親子で海外に暮らしたい!
私が親子留学先をニュージーランドに決めた5つのポイント
- 海老原由佳(Yuka Ebihara)
- Glolea! ニュージーランド小学生留学 × 英語学習アンバサダー
小学生の息子ふたりを連れて、数年間の長期滞在を視野にニュージーランドに渡る決心をした私。
新たな挑戦に不安がないと言えば嘘になります。しかし、彼らがバイリンガル臨界期を迎える前に海外生活を経験するメリットは、しばらくのあいだ家族が一緒に暮らせない寂しさや、慣れない土地で新たに生活を築く大変さを考慮しても、あまりあると確信しています。
※我が家の場合、今回の長期・親子留学は単身で夫は日本で暮らし。私と息子はニュージーランドに渡るという決断をしました。
Glolea![グローリア] 読者のみなさんの中には「子どもと海外で暮らしてみたい」と考えている方も多いはず。すでに特定の国にターゲットを絞っている方もいれば、「どこか外国で…」という漠然とした夢を描いている方もいらっしゃるかも知れませんね。
今回は、長期で親子留学を検討する際に「どの国に行き先を決めるか」を考えるポイントについて、我が家の場合をモデルケースとしてお届けできればと思います。
目次
長期の親子留学を検討する際に考えたいこと
- どこの国・文化圏で暮らすのか
- どんな環境で子育てをするのか
- どういった教育を子どもに受けさせたいと考えるのか
etc…
こうした要素をひとつずつ掘り下げ、イメージをどんどん膨らませてみてください。それぞれのご家庭で重要視するポイントは異なるでしょうし、そこから見えてくるビジョンも違ったものになるはず。子育てや教育についての自分たちの価値観をしっかり見つめるいいチャンスにもなるでしょうか。
私たちの家族の例をお話ししましょう。長期の親子留学目的地を決めるにあたり、大切に考えたのは、以下の5つのポイントでした。
- 英語圏であること
- 現地の公立校に通えること
- 子育てに適した環境であること
- 暮らしやすい環境であること
- 多文化環境であること
ここから、私達家族が考えた長期・親子留学の目的地を決める際に検討したそれぞれのポイントについて詳しく解説してまいります。
ポイント1:「英語圏であること」
外国語を習得するために最も効率的なのは、その言語が共通語として話されている環境に身を置くことですよね。日常的なやり取りから子どもたちはたくさんのことを吸収します。学校だけでなく、スーパーや銀行、バスや電車の中など、社会のさまざまな場面に応じて言葉が使い分けられていることも実感できるはず。
我が家の場合は息子たちに英語を習得させたかったので「英語圏」ですが、例えばシンガポールやマレーシアと行った国々は、英語と中国語の両方を学びたい場合に適した多言語環境といえるでしょう。
ポイント2:「現地の公立校に通えること」
現地の公立校に通えることも、私たちにとっては重要なポイントでした。私立の学校にはないダイバーシティがあり、ローカルのコミュニティーにより近づけるからです。
インターナショナル・スクールの場合、英語は学校で学べても、現地の言葉は自分で努力しないと習得できません。私たちがバンコクに在住していた当時も、タイ語は最低限しか話せるようにならず、英語のできないタイ人のお友達と親しくお付き合いするには至りませんでした。
コスモポリタンな学びの環境は魅力的ですが、その反面、駐在家庭の子どもたちが多いためクラスメイトは頻繁に入れ替わります。友人関係が固定化していない分、新たに友達を作る際にはむしろ好都合ですが、「せっかく仲良くなった親友が本国に帰ってしまう」という寂しい思いを子どもが経験するのは避けられないでしょう。
コストの面でも現地公立校に軍配が上がります。自国民であれば税金でまかなわれる部分を留学生は自費でカバーすることが求められますが、それでも現地私立校やインターナショナル・スクールに比べたらはるかに低額。ニュージーランドの公立小学校に留学生として1年通う場合、学校に納める金額は100万円前後ですから、首都圏で私立の小中学校に通わせるよりも若干高め、といったところでしょうか。
これに対してインターナショナル・スクールは、日本国内だと年間200万〜250万円あたりが相場。タイやマレーシアなどの東南アジア諸国の場合、アメリカ系、イギリス系のインターであれば300万円以上、ローカル運営でも150万〜200万円程度が一般的なようです。シンガポールに至ってはさらに高額になると現地で暮らす友人がこぼしていました。
また、インターナショナル・スクールの多くは、年齢相応の学びを英語でできることを入学の前提条件として求めます。幼稚園や小学校低学年レベルでの編入でない限り、英語ができない子どもは受け入れが難しいケースが多いようです。
一方、ニュージーランドやオーストラリアといった国々は、海外からの留学生の受け入れをひとつの産業として捉え、外貨獲得手段として政府が積極的に推進しています。このため、留学生ビザの取得が容易なだけでなく、公立学校の受け入れ態勢も整っていることが多いのです。
ポイント3:「子育てに適した環境であること」
子育てをするにあたり、環境のよさは大切ですよね。その点でもニュージーランドは最高です。空は青く、緑は美しく、空気は澄んでいて、水は清らか。そして夜空には満天の星…。「地球ってなんて美しいんだろう」とため息のこぼれる瞬間を一日のうちに何度も経験できます。普段の生活から自然の豊かさや美しさに触れることは、情操教育の面でも非常に重要ではないでしょうか。
また、子どもたちが広い場所で自由に体を動かして遊べる環境も魅力です。タイなど東南アジアの国々では、子どもの肥満が深刻な問題となっています。公園や広場などは限られていますし、交通事故や犯罪の危険性も高く、子どもたちだけで遊びに出かけられる環境ではないためでしょう。食生活の問題もさることながら、運動不足が大きな要因のようです。
ポイント4:「暮らしやすい環境であること」
健康的な生活が送れる場所であることも外せないポイントでした。私自身が2007年にシックハウス症候群(化学物質過敏症)を煩ったこともあり、生活環境内の有害物質や食品に含まれる添加物には注意を払って子育てをしてきました。そのこだわりを妥協することなく暮らしていける国となると、残念ながらそう多くはありません。
ニュージーランドは食の安全性に関する人々の意識が高く、オーガニック食品が手に入りやすい社会です。経済的効率よりも環境保全を最優先に考える人たちですから、原発もありません。せかせか働いたり、人と競争したりすることにあまり興味がなく、みんなが人生を楽しむすべを知っています。国全体の人口は450万人ですから、東京に暮らす人の3分の1程度。広々と感じるはずですよね。
ポイント5「多文化環境であること」
環境的にも恵まれ、社会文化的にも非常にリベラルなニュージーランド。先進的なことで知られる北欧の国々に近いイメージですが、さらに素晴らしいのは多民族国家であること。日本にいるとあまり感じられないかも知れませんが、よその国では往々にして、その国のマジョリティでないと居心地の悪い思いをする場面が増えたりします。その点、古くから移民を受け入れて来た国はマイノリティでも比較的暮らしやすいと言えるでしょう。
また、ニュージーランド人はフレンドリーであることでも有名。どの英語圏の国に比べても穏やかで優しい国民性は、新たにコミュニティーに加わる仲間を温かく受け入れているようです。
最後は…インスピレーション!
5つのポイント、いかがでしたか? みなさんが親子留学の目的地を選ぶ際、参考になれば嬉しいです。
と言いつつ、最終的な決断をする際に私が最も信頼したのは、自分自身のインスピレーションでした(笑)。大切にしたいポイントを整理し、選択肢を狭めていった後にひとつを選ぶときには、ピンと来るかどうかの感覚を大切にするのが一番なように思います。どうかみなさんも自分たちにピッタリな留学の地を見つけてくださいね!
記事をお読み頂きありがとうございました!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 海老原由佳(Yuka Ebihara)
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東京生まれの東京育ち。20代はJ-WAVEナビゲーターとして活動する。これまでに住んだ国は、日本、オーストラリア、タイ。子どもの頃から夢だったニュージーランド暮らしを実現させるため、2015年に小学生の息子ふたりとオークランドへ引っ越し予定。子どもたちへの英語学習コーチングについても目下研究中。