共働きが当然の国チェコ共和国 – 仕事における男女平等の国の「子育て&仕事」両立術とは?

ミカめぐみ(Megumi Mika)
Glolea! チェコ共和国子育て・田舎暮らしアンバサダー

こんにちは! チェコ共和国子育てアンバサダーのミカめぐみです。

 

いよいよ7月から2ヶ月の長い夏休みに突入し、共働き家庭にとって受難の季節がやってきました。共働きの我が家、祖父母の力や、近所の方々の協力、子ども達に理解・協力してもらいながら、なんとか半分が過ぎたところです。

 

今回は、チェコのワーキングマザーにスポットを当て、子育てと仕事の両立方法について分析していきたいと思います。

仕事における男女平等の国チェコ共和国!
日本に比べ女性管理職も圧倒的に多いこの国の育休について

チェコ共和国の通勤風景

▲これが、毎朝通勤に使っている駅。夏休みだからなのか、ラフな服装をした人が多いですね。

第2回の連載記事でもお届けしましたが、チェコでは共働きが基本です。

 

子どもが3歳になるまでは、主に母親が存分育児休暇を取得しますが、その後はママも通常フルタイムで働きます。まれに3年の育児休暇を取得せずに、早期に復職する人もいるらしいですが、あまり一般的ではないようです。

 

社会主義時代のなごりで、長い間「共働きは当然」と考えられているこの国では、女性の社会的立場も一般的に高く、ビジネス社会、政治の世界において、女性管理職の割合も日本に比べ圧倒的に高いです。

女性だから

と偏見にあうこともないですし、仕事においては男性と対等です。

 

私が思うに、女性ならではの資質が行かせるだろう職種においては、女性の割合の方がむしろ男性より多いと感じます。

チェコ共和国のワーキングパーソンは残業する? しない?

チェコ共和国のオフィス

▲こんなオフィスで仕事をしています。壁の赤がなんとも外国っぽい?(笑)

とはいえ、どんなに役職の高い人でも、男性でも女性でも

仕事は仕事、家庭は家庭

と割り切っており、家族に迷惑をかけてまで残業をする人は少数。時間がきたら退社するのが一般的です。

 

日本人に言わせて見れば

仕事が終わってないのに退社するとは何事だ!

ということになるのでしょうが、チェコのワーキングパーソンは、

時間内に終わらなかったのだから仕方ない、続きは明日

と考えています。

 

また

今日は担当者がお休みなので、わかりません

なんて声を聞くのは、ざら。(夏休み期間などの長期休暇中は特に。)

どうして、同僚なり部下なり、上司なりに引き継いでないのだ? 仕事が進まないじゃないか

とイライラすることが多々ありますし、実際に困ることも頻繁にあります。でも、それに対して誰も怒らないし、誰を責めたりもしない。それが良いのか悪いのかは別にして、それでも成り立ってしまうのが、チェコの社会なのです。

チェコ共和国の子ども達

▲子ども達は夏休みを利用して、色々なキャンプに参加します。これは長男君が、サッカーキャンプに参加したときもの。キャンプに参加したり、田舎の祖父母の家に行ったり、ゆったりと2ヶ月の夏休みを過ごします。

チェコでは「育メン」は当たり前!
おじいちゃん・おばあちゃんもみんなで協力する子育て・孫育て

男性も、女性の社会進出に関し理解が高く、スーツ姿のサラリーマンがベビーカーを押しながらビジネス街を歩いているなんてごく普通の光景。週末になれば、平日に自由がなかったお母さんの代わりに、お父さんが子どもの面倒を見、その間お母さんは羽を伸ばす、なんていうのも、誰に遠慮するわけでもなく、普通に行われている現状です。

 

お父さんの代わりが、おばあちゃんだったり、おじいちゃんだったりもします。

 

朝、幼稚園に子ども達を送り届けたり、お迎えに行ったりするお父さん、おじいちゃん、おばあちゃんの多いこと。
お父さんもお母さんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも…みんなで協力して子育てをしています

メンタルの強いチェコのワーキングママ達

お友達のJさんの場合−−Jさんは有名な法律事務所にお勤めです。長男を出産の後、3年で育休から復職。復職直後に第二子妊娠発覚。再度、産休&3年の育休を取得し、ようやく今年また復職しました。

 

しかし、第二子が3歳と小さく、急病になることも多々。ご両親も遠方在住のため、そんな時は彼女が仕事を休みます。

 

そういう彼女を良く思わない同僚は少なくはないそうで、嫌味を言われることもあるとのこと。それでも

自分が子どもの面倒を見なくて誰がみる?

と彼女自体が割り切り

どんな嫌味を言われようと、制度が整っている以上、それを利用するのは自分の権利よ

と胸を張って言い切ります。

そりゃ良い気分はしないけどね

と笑って言う彼女の笑顔を見ていたら、これが両立の秘訣かも、と思ったものです。

 

ワーキングパーソンが家族&子ども優先しても
社会はちゃんと回っていくチェコ

チェコ共和国

▲通勤電車から虹が見えました。こんなのどかな風景の中を毎日通勤しています。

日本の場合、チェコに比べて制度が整っていない部分も多いとは思います

 

でも、どうしても周囲の目を気にしたり、私が休むと誰かに迷惑かかるから休めない、という部分も多いのではないでしょうか? 

 

そこを「自分の権利は自分の権利」と割り切り、家族・子どもを何事よりも優先する。皆がそう動いても、仕事って実は何とか回っていきますし、回していかなければならない…と、ここチェコにいると感じます。

 

その一方で、平日の夕食は、週末にたくさん作り起きした料理を温めて食べたり、パンとチーズなど、冷たいものだけで済ますのが一般的です。

まとめ:仕事・子育て・家事…両立のために
割り切りも大切にするチェコのワーキングマザーの考え方

仕事をしながら、家事も完璧にやっている日本のお母さん達は本当にすごいです。

 

チェコでは、その部分は完全に割り切っています。料理だって、洗濯だって、アイロンだって、平日は出来なくて当たり前。週末にやればいいんです。

 

手を抜くことも大切と割り切る。
何事も完璧にやり遂げようとしない。
遠慮はせずに周囲の好意には甘える。
優先順位をはっきりさせ、周囲からの雑音に負けない強さを持つ。

 

そんな風に、親である大人が筋を通し、胸を張って堂々と生きていくこと。それがチェコでの育児と家庭の両立のコツではないかな…そんなことを感じながら日々、育児に仕事に奮闘しています。

 

 

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

ミカめぐみ(Megumi Mika)
Glolea! チェコ共和国子育て・田舎暮らしアンバサダー

2000 年よりチェコ共和国に移住。そろそろ日本に帰国しようとした矢先に、今の旦那様なる人に出会ってしまい、2003 年に国際結婚。2006 年 1 月に長男、2007 年 9 月に長女を出産。 専業主婦で数年過ごし、長女が 3 歳になった 2010 年から仕事に復帰。今はフルタイムでの仕事をこなしつつ、小学生 2 人の育児に奮闘しています。

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