「うちの子、恥ずかしがりやなの」って言わないで! 親がそう言ってはいけない理由と子どものためにできる5つのこと−アメリカンママの子育てルール[6]
- 善家美緒(Mio Zenke)
- Glolea! 世界の子育て取材中!アメリカ子育てアンバサダー
「アメリカンママの子育てルール」6回目は、情報サイト”FAMILY VOLLEY”より、「『うちの子、恥ずかしがりやなの』って言わないで! 親がそう言ってはいけない理由と子どものためにできる5つのこと」という記事についてお伝えします。
アメリカの様々なメディアがSNS上で配信している育児情報から、子育てのヒントを見つけながら”子育てに役立つ英語”にもトライしてみましょう!
目次
- アメリカ人にも実は多い? 子どもが恥ずかしがりやだったらどうするべき?
- 子どもの前で「うちの子恥ずかしがりやで…」と言ってはいけない4つの理由 1:DON’T LABEL YOUR CHILDREN/「この子はこういう性格だ」と決めつけないで!
- 2:DON’T BE EMBARRASSED/(子どもに)がっかりしないで!
- 3:DON’T RESCUE YOUR CHILD/(必要以上に)子どもを手助けしないで!
- 4:DON’T FORCE OR PRESSURE/無理強いしたり、プレッシャーをかけたりしないで!
- 人と話すのが得意ではない子どものために、親ができる5つのこと 1:EXPOSE YOUR CHILD TO ALL DIFFERENT SITUATIONS/いろいろなシチュエーションに子どもを慣らしていこう
- 2:ARRIVE EARLY AT SOCIAL GATHERINGS/集まりには早めに行こう
- 3:PREPARE YOUR CHILD BEFORE HAND/前もって、子どもに気持ちの準備をさせよう
- 4:PRACTICE SOCIAL SKILLS/挨拶の練習をしてみよう
- 5:FAMILY GATHERING AND PROVIDE LEADERSHIP OPPORTUNITIES/家族のなかでリーダーシップを取る練習をしてみよう
- まとめ:子どもにレッテルを貼る前に、”子どもの自尊心”について考えてみよう
- 参考
アメリカ人にも実は多い? 子どもが恥ずかしがりやだったらどうするべき?
この記事は、「He’s Just Shy」というタイトルで、5人の子どものママであるHeather Ann Johnsonが投稿しました。
フレンドリーなイメージを持たれがちなアメリカ人ですが(実際、フレンドリーな大人はとても多いですが)、内気な子どもは少なくありません。
そこは日本と同じですね。親としては、そんなときについつい
すみません、うちの子、ちょっと恥ずかしがりや/人見知りで…
と言ってフォローしたくなるものです。
でも、ちょっと待って!子どもは、親の話すことを驚くほどよく聞いています。
ママ・パパが「うちの子は恥ずかしがりやだから」と繰り返し言うことが子どもにどう影響するのでしょうか? まず、言ってはいけない理由4つから見てみましょう。
子どもの前で「うちの子恥ずかしがりやで…」と言ってはいけない4つの理由
1:DON’T LABEL YOUR CHILDREN/「この子はこういう性格だ」と決めつけないで!
まず、Heatherは、
When we label our children, they are more likely to “become” that label. /
わたしたちが子どもたちを”こういう性格だ”と決めつけたら、子どもはどんどんその性格になっていくでしょう。
と述べています。
そして、
わたしたちが、『うちの子は恥ずかしがりやだから』と言えば言うほど、子どもの口は閉じていく
と続けています。
もし、親が、子どもにもっと社交的になってほしいと思っているとしたら、まったく逆効果!というわけです。
2:DON’T BE EMBARRASSED/(子どもに)がっかりしないで!
子どもが挨拶できなかったり、何かを聞かれても返事をしないで隠れてしまったりすると、まるで「親が子どもをちゃんと躾けていないと思われるのではないか」という気持ちになってしまいがちですね。
でも、
We know our children best. /
子どもがちゃんとできるということを、親であるわたしたちは知っています。
だから、他人が”こう考えるのではないか”ということに左右されないでほしいと言っています。
3:DON’T RESCUE YOUR CHILD/(必要以上に)子どもを手助けしないで!
子どもが何か聞かれても返事ができなかったら、子どもの代わりに返事をするのではなく、
子どもの気持ちの準備ができたら話に参加できるように、会話を続けてみましょう
とのことです。
ついつい、子どもの代わりに名前や年齢を答えてしまうことがありますが、それは、余計に子どもが口を開きづらい状況を作ってしまうようです。
4:DON’T FORCE OR PRESSURE/無理強いしたり、プレッシャーをかけたりしないで!
子どもに話させようとプレッシャーをかけると、”話したくない子ども”と”話させたい親”という力と力のぶつかり合いになってしまいます。
そうなると、「子どもは、”これはやってほしくない”ということばかりやるようになってしまう」ので要注意。
確かに、話させようとすると、むしろ口をぎゅっと閉じて下を向いてしまう、ということがよくありますよね。無理強いは逆効果です。
人と話すのが得意ではない子どものために、親ができる5つのこと
1:EXPOSE YOUR CHILD TO ALL DIFFERENT SITUATIONS/いろいろなシチュエーションに子どもを慣らしていこう
無理強いしない範囲で、子どもをいろいろな場所に連れていって、さまざまな人と知り合う機会を作ってみましょう。
人見知りするから、恥ずかしがるから、といって、ずっと家の中で親子だけで過ごすのは、子どものためになりません。Heatherは、2回繰り返しています。
Don’t shelter your child.
子どもを過保護にしないで
と。
2:ARRIVE EARLY AT SOCIAL GATHERINGS/集まりには早めに行こう
これはとても面白い視点だと思うと同時に、パーティーなどで子連れで集まる機会が多いアメリカならではだなと感じました。
大人でさえ、すでに人が多く集まって盛り上がっているパーティーに足を踏み入れるのは、少し気が引けてしまうものです。
ましてや子どもであれば、なおさらです。少し早めに到着すれば、たくさんの人で混み合う前に、その場所・その雰囲気・参加する人々に馴染んでいくことができます。
Heatherは、それを
It gives them time to warm up the people and the environment.
と表現しています。パーティーだけではなく、習い事や地域の集まり、子連れでママ友と遊ぶときなどにも応用できますね。
3:PREPARE YOUR CHILD BEFORE HAND/前もって、子どもに気持ちの準備をさせよう
突然知らない人に話しかけられると、大人でも警戒します。
もし、そういうことがあるとあらかじめわかっているときは、子どもに気持ちの準備をさせましょう。
もう少ししたら、あなたに、こんにちはって挨拶して、お名前を聞いて、握手をしたいなっていう人がいると思うよ。もしできたら、それに応えてみる?
と、これから起きるであろうこと、こうしてほしいなと思うことを合わせて伝えてみてください。
4:PRACTICE SOCIAL SKILLS/挨拶の練習をしてみよう
これもなかなかユニークな方法です。親が子どもと一緒に、”知らない人と挨拶する”というロールプレイングをしてみる、というものです。
子どもの目を見て、挨拶をする。自己紹介をして、相手に聞こえる大きさの声で話す。
これを親と繰り返すことで、子どもの自信につながるといいます。
5:FAMILY GATHERING AND PROVIDE LEADERSHIP OPPORTUNITIES/家族のなかでリーダーシップを取る練習をしてみよう
これは、家族で集まっているときに、子どもに何か役割・やるべきことを与え、リーダーとして振る舞ってもらうという方法です。
日本人にはちょっと馴染みのない考え方かもしれませんが、それほど特別なことでなくとも、家族でやるゲームなどを仕切らせたり、”家族会議”のときの議長さん役を任せてみるのもいいかもしれませんね。
まとめ:子どもにレッテルを貼る前に、”子どもの自尊心”について考えてみよう
「『うちの子、恥ずかしがりやなの』って言わないで! 親がそう言ってはいけない理由と子どものためにできる5つのこと」、いかがでしたでしょうか?
そもそも、この記事に興味を持ったのは、2歳9ヶ月になる娘が、急に人見知りするようになったことがきっかけでした。
今までは、知らない人にも元気に「Hi!」と挨拶していたのに、最近は、知っている店員さんなどでも顔を背けたり、わたしの足下に隠れてしまったり。
気まずくなってしまって、いつもわたしは
What do you say?
と娘を促し、ついつい、
Sorry, she is a little shy.
と言い訳していました。
そんなある日、いつも話しかけてくれるマンションのコンシェルジュに会い、また黙ってしまった娘。
いつものように
She’s just shy.
と言い訳をして別れた後、娘が悲しそうに、
Mommy, I’m not shy.
「ママ、わたし、恥ずかしがりやじゃないよ」
と、小さな声でつぶやいたのです。
それを聞いて、わたしはとても驚きました。
わたしは、その場の雰囲気を取り繕うため、つまり”便宜的”にそう言っていただけなのですが、
ママは、わたしのことをだめな子だと思っているんだ
と、娘に思わせていたのかもしれません。そう思うと、娘に対してとても申し訳ない気持ちになりました。
そして、Heatherの記事を読んで、わたしが言い訳していたことで、娘の小さな自尊心を傷つけていたんだな、と改めて反省したのです。
小さい頃は、子どもは人見知りをするものです。アメリカ人でさえ、そうなんです!
うちの子、恥ずかしがりやで・・
と子どもにレッテルを貼る前に、“子どもの自尊心を守ること”を考えてあげられる、そんなママ・パパを目指したいですね!
参考
記事をお読み頂きありがとうございました!
みんなの評価: (件)
この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 善家美緒(Mio Zenke)
- Glolea! 世界の子育て取材中!アメリカ子育てアンバサダー
- ワシントンD.C.
2014年よりワシントンD.C.在住。渡米するまでテレビ局のディレクターとして、教育・教養分野の番組を制作。夫の海外転勤に伴い退職、”世界の子育てを取材するジャーナリスト”を目標に、2歳の娘とアメリカ生活奮闘中!趣味は旅行、芸術、読書。ロシア文学、モネ、尾形光琳、冬のドイツをこよなく愛しています。