6割以上が自宅出産!ラオスの少数民族の子育て・出産の現実と課題

堀内清華(Sayaka Horiuchi)
Glolea! ラオス母子保健アンバサダー
ラオスでは、多くの少数民族が山で生活をしています
▲ラオスの子ども達の栄養状態を確認する、村落保健ボランティア。ラオスの村、特に貧しい山間部では食べるものが限られており、低栄養の子どもがたくさんいます。

▲ラオスの子ども達の栄養状態を確認する、村落保健ボランティア。ラオスの村、特に貧しい山間部では食べるものが限られており、低栄養の子どもがたくさんいます。

山へ通じる道は舗装されていないために状態が悪く、雨期になると通行できず、外界から遮断されてしまう村も多くあります。

母子が亡くなってしまうこと多くあるのに
ラオスでは6割近くが自宅出産にならざるをえない…その理由とは

ラオスでは、未だに道路がない村は全国の2割にのぼります。

 

そのため、ラオスの病院受診率は低く、例えば、未だに6割近くのお母さんは自宅で出産します。

▲ラオスの狭い山道を約3時間車で移動。雨期には道がぬかるみ、通行が難しくなるため、病院へ通うこともできず、出産も自宅にならざるを得ません。

▲ラオスの狭い山道を約3時間車で移動。雨期には道がぬかるみ、通行が難しくなるため、病院へ通うこともできず、出産も自宅にならざるを得ません。

 

しかも、出産時には大半が家族の付き添いのみ。保健職員が介助するのはごく一握りです。

そうして健康状態が悪くなってしまったり亡くなってしまったりするお母さんや子どもたちがたくさんいます

 

どれだけ多くのお母さんや子どもたちに保健医療サービスを提供できるかが課題で、私のいるプロジェクトでも、受療率改善のためのお手伝いをしています。

 

私も、村での母子保健サービスの提供をモニタリングするために、ラオス県保健局の職員と一緒に時々村に行きます。今回は、県の中心部から3時間ほど起伏の激しい山道を走り、いくつかの川を越えたところにあるヘルスセンターに行ってきました。(ラオスでは、国→県→郡→村となっており、ヘルスセンターは村レベルで保健サービスを提供する施設です)。

 

村は電気も水も通っておらず、電話も通じません。

 

水は村で共同の井戸水を使用していますが、お風呂は川での水浴びで済ませます

 

今回、村のお母さんや子どもたちをヘルスセンターに集めて、

  • 健康教育
  • 妊産婦健診
  • 家族計画指導
  • 小児健診
  • 予防接種

…などの提供が行われました。こうして施設や保健職員に慣れてもらって、普段から受診してもらうようにすることが目的です。受診する習慣がない村人の意識を変えていくのはなかなか難しいですが、少しずつ理解してもらい、村のお母さんや子どもたちの健康状態が良くなればなと思っています。

▲村人に健康教育を行うヘルスセンター職員。妊婦健診の重要性について話しています。

▲村人に健康教育を行うヘルスセンター職員。妊婦健診の重要性について話しています。

 

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

堀内清華(Sayaka Horiuchi)
Glolea! ラオス母子保健アンバサダー
パクセー

大学生時代から、国際団体に所属して国内外の保健に関する活動に参加。小児科研修終了後、かねてからの途上国での保健に関わりたいという思いから、いったん病院を離れることを決意。2012年5月より、JICA(独立行政法人 国際協力機構)のプロジェクト(母子保健統合サービス強化プロジェクト)の長期専門家として、ラオスで働いている。

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