕事術 おしゃべりな職場は生産性が高い』好評発売中!