イタリアで子供の乳歯が生え変わった時にやってくる「歯の妖精」とは?
- 佐々木希世(Kiyo Sasaki)
- Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー 佐々木希世です。3月に入り、春めいた天気の日が多くなって来たフィレンツェです。同時に、イタリアでも特に杉の多いトスカーナは、スギ花粉症持ちには受難の季節到来でもあります(涙)。
イタリアでは子供の乳歯が抜けたらどうする?
さて、今回は子供につきものの「歯の生え変わり」について書いてみようと思います。
我が家の上のチビは5歳半。
お友達で歯がグラグラして来た子がいるの!
なんて話を家でして数日後、歯医者さんに検診に行ったら
あら、この二つ、グラグラしてるわよ!
と言われてビックリ。彼女自身も下の前歯2本が動き始めていたのでした。
それからはもう大変。毎日鏡を見て触っては
抜けないかな、早く抜けないかな!
を連発。そんなに揺らしたら折れちゃうよ! という突っ込みを我慢しながら、見守る日が続きました(きっとどこの国のママも同じですよね)。
そしてある日の夜の歯磨きで、ポロリ。ついに抜けたのです。
La Fatina dei Denti(ファティーナ・デイ・デンティ)とは?
さて。乳歯が抜けたはいいけど、もう夜だから外に投げるのは明日にするか。下の歯だから、屋根の上に投げればいいんだよね、はいはい。と思っていたらチビから待ったがかかりました。
ママ、何言ってんの? La Fatina dei Dentiが来るんでしょ? 勝手に捨てたらダメ!
と、モーレツに怒っております。
は? ファティーナ・デイ・デンティぃ? なんじゃそりゃ?
というと、彼女はさらに怒り、歯医者さんで見た絵本を忘れたのかと、お友達のところにはみんな来てるぞと、さらにお説教です。
えー、何だっけ。おぼろな記憶をたどると、確かにPeppa Pigの絵本で歯医者さんにそんなのがあったなあ…でもママ忘れちゃった。教えて、と言うと、
抜けた歯を枕の下に入れておくと、ファティーナ・デイ・デンティが夜来てプレゼントを置いてってくれるのッ!
と鼻息荒くブチ上げる5歳児。
あー、そうだった、そうだった、そんな話だったね。なるほど…確かコインと交換してくれるんだったっけ。
歯の妖精=La Fatina dei Denti(ファティーナ・デイ・デンティ)!
そうなのです。ここで解説を入れると、La Fatina dei Dentiとは「歯の妖精」という意味で、5歳児の言う通り、抜けた歯を寝る時に枕の下に入れておくと、歯を持ち帰り、コインを代わりにおいて行ってくれるという妖精さんなのです。
英語ではTooth Fairlyでしょうか。
ここには次に健康な歯が生えますようにとか、そういった健康的、教訓的要素は全くナシ。
ヨーロッパらしい“おとぎ話の世界観”に縁取られた歯の妖精です。
その割には置いて行くのがコインというのが俗っぽい。
ちなみにさ、お友達のところにはもう来たの?
と聞いてみると、先に抜けたお友達のところには、コインを置いて行く妖精あり、キャンディなどのおやつを置いて行く妖精あり、その家庭のポリシーによって色々なようでした。
分かりました。じゃあ今日は、抜けた歯をティッシュに包んで枕の下に置いて寝てごらん。
とコーフンの極地にある5歳児を諭しながら、何とかベッドに押し込み、さて我が家の妖精には何を持って来てもらうかと夫と議論。
結局オーソドックスに、1ユーロコインを置いて行ってもらうことにしたのでした。
ただ、悪ノリした私たち親は、「Fatina dei Denti」とサインしたかわいい絵はがきを一緒に置いておきました。
…次の朝、5歳女子の喜んだこと! 喜びにうち震えておりました。初めて抜けた歯、初めて来た歯の妖精(それもサインつき!)、そして初めてのお小遣い。
子供の頃って、こういう素晴らしい「初めて」の瞬間が数々あるんだなあと、親も嬉しさと懐かしさひとしおです。
で、そのコインは何に使うの?
と聞くと、あまりの嬉しさからか
使わないで取っとくの!
と即答し、絵はがきにセロテープで留めてしまいました。面白いなあ…いつまでも、最初にファティーナ・デイ・デンティが来たときのこと、覚えていて欲しいものです。
そして親の手元に残った下の歯は…もちろん屋根の上に投げましたとも!
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 佐々木希世(Kiyo Sasaki)
- Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
- ミラノ
14年8月に、イタリアはミラノに居を移す。2人の子供達を追いかけ回しながら、日本とは違う時間の流れの中でのイタリア生活を満喫中。学生時代の専門だった美術をはじめ、食事・お酒を愛する身には最高の住環境! 子育て周りをはじめ、そんなところもご紹介したいと思っています。著書『「半径5メートル最適化」仕事術 おしゃべりな職場は生産性が高い』好評発売中!